認知症は、”単なるもの忘れ”と違って病気です。
そして誰もがかかる可能性がある、とても身近な病気の1つです。
認知症にはさまざまな原因疾患があり、早めに発見して治療すれば、治るものもあります。
そのため、本人だけでなく家族や周囲の人の気づきが大切です。
また、認知症にはほかの病気とは違って家族の介護や長年にわたるケアが必要になる、
避けることができない”大変さ”がつきものです。
その一筋縄ではいかない”大変さ”が繰り返される毎日から、
認知症の方を抱えるご家族は介護疲れに陥ってしまう事も少なくありません。
認知症かもしれないと少しでも感じるような状況がある場合は、まずチェックしましょう。
それは、早期発見することで認知症が治ったり、症状の進行を遅らせることができたり、病気の改善につながる認知症もあるからです。
少しでも早い段階で気づき、適切な治療を取り入れることが大切です。
「財布や通帳などを探すことが多い」「最近のことが思い出せない」「言葉がすぐに出てこない」
といった状況が目立ってきていませんか?
家族や身近な方が認知症と診断されると、
普段から日常生活を送るうえでどのように接すれば良いか不安になることもあるでしょう。
まずは、認知症という病気とその方の症状を知り、詳しく理解しましょう。
そして、その病気に向き合っていくために、どのように対応すればよいのかを考えることが大切です。
また特別な目で見ず、病気でない方と接するのと同様に、プライドを尊重して接しましょう。
また、今後のご本人と家族の生活の為に、今すぐに入居するかどうかは別として、
どのような老人ホームがあるのか、認知症の方に適しているのはどのような老人ホームなのかを事前に調べておくことが重要となってきます。
認知症の方に対する受け入れ態勢の手厚い老人ホームが有ります。
徘徊、妄想、昼夜逆転などの認知症状があっても、受け入れてくれる老人ホームは数多く有ります。
大きな声を出す方、多少の暴力行為にも対応できる老人ホームや、認知症を遅らせるリハビリが出来る老人ホームもあります。
認知症の方の受け入れをしている老人ホームに最も必要な体制は、常時見守れるスタッフがいることです。
老人ホーム、サービス付高齢者向け住宅では、24時間365日介護スタッフが常駐し、認知症の方のケアができる体制が整っているところあります。
介護付き有料老人ホームは最低人員配置基準(要介護者3名に対して看護または介護職員1名の配置)が義務付けられ、かつ看護師が常駐しているので安心です。
また、老人ホームでは、ご入居者さまのご希望や状態に合わせて、これ以上症状が進行しないような予防プログラムや多種多様な療法、幅広いサービスを提供するなど、工夫を凝らした介護ケアを個別に手厚く行って、それに加えて、リハビリテーションに必要な設備があったり、専門家と連携していたり、症状改善を見込んだ生活が出来る老人ホームもあります。
老人ホーム、施設によっては、認知症の方の専用フロアを設けて他の入居者の方と居住スペースを分けて、認知症の方の対応を経験豊富なスタッフが担当したり、同じような症状の方と接することで症状改善の機会につなげたりといった配慮もあります。
「もしも」の時でも任せられる信頼を寄せやすいのも、老人ホームならではの良さです。
これから老人ホームを選ぼうとしていらっしゃる方は、初めて老人ホームに関わることがほとんどだと思いますので、どうしたらよいのかと戸惑う方が多いと思います。
家を購入することと同じであるように、パンフレットやホームページだけでは、そこで「生活する」ということをイメージしづらいかと思います。
いくつか候補の老人ホームがあるのであれば、実際に足を運んで、そこで働いている方や、ご入居されているご入居者さまの表情をよく見ていただくことをお勧めします。
良い環境では、みなさん自然と表情も明るく、笑顔になるものです。
そして、老人ホーム見学に行った際は、気になることがあったら、遠慮せずに納得するまで、とことん質問してください。
老人ホームによっては、歩けなくなったら退去しなければならないような所もあります。
この先認知症が進行しても、最期まで老人ホームでみてもらえるかどうかで、老人ホーム選びも変わってきます。
終末期を見据えての老人ホーム選びの場合は、どの状態までみてもらえるのか、ということを事前に確認しておいた方が良いでしょう。
老人ホームには必ず、「重要事項説明書」というものがあり、そこに退去条件も記載されています。「重要事項説明書」には必ず目を通し、しっかりと読み込みましょう。
この記事の監修者
いいケアネット事務局
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