「特養に早く入れる方法はないのか?」と悩むあなたへ、この記事は解決の糸口となるでしょう。特養(特別養護老人ホーム)の入居待ちは長いと言われていますが、実は早期入居がしやすくなるテクニックや対策が存在します。
この記事では、特養に早く入るための具体的な9つの方法から、入居待ち時の対処法まで、幅広く網羅しています。
この記事を読むことで、ただ待つだけでなく、具体的な行動で特養入居を早められます。さらに、早期入居が実現できなかった場合に備えた代替策も得られるので、心の負担も軽減されるでしょう。この記事の情報を生かして、安心した老後を早く実現しましょう。
特養に早く入れる方法【9選】
特養に早く入れる方法として次の9つが挙げられます。
- 早めに相談窓口に足を運ぶ
- 複数の施設に申し込む
- 緊急度をしっかりアピールする
- 担当のケアマネージャーに相談する
- ユニット型の特養へ申し込む
- ショートステイやデイサービスを提供している特養を利用する
- 対象エリアを拡大する
- 介護サービスを積極的に利用する
- 毎日こまめに情報を収集する
以下で、それぞれ説明します。
早めに相談窓口に足を運ぶ
特養に早く入りたいのなら早めに相談窓口に足を運ぶことが重要です。なぜなら、特養は入居待ちが多いからです。また、早期に相談することで、施設の空き状況や入居条件についても詳しく知ることができます。
なお、相談窓口は地域包括支援センターや市役所に設置されており、主にケアマネージャーが対応してくれます。ケアマネージャーは介護のプロフェッショナルであり、特養の入居に必要な情報を提供してくれます。例えば、どの施設が良いか、どのようなサービスがあるかなど、具体的なアドバイスを受けられるでしょう。
高齢者が急に体調を崩した場合など、緊急に施設を探す必要が出てくることもあります。そのような場合に備えて、早めに相談窓口に足を運んでおきましょう。
複数の施設に申し込む
特養は人気が高く、一つの施設に絞って申し込むと、待機期間が長くなる可能性があります。そのため、複数の施設に申し込むことで、入居できる確率が高まります。
また、複数の施設に申し込むことで、選択肢が広がります。一つの施設だけではなく、地域やサービス内容、費用などを比較でき、最適な施設を見つけやすくなるでしょう。
申し込みをする際には、それぞれの施設の入居条件や必要な書類をしっかりと確認してください。また、申し込み状況や空き状況は定期的に確認し、必要な手続きは早めに済ませておきましょう。
緊急度をしっかりアピールする
特養の入居は、多くの場合、緊急度に応じて決定されます。そのため、自分の状況や介護の必要性をしっかりとアピールすることが重要です。
緊急度をアピールするためには、具体的な状況や事例を示すことが有効です。例えば、「最近、母が転倒して怪我をした」「仕事があり日中の介護が難しい」といった具体的な事例を挙げることで、緊急性が伝わりやすくなります。
また、医師やケアマネージャーの意見も重要です。医師の診断書やケアマネージャーの評価が高ければ、緊急度が高いと認められやすくなります。特に、医師から「早急に施設のケアが必要」といった診断が出ている場合、その診断書を提出することで、緊急度の高さをアピールできるでしょう。
ただし、過度なアピールは逆効果となる場合もありますので、事実に基づいた適切なアピールを心がけましょう。また、緊急度をアピールする際には、書類や証拠をしっかりと準備しておくことが重要です。
担当のケアマネージャーに相談する
担当のケアマネージャーに相談することも有効な手段です。ケアマネージャーは介護のプロフェッショナルであり、特養の空き状況や入居のコツに精通しています。
まず、ケアマネージャーに現在の状況や希望をしっかりと伝えましょう。ケアマネージャーは、その情報をもとに最適な施設を提案してくれます。また、緊急度が高い場合は、その旨を強調しておくと良いでしょう。
ケアマネージャーが提案した施設について、自分自身でも調査を行うことが大切です。ケアマネージャーの提案はあくまで一つの選択肢ですので、自分で納得する施設を選ぶことが大切です。
また、ケアマネージャーは多くのケースに対応しているため、他の顧客から得た情報を共有してくれることもあります。そのような情報は非常に貴重なので、しっかりと耳を傾けましょう。
ケアマネージャーとは定期的に連絡を取り、状況のアップデートを求めることが重要です。情報が変わることも多いので、常に最新の情報を得るようにしましょう。
ユニット型の特養へ申し込む
ユニット型の特養へ申し込むことで、入居が比較的スムーズに進む場合があります。ユニット型特養とは、一人一部屋で各ベットが区切られており、プライバシーが守られやすい施設です。近年は、このタイプの特養が増えており、新しく設立された施設は空室が見つけやすい傾向にあります。
次に、ユニット型特養の費用を確認します。一般的には、多床室の特養に比べて費用が高い傾向にありますが、その分、サービスや設備が充実しています。費用とサービスを比較して、最適な施設を選びましょう。
また、ユニット型特養では、一人ひとりのプライバシーが重視されています。そのため、個々のニーズに対応したケアが受けられる場合が多いです。
ただし、ユニット型特養は人気が高い場合もありますので、早めの申し込みが必要です。空き状況を確認し、可能であればすぐに申し込むようにしましょう。
ショートステイやデイサービスを提供している特養を利用する
ショートステイやデイサービスを提供している特養を利用することで、入居がスムーズに進む可能性があります。施設との相性を事前に確認できるうえ、施設も入居者の状態を把握できるからです。
まず、ショートステイやデイサービスが利用できる特養をリストアップしましょう。その後、短期間の利用を申し込み、施設との相性やサービス内容を確認します。
ショートステイやデイサービスを利用している間に、施設のスタッフとコミュニケーションを取ります。関係が良好であれば、長期の入居もスムーズに進む可能性が高まります。
また、ショートステイやデイサービスを利用することで、他の入居者やその家族とも交流が生まれます。すでに入居している方々から得られる情報やアドバイスは非常に価値があるでしょう。
このように、ショートステイやデイサービスを利用することで、施設がどの程度のケアを提供しているのか、自分自身で確認できます。これは、長期入居を検討する上で非常に重要なポイントです。
対象エリアを拡大する
対象エリアを拡大することで、より多くの選択肢が広がります。特に都心部では特養の空きが少ないため、近隣の市町村や遠くの地域も視野に入れると良いでしょう。
まず、自宅からどれくらいの距離まで対象エリアとするかを決定します。交通の便や家族の訪問頻度などを考慮に入れ、通えそうな範囲を設定しましょう。
次に、設定したエリア内で利用可能な特養を調査します。インターネットや自治体の情報、ケアマネージャーからの紹介など、多角的に情報を集めることが重要です。
対象エリアを拡大すれば、それだけ入居の可能性が高くなりますが、遠くの施設を選ぶ場合、訪問が難しくなる点には注意しましょう。
介護サービスを積極的に利用する
介護サービスを積極的に利用することで、特養入居の際に有利になる可能性があります。すでに一定の介護サービスを利用している場合、その実績により「介護が必要」と評価されやすいからです。
介護サービスを利用する際は、どのような介護サービスが高齢者に必要なのかを確認しましょう。訪問介護やデイサービス、ショートステイなど、多くの選択肢があります。
また、介護サービスを利用することで、そのサービス提供者からも特養に関する貴重な情報やアドバイスを得られる可能性があります。例えば、どの特養が良い評判なのか、空きが出やすい特養はどれかなど、具体的な情報が手に入ることもあります。
さらに、介護サービスを利用することで、家族の負担も減ります。特養に入居するまでの期間、家族が持続可能な状態を保つことも重要です。
毎日こまめに情報を収集する
特養に早く入居するためには、こまめな情報収集は欠かせません。情報は日々変わるものであり、新しい施設の開設や空き状況、キャンセル情報などが随時更新されます。
特養に関する情報を集めるために、信頼性のあるウェブサイトや新聞、自治体の情報誌などをチェックしましょう。ほかにも、ケアマネージャーや自治体の窓口などへ定期的に連絡を取り、最新情報を確認します。
また、情報を得たらすぐに行動に移すことが大切です。例えば、新しい特養が開設されると聞いたら、すぐにその施設に問い合わせを行い、必要ならば見学や申し込みをします。
毎日情報をチェックすることで、他の入居希望者よりも一歩先に進むことができます。情報が早ければ早いほど、有利な条件で入居できる可能性が高まります。
特養(特別養護老人ホーム)とは?
特別養護老人ホーム(特養)は、常時介護が必要で在宅生活が困難な高齢者に対して、生活全般の介護を提供する施設です。特養では、入浴、排せつ、食事などの基本的な介護から、健康管理や療養上の世話までが行われます。
定員が29名以下の施設は「地域密着型介護老人福祉施設」と呼ばれ、入居者が自立した生活を送れるように配慮されています。
参考:公益財団法人長寿科学振興財団『特別養護老人ホーム(特養)とは』
特養の入居条件
2015年4月以降、特養の入居基準は原則として「要介護3以上」の認定を受けた高齢者が対象とされています。ただし、以下のような特例的な状況がある場合、要介護1または2でも入居が可能です。
- 認知症で日常生活に支障をきたす状態や、知的障害・精神障害等を伴い、在宅生活が困難な場合
- 家族による深刻な虐待が疑われる、または家族が高齢・病弱で支援が期待できない場合
- 家族の支援が期待できない、または地域での介護サービスの供給が不十分といった理由で、在宅生活が困難な場合
特養の費用について
特養の費用は、原則として介護保険給付の対象となるサービスにかかる費用の1割(または所得に応じて2割から3割)です。具体的な費用は介護度や施設の設備、職員の体制によって異なります。
自己負担の内訳
自己負担には、施設サービス費、居住費、食費、日常生活費などが含まれます。これらは施設の形態や居室の種類、職員の配置によって異なります。
低所得者への配慮
低所得者の方の利用を妨げないよう、世帯の所得に応じて居住費や食費を減額する制度もあります。
支給限度額の存在
介護サービスを利用する際には、1ヶ月の支給限度額が設定されています。要介護度により限度額が異なるため、事前に確認しておく必要があります。
特養に早く入れなかったら?入居待ちの対処法
もし特養に早く入れなかった場合、どのように対処すればよいのでしょうか。以下に、入居待ちの際の対処法をいくつかご紹介します。
訪問介護を利用する
訪問介護を利用することで、自宅での介護が可能になるため、特養に入居できない期間の一時的な解決策となります。
その際は、訪問介護のサービス内容と費用を確認しましょう。多くの場合、公的な支援が受けられるので、費用面でも安心です。そのうえで、評判や口コミ、サービス内容を比較して、最適な提供者を選びましょう。
訪問介護は一時的な解決策ですが、介護のプロによる質の高い介護を受けられます。そのため、この期間を利用して、最終的に入居する特養をじっくりと選ぶ時間を確保できます。
ショートステイを利用する
ショートステイは、短期的に施設で過ごせるサービスです。これにより、家族が休む時間を作れます。
ショートステイが提供されている施設の探し方として、インターネットやケアマネージャーからの紹介など、多くの方法で情報を得られます。
特養に併設されたショートステイなら、そのまま特養へ入居できる可能性があります。また、介護の必要性をアピールする手段にもなるでしょう。
一時的に有料老人ホームに入居する
特養に入居できない場合、一時的に有料老人ホームに入居する選択肢もあります。
有料老人ホームは施設数が多いため、特養に比べて入居しやすいのが特徴です。また、入居一時金が不要の有料老人ホームであれば、入居の初期費用が抑えられます。
特に、介護付き有料老人ホームは医療サービスが充実した施設も多いため、要介護3以上の方でも安心して入居できるでしょう。
特養に早く入れる方法【まとめ】
では、今回のまとめです。
特養(特別養護老人ホーム)に早く入れる方法として、早めに相談窓口に足を運ぶ、複数の施設に申し込む、緊急度をしっかりアピールするなどがあります。
また、特養に入れなかった場合の対処法としては、訪問介護やショートステイの利用、一時的に有料老人ホームに入居するなどが考えられます。特に、有料老人ホームは施設数や種類が豊富なため、早く施設に入りたい方には最適です。
そういった介護施設を「どう探せば良いか分からない」といった方には、老人ホーム検索サイトの活用がおすすめです。
「いいケアネット」では、住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅など、様々な有料老人ホームをインターネットから検索可能です。
また、フリーダイヤルから直接お問い合わせいただくことで、ご希望の介護施設について空室状況をお調べしたり、条件に合わせた施設探しのお手伝いも可能です。
この記事で紹介した情報を踏まえて、特養に入るための準備や対策をしっかりと行いましょう。特に、早めの行動と情報収集が鍵となります。待機期間も長くなりがちな特養入居においては、早め早めの行動が何よりも重要です。
自分や家族の状況に合った最適な選択をするためにも、多角的に情報を集め、専門家の意見も積極的に取り入れましょう。
大阪を中心に、多数の高齢者向けの介護施設の情報を掲載する「いいケアネット」では、老人ホームに関する疑問やそれにまつわる情報を「いいケアジャーナル」で随時更新中!
この記事の監修者
いいケアネット事務局
突然倒れた、転んで頭を打ったなど、ご自身やご家族の介護を身近に感じるきっかけはそれぞれです。 いいケアネットでは、いざという時のために役立つ介護の知識や介護施設についてご紹介します。