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デイケアのメリットとデメリットは?デイサービスとの料金の違いも解説

「最近、親の体力が落ちてきて、自宅での介護が大変だ」
「リハビリを受けさせたいけど、送り迎えが難しい」

このようにお悩みの方もいるでしょう。

デイケアは、そんな悩みを解決する一つの選択肢です。

この記事では、デイケアを利用する4つのメリットとデメリットを詳しく解説します。さらに、デイケアとデイサービスの違いや利用条件、利用方法まで紹介しています。

デイケアの利用を検討している方やご家族の介護に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

デイケアを利用する4つのメリット

デイケアの利用は、本人だけでなく、家族にとっても多くのメリットがあり、生活の質が向上するでしょう。デイケアの利用を検討している方のために、主なメリットを4つご紹介します。

  • 専門スタッフによる質の高いリハビリを受けられる
  • 医療ケアを受けられ緊急時にも対応してもらえる
  • 家族の介護負担が軽減される
  • 社会とのつながりができる

それぞれのメリットを詳しく解説します。

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目次

専門スタッフによる質の高いリハビリを受けられる

デイケアでは、専門的な知識と技術を持つスタッフから、質の高いリハビリテーションを受けられるのが大きなメリットです。

理学療法士や作業療法士、言語聴覚士などが利用者の状態に合わせた個別のリハビリ計画を作成し、機能回復をサポートします。

たとえば、自宅でのリハビリでは難しい専門的な機器を使ったトレーニングや集中的な個別指導を受けるのが可能です。身体機能の維持・改善、日常生活動作(ADL)が向上し、最終的には生活の質の向上につながります。

専門家のサポートを受けながら、効果的なリハビリに取り組めることは、利用者にとって有益でしょう。

医療ケアを受けられ緊急時にも対応してもらえる

医師や看護職員が常駐しているため、日常的な健康管理から緊急時の対応まで受けられるのが、デイケアの特徴です。

利用者は、体温・血圧・脈拍などのバイタルチェックを定期的に受けられ、健康状態を把握でき、日々の健康状態がわかります。

たとえば、持病がある方や服薬中の方も、医師や看護師による服薬管理や健康相談を受けられるので安心です。万が一、リハビリ中に事故や急変が起きた場合でも、迅速に対応してもらえる体制が整っています。

医療的なサポートが充実しているため、安心してデイケアを利用できるでしょう。

家族の介護負担が軽減される

介護をする家族の負担を軽減してくれるのは、デイケア利用の大きなメリットです。日中の数時間、利用者がデイケアにかようことで、介護から離れる時間をつくれます。

その時間を利用して、溜まった家事を済ませたり、自分の趣味の時間を持ったり、休息を取ったりできます。介護は肉体的にも精神的にも負担が大きいため、一時的にでも介護から離れる時間をもつのは重要です。

また、デイケアのスタッフに介護に関する悩みや不安を相談できるため、精神的なサポートも得られます。介護者の負担を軽減し、心身ともにリフレッシュできる点は、デイケアの魅力でしょう。

社会とのつながりができる

デイケアは、社会とのつながりを維持・促進する場としても機能するため、自宅に閉じこもりがちな高齢者にとってメリットです。デイケアにかようことで、他の利用者やスタッフと交流する機会が生まれます。

リハビリ中に他の利用者と挨拶を交わしたり、スタッフと世間話をしたりするだけでも、社会との接点を持てます。他者と会話し孤独感が解消され、社会の一員であると意識を持てるでしょう。

デイケアは、心身のリハビリだけでなく、社会とのつながりを再構築する場としても、重要な役割を果たします。

デイケアを利用するデメリット

デイケアの利用は多くのメリットがある一方で、利用する上で知っておくべきデメリットも存在します。ここでは、デイケア利用前に知っておくべき以下の2つ、デメリットを解説します。

  • 利用開始までの手間がかかる
  • 施設数が少なく入居までに時間がかかる

デメリットを理解した上で、利用するのがご自身やご家族にとって適切か判断していきましょう。

利用開始までの手間がかかる

デイケアの利用を開始するまでには、いくつかの手続きが必要であり、ある程度の時間と手間がかかるのがデメリットの一つです。多くの場合、主治医が作成する「診療情報提供書」や「健康診断書」が必要になります。

書類を準備するためには、改めて健康診断を受け直したり、書類作成料を支払ったりする必要があります。また、書類が完成するまでに1〜2週間程度かかるのも珍しくありません。

デイケアを利用したいと思っても、すぐに利用開始できるわけではないことを理解しておく必要があります。利用を検討し始めたら、早めに情報収集や準備を始めるのが大切でしょう。

施設数が少なく入居までに時間がかかる

デイケアは、デイサービスと比較して施設数が少ないため、利用を希望してもすぐに入所できないのがデメリットです。全国的に見ても、デイケア施設はデイサービス施設の約3分の1程度しかありません。

厚生労働省のデータによると、2023年時点でデイケア施設数は全国8,234件であるのに対し、デイサービス施設数は24,569件です。この数字からも、デイケア施設が相対的に少ないのがわかります。

希望する地域にデイケア施設がない、あるいは空きがないといった状況も起こりえます。利用を検討する際には、事前に複数の施設に問い合わせ、空き状況や待機期間を確認する点が重要です。

また、デイケア施設が見つからない場合や、入居までに時間がかかる場合は、他の選択肢も検討してみましょう。

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参照:結果の概要|厚生労働省

デイケアとデイサービスの違いとは?

デイケアとデイサービスの違いは、主に次の5つあります。

  • 目的の違い
  • 対象者の違い
  • サービス内容の違い
  • 料金の違い
  • 人員配置の違い

以下で、それぞれ見ていきましょう。

目的の違い

デイケアとデイサービスの利用目的の違いは大きなポイントです。デイサービスは日常生活の支援と社会的交流を提供するのに対し、デイケアは身体機能や認知機能の回復に特化しています。

たとえば、デイサービスではレクリエーションを通じて楽しみながら日常生活支援を受けられます。

しかし、身体機能を維持するための機能訓練があっても、専門職によるリハビリや医師の直接的な指示はありません。一方、デイケアでは専門的なリハビリを受けられます。

このように、日常生活の支援や社会的交流、家族の負担軽減を目的とする場合はデイサービスを、心身の機能回復や医療的ケアを求める場合はデイケアを選択しましょう。

対象者の違い

デイケアとデイサービスでは対象者に違いがあります。具体的には、デイサービスは要介護1〜5の人が対象で、デイケアは要支援1〜2および要介護1〜5の人が対象です。この区分は自治体による「要介護認定」にもとづいています。

これらの認定を受けていないと原則として利用はできません。ただし、介護予防型のデイサービスのみ、要支援認定を受けている人も利用できます。

また、デイケア利用時には、専門的なリハビリを受けるために医師の指示書が必要です。利用を考えている方は、ケアマネジャーや主治医に相談するところから始めましょう。

参考記事:要支援2と要介護1の違いは?認定基準や受けられるサービスを解説

サービス内容の違い

デイケアとデイサービスでは提供されるサービスに大きな違いがあります。デイサービスは主に食事や入浴、排泄などの日常生活を支援するサービスに焦点を当てています。

これに対し、デイケアでは医師の指示の下、リハビリテーションや健康管理などの医療的サービスが主要な内容です。

またデイサービスでは、デイケアで提供されるような専門的な医療サービスを受けることはできませんが、リハビリ特化型のデイサービスも存在します。

このタイプのデイサービスでは、機能訓練指導員による身体機能の維持や回復を目指した訓練が受けられます。

ただし、リハビリに特化しているため、多くの場合、食事や入浴、レクリエーションといった他のサービスは提供されていない場合が多くなるのです。

サービスの詳細については施設ごとに異なるため、具体的なサービス内容や提供方法については、直接各施設に確認しておきましょう。

料金の違い

デイケアとデイサービスでは、利用料金にも違いがあります。一般的に、デイケアの方がデイサービスよりも料金が高くなる傾向にあります。

これは、デイケアがリハビリテーションに特化しており、専門職の人員配置が手厚いためです。

以下が、デイサービス費用の目安です。

要介護度 3-4時間未満 4-5時間未満 5-6時間未満 6-7時間未満 7-8時間未満 8-9時間未満
要介護1 368円 386円 567円 581円 655円 666円
要介護2 421円 442円 670円 686円 773円 787円
要介護3 477円 500円 773円 792円 896円 911円
要介護4 530円 557円 876円 897円 1,018円 1,036円
要介護5 585円 614円 979円 1,003円 1,142円 1,162円

一方のデイケアの費用目安は以下になります。

要介護度 3-4時間未満 4-5時間未満 5-6時間未満 6-7時間未満 7-8時間未満 8-9時間未満
要介護1 483円 549円 618円 710円 757円 807円
要介護2 561円 637円 733円 844円 897円 947円
要介護3 638円 725円 846円 974円 1,039円 1,089円
要介護4 738円 838円 980円 1,129円 1,206円 1,256円
要介護5 836円 950円 1,112円 1,281円 1,369円 1,419円

料金は、利用時間やサービス内容、施設の規模などによって細かく設定されています。利用を検討する際には、各事業所に詳細な料金体系を確認するのが重要です。

参考:介護報酬の算定構造|厚生労働省

人員配置の違い

デイケアとデイサービスはそれぞれ異なる目的を持つため、配置されている人員にも違いがあります。

デイサービスには介護士や看護師といった職員の他に、日常生活を送る上で必要な機能や能力を維持、向上させるための訓練を行う機能訓練指導員が在籍しています。

機能訓練指導員として働く人々は、看護師や理学療法士、作業療法士など、専門知識がある方です。

一方で、デイケアには介護士や看護師に加え、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士などのリハビリ専門職と医師が在籍しています。

このように、デイケアとデイサービスでは提供されるサービスの性質が異なるため、それぞれの目的に応じた専門職が配置されています。利用者のニーズに合わせて適切なサービスを選択する点が大切です。

デイケアの利用条件と利用方法

デイケアを利用するには、いくつかの条件を満たし、所定の手続きをしなければなりません。

ここでは、デイケアの利用を検討している方に向けて、具体的な利用条件と手続きの流れを解説します。

  • 「要介護認定」と「医師の診断書・指示書」が欠かせない
  • ケアマネジャーへの相談から利用開始までの流れ

利用条件と利用方法を知り、スムーズにデイケアの利用を開始しましょう。次の見出しから詳しく見ていきます。

「要介護認定」と「医師の診断書・指示書」が欠かせない

デイケアを利用するためには、まず「要介護認定」を受けているのが必須条件となります。

デイケアは介護保険サービスであるため、要支援または要介護の認定が必要です。認定申請は、お住まいの市区町村の窓口でおこないます。

初めて申請する場合、原則として6カ月の有効期間が設けられます。更新手続きを忘れずにおこないましょう。デイケアでのリハビリは医師の指示にもとづいて実施されるため「医師の診断書・指示書」も必要です。

かかりつけ医がいる場合は、その医師に作成を依頼します。かかりつけ医がいない場合は、市区町村が指定する医師やデイケア施設に在籍する医師の診断でも問題ありません。

この書類が揃って、初めてデイケアの利用が可能になります。

ケアマネジャーへの相談から利用開始までの流れ

デイケア利用開始までの流れは、以下のとおりです。

  1. まず、ケアマネジャーに相談する
  2. 希望する施設を見学する
  3. かかりつけ医に診断書を作成してもらうよう依頼する
  4. 施設担当者と面談し、利用できるかどうかを判定する
  5. 利用できることになったら、ケアプランを作成する
  6. 内容に問題がなければ、利用を開始する

上記の手続きは、一見複雑に感じるかもしれませんが、ケアマネジャーが丁寧にサポートしてくれます。まずは、お気軽に相談してみましょう。

デイケアを利用してみよう

デイケアは、専門的なリハビリテーションや医療ケア、社会とのつながりなどの多くのメリットがあるサービスです。

利用を検討している方は、まずはケアマネジャーに相談し、施設見学をおこなってみましょう。

自宅での生活が難しくなってきた、あるいは、より充実した環境で過ごしたいと感じたら、老人ホームへの入居も検討してみましょう。

また「医療ケアが不安」「手厚い介護が必要」と感じる場合は、医療機関併設の老人ホーム等も検討しましょう。

大切なのは、ご本人とご家族にとって最適な選択をする点です。デイケアや併設ホーム、その他施設などの特徴を比較し、納得のいく選択をしましょう。

いいケアネット」では全国の3万件以上の老人ホームや高齢者住宅を多数掲載しています。専門アドバイザーの無料相談もご利用いただけます。「施設選びの選択肢を知りたい」という方も、お気軽にご相談ください。

この記事の監修者

いいケアネット事務局

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