高血圧や健康を気にする方にとって、食事の塩分を減らすのは大きな課題ですが、味気ない食事はなるべく避けたいものです。
本記事では塩分控えめにするコツとして、食材本来の味を活かす方法から、減塩タイプの調味料やスパイスの活用など、多彩な減塩のコツを紹介します。
本記事を読むと、料理の味を損なわず、塩分控えめな食事を楽しむための具体的な方法を学べます。
本記事で紹介する塩分控えめのコツをもとに健康的な食卓を実現し、毎日の食事をより豊かに彩りましょう。
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塩分控えめにする料理のコツ
塩分控えめにするコツとして挙げられるのは、主に以下の通りです。
- 食材本来の味を活かす
- 減塩タイプの調味料を使う
- 食材の切り方を工夫する
- 食材の脱水をする
- 塩の代わりにスパイスを使う
順番に料理をする上で塩分控えめにするコツを解説していきます。
減塩のコツ1.食材本来の味を活かす
塩分控えめにするコツとしてまず挙げられるのは、食材本来の味を活かす方法です。
たとえば酸味を加えるためにレモンやすだちを使ったり、うま味のある食材を使ったりするのがおすすめです。
トマトやかぼちゃなどにはうま味成分が豊富に含まれているため、塩分控えめにする料理として採用してみましょう。
ほかにも豚肉の薄切りを肩ロースにしてみるのも、赤みと脂身のバランスが良いのも塩分控えめにしながら料理をするのにおすすめです。
減塩のコツ2.減塩タイプの調味料を使う
醤油やだしつゆなどの調味料を使う際「減塩タイプ」の調味料を採用するのもおすすめの手段です。
たとえば通常タイプの濃口醤油と減塩タイプとを比較すると、大さじ1杯(18g)あたりの食塩相当量は、1.1gの差があります。
- 通常の濃口醤油:食塩相当量2.6g
- 減塩タイプの醤油:食塩相当量1.5g
醤油を使って料理をしたいときや刺身に醤油をかけたいときなど、塩分控えめにするためにも減塩タイプの調味料を使いましょう。
減塩のコツ3.食材の切り方を工夫する
食材の切り方を工夫するのは、塩分控えめな料理を実現するためのポイントとなります。
食材を小さく切ると、均一に味が行き渡りやすく、少量の調味料でもしっかりと風味を感じられます。
また、食材を細かく切るのは、火の通りが早くなり、調理時間が短縮されるのもメリットです。
料理をする上で水分が蒸発しすぎず、自然な味わいを保ちながら、調味料の必要性を減らせるため、結果として塩分控えめのコツとなるのです。
減塩のコツ4.食材の脱水をする
食材の脱水は、減塩を実現するための効果的な方法の1つです。
食材から水分を適度に抜くと、素材そのもののうま味や風味が凝縮され、少量の塩でも十分に味を引き出せます。
たとえば野菜を使う際、あらかじめ塩を少量振りかけて水分を出させたり、キッチンペーパーを使って水分を吸い取ったりすると、調理後の味わいをより深くできます。
脱水によって食材の密度が高まり、調味料がしっかりと絡むため、少量の調味料でも塩分控えめで満足感のある味を楽しめるのです。
減塩のコツ5.塩の代わりにスパイスを使う
塩分控えめにしたいときに有効な方法の1つが、スパイスの活用です。
スパイスは料理に深みと風味を加え、塩を使わなくても満足感のある味わいを提供してくれます。
たとえば、カレー粉やクミン、コリアンダーなどは、料理に香りを加えて食欲をそそります。
また、レモンやライムのような柑橘類の皮をすりおろして加えると、爽やかな香りと酸味が塩分の少なさを補ってくれるのが特徴です。
スパイスを使うと、料理で味のメリハリがつきやすいため、塩の代わりに使って塩分控えめにつなげていきましょう。
関連記事:高齢者に柔らかい料理を作る上でのポイントやレシピなどを紹介!
食事の塩分を減らす工夫
塩分控えめにするコツとして、食事においての塩分を減らす工夫も挙げられます。
- 食物繊維を含んだ食材を摂る
- カリウムを含んだ食材を摂る
- 外食や加工食品を控えめにする
料理以外で食事の塩分を減らすコツについて、順番に解説していきます。
食物繊維を含んだ食材を摂る
食物繊維を豊富に含む食材を摂取するのは、塩分を効果的に排出する一助となります。
食物繊維には水溶性と不溶性の2種類があり、それぞれ異なる健康効果が期待できます。
種類 | 特徴 |
水溶性食物繊維 | 腸内でゲル状に変化し、塩分を含む余分な水分を吸収 |
不溶性食物繊維 | 腸を刺激し、便通を促進 |
上記の効果を得るためにも、野菜や果物、全粒穀物、豆類などを積極的に食事に取り入れましょう。
食物繊維は1日の摂取目標量が25gと決まっていますが、少しずつ増やしていくと、胃腸への負担を減らし、無理なく摂取量を増やせます。
参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)の策定ポイント」
カリウムを含んだ食材を摂る
摂取する塩分量をコントロールするためにも、カリウムの摂取を意識してみましょう。
カリウムには体内の塩分を体外に排出する働きがあり、塩分を控えめにしたいと考えている方にとって重要な栄養素です。
カリウムが多く含まれている食品は「わかめ」「ほうれん草」「アボカド」などが挙げられます。
カリウムは加熱によって流れ出しやすい性質を持っているので、可能であれば加熱せずに食べるのをおすすめします。
外食や加工食品を控えめにする
外食や加工食品には多くの塩分が含まれているケースがあるため、控えるのがおすすめです。
たとえば、レトルトや加工肉(ウインナー・ベーコンなど)、外食の食品などは多くの塩分が含まれています。
薄味に感じても、塩分を大量に摂取している可能性があるので注意してください。
具体的には加工食品を選ぶ際、ラベルを確認して塩分の少ない商品を選ぶよう心がけましょう。
とくにソースやドレッシングなどは、無添加や減塩タイプの商品を選ぶのがおすすめです。
関連記事:スマイルケア食とは?介護食で活用するための適切な選び方など解説
塩分控えめのコツを理解して食卓を彩ろう!【まとめ】
塩分控えめにするためのコツを理解すると、日々の食事が健康的で美味しくなります。
まずは、食材本来の味を活かし、減塩タイプの調味料を使えば無理なく塩分を減らせます。
また、食材の切り方や脱水を工夫し、塩の代わりにスパイスを活用すると、味に深みを持たせられるのもおすすめの方法です。
さらに、食物繊維やカリウムを多く含む食材を摂るのも、塩分バランスを整えやすくなります。
外食や加工食品を控えながら、少しずつでも健康的な食事習慣を築いていきましょう。
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塩分控えめにする上でよくある質問
1日の塩分摂取量の目安は?
1日の塩分摂取量の目安は、成人男性で7.5g未満、成人女性で6.5g未満が推奨されています。
しかし現代の食生活では、多くの方が基準を超える塩分を摂取しているのが2022年の調査結果で明らかになりました。
- 成人男性の食塩摂取量平均値:10.5g
- 成人女性の食塩摂取量平均値:8.8g
※厚生労働省「令和4年国民健康・栄養調査結果の概要」世帯の等価所得それぞれの平均値より算出
上記の通り、塩分摂取量の目安と比較すると成人男性で3.0g、成人女性で2.3gを超えた摂取量となっているのです。
外食や加工食品を食べる機会が多い方は、本記事で紹介した塩分控えめのコツを取り入れてみましょう。
高齢者の食事を塩分控えめにするのはなぜ?
高齢者が塩分控えめの食事を摂るのが推奨される理由は、加齢によって体の機能が変化し、心血管系や腎機能に影響が及びやすくなるためです。
高血圧は高齢者に多い健康問題であり、塩分の摂取量が多いと血圧が上昇しやすくなります。
高齢者は加齢に伴って味覚を感じる細胞である「味蕾(みらい)」が減少するため、つい塩気の強い食事を好んでしまいます。
つまり、意識的に塩分控えめにするコツを取り入れるのは、健康リスクを軽減しつつ、より健康的な生活を維持する可能性を高めてくれるのです。