介護が必要になったご本人やご家族にとって、介護老人ホームへの入居は大きな決断ですよね。しかし、どんな手順を踏めばいいのか、どんなことに気をつければいいのか、不安に思う方も多いのではないでしょうか?今回は、介護老人ホームへの入居までの流れを、わかりやすく解説していきます。
希望条件を明確に
まずは、ご本人やご家族の希望条件を明確にすることが大切です。
その際、
- 1.介護度(持病の種類)
- 2.認知症発症の有無
- 3.医療の必要性(病院への通院の必要性)
- 4.立地
- 5.費用
- 6.施設の雰囲気
以上6点を考慮して希望を決めましょう。
現在の要介護度によって、利用できるサービスや費用が異なりますし、医療処置が必要な場合は、対応可能な施設を選ぶ必要があります。また、施設入居の際の審査に持病の種類と病院への通院の必要性の有無が重要なポイントになります。家族様などが訪問するために、自宅からの距離や、周辺環境なども考慮する必要があります。もちろん、費用も重要で、入居費用や月々の費用、食費など、経済状況に合わせて検討します。忘れてはいけないのが、施設の雰囲気です。家庭的な雰囲気、医療的な雰囲気など、ご本人の性格や価値観に合った施設を選ぶことがポイントです。
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施設探し
希望条件を整理したら、実際に施設を探してみましょう。施設を探す方法は、当方のような介護情報サイトを利用したり、各地域の介護サービス情報サイトで検索することができます。また、ケアマネージャーや地域包括支援センターで相談することもできます。
資料(パンフレット)請求
気になる施設が見つかったら、まずはパンフレットを請求したり、実際に施設を見学してみましょう。パンフレットには、施設のサービス内容や費用などが詳しく記載されています。パンフレットは1つの施設だけ取り寄せても他との違いを比較検討することができないので、複数の施設から取り寄せてみることをおすすめします。パンフレットで料金や立地、建物の雰囲気、施設の運用方針への納得感などを確認します。
見学でチェック
施設見学をすることで、パンフレットだけでは分からない、施設の雰囲気やスタッフの対応などを確認できます。見学に行く際は施設との日程の調整など多少の手間がかかりますが、早めに複数の施設を予約しておくことで比較的スムーズに見学スケジュールを立てることができます。見学の際は、施設職員に許可をもらい、スマホカメラで撮影しておくと、家に帰ってから親族などに相談しながら検討することができます。いいケアネットでは相談から見学予約まで一括して行うことができます。
体験入居でチェック
一部の施設では、体験入居ができる場合があります。実際の施設での生活を体験することで、施設が本人様に合うのかを確認できます。実費の有無は施設により異なりますが、主に有料老人ホームで行われていて、1泊につき1万円前後程度で体験入居できます。
仮申し込み
施設見学が一通り終わったら、施設入居の申し込みです。この時に注意したいのが「申し込みをしても、すぐに入居できるわけではない」ということです。申し込みを終えた状態はいわば「仮押さえ」の状態です。仮押さえの間に入居に必要な書類の用意や、面談日時を施設側と決めます。
入居申し込みから入居審査、契約へ
仮申し込み後、入居したい施設であれば、入居申し込みを行いましょう。必要書類の準備として、身分証明書、介護保険証、診療情報提供書や健康診断書など、必要な書類を準備します。必要な書類は施設によって異なるので、施設に確認しながら進めましょう。
その後、施設の職員と面談を行い、入居に関する説明を受けます。面談が終わったら、施設によって入居審査が行われます。ここで検討される内容は主に、要介護度や健康状態、経済状況の3つです。特に経済状況は、身元保証人の有無に重点が置かれます。後見人制度や民間の保証会社を利用することが可能なので、身元保証人がいない方は前もって、どのように身元保証をするか考えておくと良いでしょう。無事審査を通過すると入居契約を結びます。契約内容をしっかりと確認し、不明な点は質問しましょう。
入居準備と新しい生活へ
契約が完了したら、いよいよ入居の準備です。
衣類、洗面用具、寝具など、入居に必要な持ち物を準備します。施設によっては、部屋の模様替えなどが可能な場合があります。家具を適切に設置することで本人がトイレまでの手すりとして使用したりすることもできます。他者と共用ができない衣類やタオルは当然として、カーテンやテレビ、洗濯機なども持ち込みの場合があるので、必ず施設側に必要な持ち物を確認しておきましょう。必要ない物を購入してしまうと余計な出費になってしまいます。
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入居をスムーズにするために知っておきたいこと
最後に、何点か注意点をお伝えします。
費用面について
費用には「上乗せ費用」と「横だしサービス費用」がかかる場合があります。
「上乗せ介護費」とは、介護保険など国が定めている介護体制以上の手厚い介護サービスを受ける場合にかかる費用のことです。「横出しサービス費」とは、病院の付き添いや買い物代行など介護保険適用外のサービスを利用する際に生じる費用のことです。これら費用をあらかじめ把握しておくことで、入居後にかかる費用を正確にシミュレーションすることができます。施設側に確認しておきましょう。
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時間が掛かる手続き
また、入居までの流れを逆算して動くために、事前にどうしても時間がかかる手続きを理解しておくとスムーズです。
申込みから入居までは仮押さえ期間となり、おおよそ1ヵ月の期間が必要となります。ほかにも、医療機関に書類の提供を求める場合に時間が掛かることが多く、必要な健康診断書を取得できるまでは2~3週間くらいかかると考えておくと良いでしょう。
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まとめ
介護老人ホームへの入居は、ご本人やご家族にとって大きな決断ですが、事前にしっかりと準備することで、安心して新しい生活を始めることができます。また自分ひとりで判断せずに、家族や専門家などの意見にもしっかりと耳を傾けることで、重要事項の確認漏れなどを未然に防ぐことができます。入居後のトラブルを避けるためにも、契約書類のチェックは慎重に行いましょう。
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この記事の監修者
いいケアネット事務局
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