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デイケアとデイサービスの違いとは?メリット・デメリットや適切な利用方法まで解説

デイケアとデイサービスの違いとは?メリット・デメリットや適切な利用方法まで解説

「デイケア」と「デイサービス」、どちらを選べばいいのか悩んでいませんか?この2つのサービスは、一見似ているように感じられるかもしれませんが、目的や対象者、提供されるサービスの内容、人員配置に大きな違いがあります。

この記事では、デイケアとデイサービスの具体的な違いと、それぞれのメリット・デメリット、さらにはこれらのサービスを適切に利用するための方法までをわかりやすく解説します。

この記事を読むことで、あなたに最適なサービスを選ぶための知識が得られるでしょう。

目次

デイケアとデイサービスの違いとは?

デイケアとデイサービスの違いは、主に次の4つがあります。

  • 目的の違い
  • 対象者の違い
  • サービス内容の違い
  • 人員配置の違い

以下で、それぞれ見ていきましょう。

目的の違い

デイケアとデイサービスの利用目的の違いは大きなポイントです。デイサービスは日常生活の支援と社会的交流を提供するのに対し、デイケアは身体機能や認知機能の回復に特化しています。

例えば、デイサービスではレクリエーションを通じて楽しみながら日常生活支援を受けられます。しかし、身体機能を維持するための機能訓練があっても、専門職によるリハビリや医師の直接的な指示はありません。一方、デイケアでは専門的なリハビリを受けられます。

このように、日常生活の支援や社会的交流、家族の負担軽減を目的とする場合はデイサービスを、心身の機能回復や医療的ケアを求める場合はデイケアを選択しましょう。

対象者の違い

デイケアとデイサービスでは対象者に違いがあります。具体的には、デイサービスは要介護1~5の人が対象で、デイケアは要支援1~2および要介護1~5の人が対象です。この区分は自治体による「要介護認定」に基づいています。

これらの認定を受けていないと原則として利用はできません。ただし、介護予防型のデイサービスのみ、要支援認定を受けている人も利用できます。

また、デイケア利用時には、専門的なリハビリを受けるために医師の指示書が必要です。利用を考えている方は、ケアマネジャーや主治医に相談するところから始めましょう。

サービス内容の違い

デイケアとデイサービスでは提供されるサービスに大きな違いがあります。デイサービスは主に食事や入浴、排泄などの日常生活を支援するサービスに焦点を当てています。これに対し、デイケアでは医師の指示の下、リハビリテーションや健康管理などの医療的サービスが主要な内容です。

またデイサービスでは、デイケアで提供されるような専門的な医療サービスを受けることはできませんが、リハビリ特化型のデイサービスも存在します。このタイプのデイサービスでは、機能訓練指導員による身体機能の維持や回復を目指した訓練が受けられます。ただし、リハビリに特化しているため、多くの場合、食事や入浴、レクリエーションといった他のサービスは提供されていないことが多いです。

サービスの詳細については施設ごとに異なるため、具体的なサービス内容や提供方法については、直接各施設に確認しておきましょう。

人員配置の違い

デイケアとデイサービスはそれぞれ異なる目的を持つため、配置されている人員にも違いがあります。

デイサービスには介護士や看護師といった職員の他に、日常生活を送る上で必要な機能や能力を維持、向上させるための訓練を行う機能訓練指導員が在籍しています。機能訓練指導員には、看護師や理学療法士、作業療法士など、さまざまな資格を持つ専門家が従事しています。

一方で、デイケアには介護士や看護師に加え、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士といったリハビリ専門職と医師が在籍しています。

このように、デイケアとデイサービスでは提供されるサービスの性質が異なるため、それぞれの目的に応じた専門職が配置されています。利用者のニーズに合わせて適切なサービスを選択することが大切です。

それぞれのサービスのメリット・デメリット

それぞれのサービスのメリット・デメリット

ここからは、デイケア・デイサービスのそれぞれのメリットとデメリットをみていきましょう。

デイケアを利用するメリットとデメリット

デイケアのメリットとしては、専門スタッフによるリハビリテーションを受けられる点が挙げられます。これにより、利用者は自身の身体機能や認知機能の回復・維持を図ることが可能になります。

また、医師が常駐しており、医療的な観点からのサポートを直接受けられる点も大きなメリットです。最後に、要介護状態であっても、要支援状態であっても利用できる点がメリットとして挙げられます。

一方で、デイケアのデメリットとして、デイサービスに比べて費用がかかる場合が多く、経済的な負担が大きくなることが挙げられます。

また、デイサービスに比べて提供される施設の数が少ないため、利用したい場合でも選択肢が限られることがあります。さらに、施設によっては設備の充実度に差があり、一貫したサービス品質を期待することが難しい場合があります。

利用を検討する際には、これらの点を踏まえて、自身のニーズや状況に最も合った選択をすることが重要です。

デイサービスを利用するメリットとデメリット

デイサービスにはいくつかのメリットがあります。まず、デイサービスは施設数が多く、選択肢の幅が広いため、利用者のニーズや好みに合わせやすいです。また、空きがあれば比較的すぐに利用を開始できる柔軟性があります。

デイケアと比較してリーズナブルな価格設定であることもメリットの一つです。さらに、機能訓練を主目的とする利用者の場合、少人数で運営される事業所を選択することも可能です。

一方で、デイサービスの利用にはデメリットもあります。専門スタッフによるリハビリテーションサービスを受けることは基本的にできないため、医療的なリハビリが必要な場合には不向きかもしれません。

また、要支援1・2の人は基本的に利用ができないという制限があるため、介護の必要度が比較的低い人々は対象外となります。さらに、比較的大規模な事業所が多く、個別のニーズや好みに合わせたサービスを受けにくい可能性もあります。

これらのメリットとデメリットをしっかりと考慮し、自分や家族の状況に最も合ったサービスを選択することが大切です。

デイケア・デイサービスを適切に利用するためには

デイケア・デイサービスを利用する際は、次の3つのステップを進めましょう。

  • ケアマネに相談する
  • 施設を見学する
  • それぞれのサービスの変更・併用を検討する

以下で、それぞれ解説します。

ケアマネに相談する

サービスを選択する際、ケアマネジャーとの相談は非常に重要です。生活で困難なこと、目指すべき理想の姿、受けたいサービスの種類、望む生活スタイルなど、具体的な話し合いをすることが大切です。

また、ケアマネジャーだけでなく、利用を考えている施設のスタッフともこれらの目標を共有することで、理想の生活に一歩近づくことができます。自分自身の現状を正確に伝え、どのような支援が必要かを明確にすることで、より適切なサービス提供が可能になります。

施設を見学する

施設を見学することで、多くの情報を得られます。まず、施設の環境や設備の状態を直接目で見ることができます。これにより、施設が清潔で安全か、利用者のニーズに合った設備が整っているかなど、具体的なイメージを持つことが可能になります。また、施設の特徴や強みを直接スタッフから聞くことで、その施設がどのようなサービスに力を入れているかもわかるでしょう。

施設見学では、スタッフの雰囲気も重要なポイントです。スタッフとの対話や利用者との接し方を観察することで、その場の雰囲気やスタッフの人柄、専門性を感じ取ることができるでしょう。文章や言葉だけでは伝わらない、施設の「空気」を直接感じられるのは、見学の大きなメリットです。

さらに、複数の施設を見学することも重要です。異なる施設を比較することで、自分や家族に最適なサービスを提供している施設を見つけやすくなります。

このように施設見学は、環境や設備、施設の特徴やスタッフの雰囲気を直接確認できる貴重な機会であり、最適な施設選びには欠かせないステップです。

それぞれのサービスの変更・併用を検討する

一定の条件下で、デイケアからデイサービスへのサービス移行ができます。例えば、デイケアでのリハビリテーションにより状態が改善した場合、よりコストが低く、日常生活のサポートを中心としたデイサービスへ移行することも可能です。医師やケアマネジャーなど専門家の意見を仰ぎながら最適な選択をしていきましょう。

さらに、デイケアとデイサービスは併用も可能であり、実際に多くの方がこの方法を利用しています。この併用は、専門的なリハビリや医療ケアを受けつつも、同時に社会的交流や日常生活のサポートを得たいというニーズに応えます。

厚生労働省の調査によると、デイケア利用者の中で、要介護1~2の方の36.3%、要介護3~5の方の21.9%がデイサービスを併用しており、デイケア終了後は要介護1~2の75.2%、要介護3~5の70.5%がデイサービスを利用しています。

これらのデータから、多くの人がデイケアとデイサービスのそれぞれの利点を活用し、ニーズに応じてこれらのサービスを組み合わせていることがわかります。特に、専門的なケアを受けながらも、社会的な交流や日常生活のサポートを受けたいと考えている方には、デイケアとデイサービスの併用を検討しましょう。

参考:厚生労働省『通所リハビリテーション

デイケアとデイサービスの違い【まとめ】

デイケアとデイサービスは、それぞれ異なる目的と対象者、提供されるサービス内容、人員配置に違いがあります。デイサービスは日常生活の支援と社会的交流を目的とし、要介護1~5の人が対象です。対して、デイケアは要支援の方も対象となり、身体機能や認知機能の回復に特化した、より医療的なケアを提供します。

選択に際しては、利用者の現在のニーズや健康状態、経済的な考慮を踏まえ、ケアマネジャーや主治医との相談を重ね、施設を見学してから、最適なサービスを選択しましょう。また、状況に応じてデイケアとデイサービスの併用も検討することが重要です。

最適なケアプランの選定に向けて、積極的に情報を収集し、専門家との相談を行いましょう。

この記事の監修者

いいケアネット事務局

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