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かんたん位置情報サービスとは?徘徊する高齢者にもおすすめなの?

家族の位置情報や移動履歴をリアルタイムで確認できるサービス「かんたん位置情報サービス」は、高齢者の支援におすすめです。

認知症の高齢者を在宅介護で支援している方は、夜間徘徊の可能性もあるため位置情報を確認できるGPSアプリだけでは限界に感じる方もいるでしょう。

そこで本記事では、かんたん位置情報サービスの特徴や介護の現場で利用して得られることなどを解説します。

かんたん位置情報サービス以外にもおすすめできるアプリや端末もお伝えしているので、ぜひ参考にしてください。

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かんたん位置情報サービスとは

かんたん位置情報サービス

かんたん位置情報サービスは、株式会社ドコモ(以下「ドコモ」と略す)が提供する位置情報取得サービスです。

2022年3月31日まで提供されていたFOMA対応版とは異なり、LTE対応版では以下のように利用の用途に応じているのが特徴です。

  • 検索回数が少ない方向け:人の見守りや盗難防止の「かんたん位置」
  • 検索回数が多い方向け:主に運送業における車両の勤怠管理ができる「かんたん位置EX」

また、かんたん位置情報サービスはサーバーを介して位置情報を取得するサービスなため、システム構築せずに済みます。

位置情報をリアルタイムで閲覧でき、移動履歴も確認できるサービスですが、かんたん位置情報サービスは法人名義のみ利用可能な点には注意してください。

なお、個人名義でもドコモのかんたん位置情報サービスのように、位置情報を取得できるサービスについては、本記事の後半で紹介しています。

【タイプ別】かんたん位置情報サービスの機能

かんたん位置情報サービス

ドコモのかんたん位置情報サービスは、カスタマイズ性の違いから、以下2種類のタイプで提供されています。

  • UI(標準テンプレート)タイプ
  • WebAPI連携(地図情報利用無)タイプ

「自社に取り入れるならどちらにすべきか」を見極める際に、ぜひ役立ててください。

この記事は「コンテンツポリシー」に沿って執筆しています。
目次

UI(標準テンプレート)タイプ

UI(標準テンプレート)タイプとは、かんたん位置情報サービスの中でもシンプルで使いやすいインターフェースを備えたタイプです。

パッケージ型のクラウドサービスなため、サービスを利用した段階からアプリや地図などの情報が搭載されています。

株式会社ドコモ「かんたん位置情報サービス」

引用:株式会社ドコモ「かんたん位置情報サービス」

リアルタイムで人やモノの位置情報を、登録した端末から検索できます。

検索する端末は、社内のパソコンや社用スマホなどが登録でき、出先でも位置情報の取得が可能です。

WebAPI連携(地図情報利用無)タイプ

WebAPI連携(地図情報利用無)タイプは、かんたん位置情報サービスのWebAPI(Web用のアプリ)を通じて自社で構築したシステムと連携させるタイプです。

位置情報サービスを既存システムに統合したい企業や開発者にとっておすすめです。

地図情報の取得よりも、活動の追跡を重視するような製品の配送状況のモニタリングでも利用できます。

株式会社ドコモ「かんたん位置情報サービス」

引用:株式会社ドコモ「かんたん位置情報サービス」

WebAPI連携(地図情報利用無)タイプは、地図データを利用しないため、システムの軽量化やコスト削減ができる点が魅力です。

地図が不要なシステムでは、余計なデータの読み込みがないため、応答時間が速くなり、リアルタイムでの処理がより効率的になります。

介護の現場で取り入れてできること

かんたん位置情報サービス

かんたん位置情報サービスを介護の現場で活用すると、介護者と被介護者の双方にとってメリットがあります。

介護施設だけでなく在宅介護においても、以下のようなシーンで活用できます。

利用目的 内容
徘徊リスクの低減 リアルタイムで高齢者の位置を把握し、迅速な対応ができる
介護者の安心 外出先でもスマートフォンやタブレットで高齢者の動向を確認できる
家族との連携強化 遠方からでも高齢者の状況を把握しやすく、コミュニケーションを円滑にする

なお、家族の認知症や徘徊が心配な方は、かんたん位置情報サービス以外にもおすすめの対策グッズがあります。

以下の記事でおすすめグッズと選び方などを紹介しているので、あわせてご覧ください。

関連記事:認知症の徘徊対策グッズ4選!選ぶときのポイントや対応策も解説

かんたん位置情報サービスは法人向け?個人が利用できるアプリや端末一覧

かんたん位置情報サービスは、介護の現場において認知症の方が徘徊しても、早期発見につながる可能性が高まるおすすめのサービスです。

しかし、かんたん位置情報サービスは法人名義でしか契約できず、在宅介護に限界を感じている方もいるでしょう。

ここからは、個人名義で利用できるアプリや端末を紹介していきます。

1.イマドコサーチ

株式会社ドコモ「イマドコサーチ」

引用:株式会社ドコモ「イマドコサーチ」

「イマドコサーチ」は、ドコモが個人向けに提供している位置情報サービスで、子どもや高齢者の見守りに役立つツールとして人気があります。

イマドコサーチは、スマートフォンのGPS機能を利用して、登録されたユーザーの現在地をリアルタイムで確認できます。

月額220円(税込)で、見守る側はドコモ回線ではなくても利用できるのがメリットです。

見守られる側が危険に遭遇したり急な体調不良を感じたりした際「ちょこっと通知」を押してもらえば、緊急通知として位置情報が取得できます。

警察が提供する事件情報もリアルタイムで更新されるため、子どもの通学や高齢者の散歩中など、緊急時の連絡も可能です。

2.認知症徘徊GPSセンサー

認知症徘徊GPSセンサー公式サイト

引用:認知症徘徊GPSセンサー公式サイト

「認知症徘徊GPSセンサー」は、認知症患者の安全を確保するために開発されたデバイスです。

上記、認知症徘徊GPSセンサーの公式サイトのトップページにあるように、小型な端末なためストラップとして持ち歩けます。

専用の靴やお守りなども提供しており、高齢者にとっての馴染み深さが特徴です。

認知症徘徊GPSセンサーを月額3,080円(税込)、65,780円(税込)の購入、どちらかで利用できます。

また、認知症に特化したGPSセンサーなため、自宅からの設定距離を超えるとメールで知らせてくれるのも魅力の1つです。

家族が認知症で徘徊の可能性が高い家庭では、認知症徘徊GPSセンサーがおすすめの選択肢になります。

3.どこさいる

やさしい手公式サイト

引用:やさしい手公式サイト

「どこさいる」は、個人や家庭での利用に特化した位置情報サービスであり、高齢者の見守りに役立つ機能を提供しています。

どこさいるは手のひらサイズの小型なGPS端末で、自宅から50m単位で特定エリアを設定できます。

特定エリアを超えた場合、メールで通知が届くため高齢者が徘徊し、行方不明になった際の早期発見に寄与するのが特徴です。

端末の電池残量の通知も充電残量が75%、50%、30%、15%、0%各々のタイミングで通知が届くのも、電池残量を心配せずに済みます。

かんたん位置情報サービスを取り入れて高齢者の支援をしよう!【まとめ】

かんたん位置情報サービス

かんたん位置情報サービスは、徘徊の心配がある高齢者を持つ家庭や介護施設にとって、役立つツールです。

位置情報を簡単に把握できると、不安を軽減し安心して日常生活を送る手助けとなります。

しかし、かんたん位置情報サービスは法人名義のみになるため、在宅介護の方はイマドコサーチや認知症徘徊GPSセンサーなどを選びましょう。

端末をレンタルしたり購入したりせずに利用できるアプリもあり、介護環境に応じて選ぶのがおすすめです。

大阪を中心に、多数の高齢者向けの介護施設の情報を掲載する「いいケアネット」では、老人ホームに関する疑問やそれにまつわる情報を「いいケアジャーナル」で随時更新中です。

関連記事:徘徊とは?原因と対応〜徘徊対策グッズまで解説

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かんたん位置情報サービスを利用する上でよくある質問

位置情報が勝手に探されることはある?

かんたん位置情報サービスを含め「位置情報が勝手に探されるのでは?」と心配する方もいるでしょう。

一般的に、位置情報サービスはユーザーの許可なしに位置情報を取得できません。

スマートフォンやアプリは、位置情報を取得する際にユーザーの同意を求めます。

たとえば、アプリをはじめて使用する際や位置情報を利用する機能を有効にする際、位置情報の利用許可を確認する画面が表示されます。

しかし、不正なアプリや設定の不備によって無断で位置情報が取得される可能性があるため注意が必要です。

信頼性の低いアプリをインストールやセキュリティ設定を適切に管理していない場合、意図せず位置情報を第三者に提供している可能性があるのです。

警察庁でも、アクセス許可やSMS、無料アプリの利用などに対し、注意喚起を促しています。

写真をSNSに投稿する際も、端末のGPS機能や付近の風景から位置情報を取得される可能性もあるため、設定を見直しておきましょう。

参考:警察庁「スマートフォンを利用している方へ」

高齢者向けの見守りサービスはある?

高齢者向けの見守りサービスは、ドコモで提供されている「ちかく」がおすすめです。

らくらくフォンを含め、スマートフォンの利用に抵抗がある高齢者も、普段利用しているテレビと接続できます。

Wi-Fiの接続や工事も不要で、ケーブルを2本テレビにつなげるだけで利用可能です。

Zoomのようなグループ通話もでき、離れた場所にいる家族と時間を共有できます。

月額1,980円(税込)のサービス利用料と、33,000円(税込)かかる家型端末の購入費用の負担はありますが、在宅介護をしている方におすすめです。

参考:株式会社ドコモ「ちかく」

関連記事:認知症による徘徊を探さないで済む方法とは?対策や発見のヒントを解説!

監修者

一般社団法人全国介護事業者連盟 理事長会

斉藤 正行

一般社団法人全国介護事業者連盟理事長。立命館大学卒業後、複数の介護関連企業で要職を歴任し、日本介護ベンチャーコンサルティンググループを設立。講演活動やメディア出演も多数。

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