認知症の症状 「徘徊」
認知症の方の介護の際に「徘徊」にどのような対応をするか、
頭を悩まされている方も少なくありません。
「徘徊」はただ目的もなく歩き回っているわけではなく、
ご本人は「どこかに行く」であったり、「探し物を探している」であったり、
何らかの目的をもって行動されています。
ただ、その行動の最中に目的を忘れてしまい、結果「徘徊」ということになります。
「徘徊」はどうして起こるのか。
そのように何らかの目的をもって起こる「徘徊」ですが、
その原因は大きく三つに分かれます。
1.前頭側頭型認知症
FTD(前頭側頭型認知症)ですが、
神経細胞が壊れることにより、前頭葉や側頭葉が委縮することが原因で発生します。
脳の萎縮により特定の行動を繰り返してしまうことがその特徴ですが、
その行動の一部に「徘徊」があります。
2.見当識障害
生活にかかわる基本的な状況把握の機能に障害が出るのが見当識障害の特徴です。
見当識障害になると、今日がいつなのか・自分が今どこにいるのかなどがわからなくなってしまうため、「徘徊」につながります。
3.ストレス・不安
老人ホームや介護施設での生活中に不安やストレスを感じることでご自宅に帰りたいと感じ、「徘徊」につながる方もいらっしゃいます。
自宅に帰りたいと感じ施設を飛び出したものの自宅の場所がわからず、
周辺をさまよってしまいます。
「徘徊」防止システムについて
そういった「徘徊」への対応策として、
NPO法人24時間みまもり社会を創る会笑顔が、老人ホームをはじめとした高齢者施設向けの徘徊防止システムを全面リニューアルし、
「まかせてドア」を販売しています。
「まかせてドア」は、
「徘徊」をされる高齢者の方に腕時計型のICタグを身に着けていただくことで、
居室やユニット・老人ホーム自体を知らぬ間に出ていかれることを防ぐことができます。
介護施設内のスタッフの体制や、常に一人一人を完全に見守ることができるかどうかなど、
介護業界全体が人手不足の今100%の体制を整えることはなかなか難しくなっています。
このような徘徊防止システムが、
介護業界の人手不足に対しどれだけの助けになるかが期待されます。
この記事の監修者
いいケアネット事務局
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