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~健康寿命とは何か簡単に解説!平均寿命との違いや日本の取り組みも紹介

高齢化が深刻化している日本では長く生きるのではなく、いかに健康に生きるかが重要視されています。

現代においては健康寿命の関心が高まっており、日本でもさまざまな取り組みが行われています。しかし、なかには健康寿命と平均寿命の違いがわからない方もいるでしょう。

本記事では、健康寿命とは何か概要を簡単に解説します。平均寿命との違いや延伸に効果的な対策も紹介するので、長い期間健康的に暮らしたい方は参考にしてください。

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健康寿命とは簡単にいうと健康的に生活できる期間

老人リハビリ

健康寿命とは簡単にいうと、日常生活の制限なく健康的に生活できる期間のことです。持病があったとしても他人の手を借りず、自立した生活ができる期間は健康に該当します。

健康寿命はWHO(世界保健機構)が2000年に提唱した概念で、日本でも健康寿命を延ばす方法について関心が高まっています。

以下で健康寿命に関する基礎知識を解説するので、理解を深めたい方は参考にしてください。

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目次

平均寿命とは

平均寿命とは、0歳のときから生きられる期間の平均値を指します。健康寿命との違いは、寿命に加算される期間です。

寿命に加算される期間の違いは、以下のとおりです。

平均寿命 健康寿命
寿命の定義 健康・不健康問わず0歳時点から生存している期間 他人の手を借りず、自立した生活ができる期間

つまり、健康寿命は病気によって介護や支援が必要となる不健康な期間は寿命に該当しません。従来は寿命の長さが注目されていましたが、人生100年時代と呼ばれる現代では、健康に生活できる期間の延伸実現に関心が寄せられています。

日本の健康寿命と平均寿命の推移

「健康寿命の令和4年値について」によると、日本の健康寿命と平均寿命の推移は年々増加傾向にあります。

引用:厚生労働省|健康寿命の令和4年値について

2022年(令和4年)において、男性の平均寿命は81.05年で、健康寿命は72.57年です。また、女性の平均寿命は87.09年で、健康寿命は75.45年となっています。

平均寿命と健康寿命との差は、男性が8.48年で、女性は11. 64年です。つまり、男女ともに10年前後にわたり持病により介護や支援が必要な生活を送っているのがわかります。

健康寿命は2019年(令和元年)に比べて、男性は0.25年短縮し、女性は0.43年延伸していましたが、いずれも大きな差は見られませんでした。

なお、健康寿命は地域によっても違いが生じます。一部の地域だけでなく、全国で平均寿命と健康寿命の差を縮小させることが今後の課題になります。

健康寿命を延ばす重要性

健康寿命の延伸は、心豊かに過ごす上で重要です。健康寿命と平均寿命で差が生じる場合、不健康な状態で生活を続けている状態のため、介護や支援が必要になる期間が長くなります。

介護・支援を必要とする期間が長ければ、医療や介護にかかる費用の負担も増します。持病により介護や支援が必要となる場合、1人で生活するのは困難になるため、家族に支えてもらわなければなりません。

万が一に備えていなければ肉体的や精神的だけでなく、経済的にも家族の負担が大きくなる可能性があります。医療費や介護費用の削減には、健康寿命の延伸が大切です。

また、健康寿命の延伸は、働き手不足の解消に寄与します。「令和6年版高齢社会白書(全体版)」によると、日本の高齢化率は全人口の29.1%です。

高齢者率は今後も高くなると予想されており、2070年には40%に達すると見られています。労働力の減少や社会保障制度を維持するためには、1人ひとりの健康寿命を延ばす必要があります。

参考:内閣府|令和6年版高齢社会白書(全体版)

健康寿命を延ばすために行われている日本の取り組み 

日本では、健康寿命を延ばすためにさまざまな取り組みが実施されています。

健康寿命の延伸を目標とした日本の取り組みは、以下のとおりです。

  • 健康寿命延伸プラン
  • Smart Life Project
  • 健康日本21

以下で、詳しく解説します。

健康寿命延伸プラン

健康寿命延伸プランとは2019年に策定された計画で、健康寿命の目標と達成に向けた施策について定められています。2016年には男性72.14歳、女性74.79歳だった健康寿命を2040年までに3年以上延伸し、75歳以上にするのが健康寿命延伸プランの目標です。

健康寿命延伸プランでは目標を達成する方法として、以下3つの分野で取り組みを推進しています。

取り組み 具体的な取り組み例
次世代を含めたすべての人の健やかな生活習慣形成等
  • 東京栄養サミットを契機とした食環境づくり
  • 子育て世代包括支援センター設置促進
  • 妊娠前・妊産婦の健康づくり など
疾病予防・重症化予防
  • 慢性腎臓病診療連携体制の全国展開
  • 医学的管理と運動プログラム等の一体的提供
  • 歯周病等の対策の強化 など
介護予防・フレイル対策、認知症予防
  • 高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施
  • 健康支援型配食サービスの推進等
  • 認知症対策のための官民連携実証事業 など

健康寿命延伸プランでは、自然に健康になれる環境作りや行動を促す仕掛けを目指しており、医療費の削減や介護負担の軽減が期待されています。

参考:e-ヘルスネット|健康寿命延伸プラン

Smart Life Project

Smart Life Project(スマート・ライフ・プロジェクト)は「健康寿命をのばそう」をスローガンに掲げ、国民の健康づくりをサポートする厚生労働省のプロジェクトです。運動・食生活・禁煙の3分野を中心に、行動を喚起しているのが特徴です。

Smart Life Projectでは、健康寿命の延伸を目指すためにプロジェクトに参画する企業や自治体などと協力・連携しながら推進しています。参画している企業・団体は12,253団体で、多くの企業が健康づくりに役立つイベントやセミナー、コンテンツなどを展開しています。(2025年2月末時点)

参考:スマート・ライフ・プロジェクト 事務局|スマート・ライフ・プロジェクト

健康日本21

健康日本21は1人ひとりの健康を実現するための考え方で、厚生労働省がはじめた国民健康づくり運動です。1978年に第1次国民健康づくり対策がはじまり、2024年度からは健康日本21(第3次)がスタートしています。

第3次では誰1人取り残さない健康づくりを推進しており、以下の取り組みを取り入れています。

  • 女性の健康を明記
  • 自然に健康になれる環境づくり
  • 他計画や施策との連携を含む目標設定
  • アクションプランの提示
  • 個人の健康情報の見える化

第3次は健康寿命の延伸と健康格差の縮小を目標として、個人の行動と健康状態の改善、社会環境の質の向上を目指した運動です。

参考:厚生労働省|健康日本21(第三次)について

健康寿命を延ばす効果的な対策

老人リハビリ

健康寿命を延ばすには、健康寿命を縮める要素の排除が重要です。

効果的な延伸対策は、以下の5つです。

  • 食事を見直す
  • 運動を取り入れる
  • 質の高い睡眠を確保する
  • 心の健康を保つ
  • 五感を使う

以下で、対策を解説するので、ぜひ参考にしてください。

食事を見直す

健康寿命を延ばすためには、食事のとり方を見直しましょう。食事のとり方で見直したいポイントは、以下のとおりです。

  • おにぎりやパンなど炭水化物のみで食事を済ませないようにする
  • 食物繊維量を増やす
  • 早食いは避ける
  • 腹8分目を心がける
  • よく噛む

よく噛むと、唾液の分泌量が増えます。唾液には、老化予防の効果が期待できるバロチンと呼ばれるホルモンが含まれているため、健康寿命を延ばすのに効果的です。

また、野菜は不足しがちなビタミンやミネラル、食物繊維を補うのに役立ちます。健康のためには、1日350gを目安に野菜をとり、たんぱく質は3食摂取するのを心がけましょう。

▼認知症の一因となるアミロイドβが溜まる食べ物については、以下で詳しく解説しています。

関連記事:認知症の一因「アミロイドβ」が溜まる食べ物は?食生活改善のヒントも解説

運動を取り入れる

運動を制限されるような病気や障害などを抱えていなければ、適度に体を動かすことを習慣化しましょう。高齢者の場合は、以下のポイントを参考に少しでも多く体を動かします。

  • 1日40分を目安に運動する
  • 有酸素運動やバランス運動などさまざまな運動を週3日以上取り入れる
  • 筋力トレーニングを週2~3日取り入れる
  • 座りっぱなしの時間が長くなりすぎないよう意識する

寒かったり暑かったりする時間帯や食事直後は、運動に適していないため避けましょう。また、運動をする際はのどの渇きに関わらず、こまめな水分補給が大切です。

▼有酸素運動のメリットについては、以下の記事で詳しく解説しています

関連記事:高齢者こそ有酸素運動をすべき!メリットやウォーキングの注意点

質の高い睡眠を確保する

睡眠は、健康増進や維持に重要です。睡眠不足は、肥満や高血圧などの発症リスクや死亡率の上昇に関与しているためです。

また、睡眠問題はうつ病などの精神疾患のリスクを高めます。そのため高齢者の場合、睡眠に関しては以下の取り組みが必要です。

  • 8時間以上寝床で過ごさないようにする
  • 質の高い睡眠がとれるよう生活習慣や睡眠環境を見直す
  • 日中は長時間の昼寝を避ける
  • 寝る2時間前にはスマートフォンを見るのを避ける
  • 寝室の室温を下げる

睡眠は肉体的な疲労を取り除くだけではなく、健康寿命を縮める要素に含まれることから、ストレス解消にも役立ちます。

心の健康を保つ

健康寿命は身体だけでなく、心の健康を保つのもポイントです。ストレスにより心の健康バランスが崩れると、心身に影響を及ぼします。

笑うことは、心の健康に良い影響をもたらします。主な健康効果は、以下のとおりです。

  • ストレスを解消する
  • 免疫力がアップする
  • 自律神経が安定する
  • NK細胞が活性化し、がんの予防効果が期待できる
  • ホルモンバランスの改善が図れる

健康寿命を延ばすためには、笑顔で過ごす習慣を整えましょう。

▼孤独死の原因や未然に防ぐ対策については、以下で詳しく解説しています。

関連記事:孤独死の原因とは?未然に防ぐためにできること

五感を使う

五感を使う行動は、脳にとって重要な刺激になります。視覚や聴覚、触覚などの五感を使うと、感情や思考などを司る脳の部位となる前頭葉に送られます。

前頭葉を鍛えると、老化予防や認知能力の改善、意思決定能力などさまざまなメリットを得られるのです。つまり、前頭葉は旅行で感動的な体験をしたり他人と交際したりすると鍛えられます。

五感を使って前頭葉を刺激すると、認知症リスク軽減にもつながるため、ドキドキやワクワクする体験は健康寿命を延ばす上で必要です。

健康寿命とは何か理解を深め簡単にできる取り組みからはじめよう【まとめ】

老人 健康

健康寿命とは、簡単にいうと他人の手を借りず自立した生活を過ごせる期間のことです。日本における平均寿命と健康寿命の差は10年ほどのため、健康で過ごせる期間を延ばすための取り組みが必要といえます。

健康寿命を延ばすためには、食事の見直しや運動、五感の刺激などが効果的です。また、日本でも健康寿命を延ばすさまざまな取り組みをおこなっています。

健康寿命を延ばし、生活の質を高めるには1人ひとりの日々の健康に対する意識や実践が重要です。本記事を参考にして、健康寿命を延ばす対策を実践してみましょう。

なお、大阪を中心に多数の高齢者向けの介護施設の情報を掲載する「いいケアネット」では、老人ホームに関する疑問やそれにまつわる情報を「いいケアジャーナル」で随時更新中です。

 

この記事の監修者

いいケアネット事務局

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