認知症を予防する食生活について

年を重ねると誰もが認知症になる可能性がありますが、できることなら認知症にならずに人生を送りたいですよね。

「認知症を防ぐには何をしたら良いの?」

「予防はいつからしたら良いの?」

と気になる方は多いのではないでしょうか。
残念ながら、現在の医学では認知症を完全に予防することは出来ません。

しかし認知症についての様々な研究が進むことで認知症になりにくい食生活や生活習慣が明らかになってきています。
そこで今回は認知症を予防する食生活についてお伝えします。

目次

認知症予防のために摂取したい食材

認知症の原因の一つとしてあげられているのが、脳内のアミロイドβタンパクの蓄積です。
アミロイドβタンパクの蓄積を抑制できると分かっているものは、抗酸化物質のカテキン、ポリフェノール、EPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)などの多価不飽和脂肪酸です。これらを意識的に摂ることが認知症予防に繋がります。

それでは、具体的な食べ物を見ていきましょう。

緑黄色野菜・豆類・果実類など

緑黄色野菜では、小松菜、菜の花、ほうれん草。豆類では枝豆、そら豆。
果実類はキウイ、オレンジ、いちごに葉酸が多く含まれています。

葉酸はビタミンB群の一種で不足すると肝臓で製造された悪玉アミノ酸であるホモステインという物質が増加します。
このホモステインは動脈硬化を進行させるだけでなく、認知症の原因となるアミロドβタンパクの作用を強くします。
また血中のホモステインが増加すると、認知症だけでなく脳血管疾患に繋がることもあります。

葉酸を摂取することでホモステインを減少させ認知症予防に期待することができます。

特に鰯(いわし)、鯖(さば)、鯵(あじ)、秋刀魚(さんま)などの青魚には、DHAやEPAなどのオメガ3脂肪酸が多く含まれており、DHAは脳の構成成分であり、判断力や記憶力の向上、認知症予防、特にアルツハイマー病の予防に効果的であるという調査結果が出ています。

またEPAは脳までは届きませんが、血管を拡張し血管を促進するため生活習慣病を予防することができます。
生活習慣病の予防をすることで間接的に認知症の予防をすることができます。

緑茶・コーヒー・赤ワイン

緑茶の新茶に含まれるテアニンという旨味成分(アミノ酸)には血圧上昇を抑制し、脳の神経細胞を保護する働きがあり、認知機能の低下を抑制する作用があると言われています。

またコーヒーに含まれるクロロゲン酸にはポリフェノールの一種で抗酸化作用を持っています。次に赤ワインに含まれているポリフェノールには強力な抗酸化作用があり、高血圧、動脈硬化、老化、認知症予防に繋がります。

カレー

カレー粉の中に入っているウコン(ターメリック)に含まれている、クルクミンというポリフェノールは認知症予防に有効な成分です。クルクミンは肝臓の解毒機能を高めたり、二日酔いを抑える効果もありますが、認知症の原因となるアミロイドβたんぱくが脳内に溜まる速度を抑える効果もあります。

認知症予防のために気を付けたい食習慣

認知症のリスクをあげる食べ物の摂取を控える

摂取カロリーを守る

肥満はアルツハイマー型認知症になりやすいだけではなく、内臓脂肪の蓄積によって高血圧や糖尿病などを引き起こします。

肉の脂身(ラードや背脂など)・マーガリン・ショートニングを控える

肉の脂身(ラードや背脂など)・マーガリン・ショートニングに含まれるトランス脂肪酸の過剰摂取は血中のLDLコレステロールを増やします。

そこから心筋梗塞や動脈硬化を引き起こし、動脈硬化が起きると脳梗塞も発症しやすくなります。

特に市販の惣菜やファーストフード、菓子パン、菓子類にはトランス脂肪酸が含まれているため、これらの食品の過剰摂取は控えましょう。

塩分を控える

脳血管性認知症は脳梗塞と関連があります。

また脳梗塞の要因として高血圧が関係している場合は多くあります。高血圧を予防するためにも塩分の摂取を控えましょう。

またカリウムを多く含む果物や野菜、海藻類など、血中のナトリウム排出する働きのある食べ物を摂取し、脳梗塞を予防することで脳血管性認知症をの予防にも繋げましょう。

糖分を控える

甘い物を日常的に多く摂取していると、体内の糖分がうまく代謝できず、血糖値が高い状態が続くようになります。
すると脳の血管はダメージを受け動脈硬化が進行し、認知症を引き起こすリスクが高まります。

糖尿病は認知症のリスク要因となることは多くの研究で明らかにされていますが、認知症のリスクは糖尿病になる前に発生しています。
糖分の摂り過ぎは血管の老化を招き、それが原因で起こる脳出血や脳梗塞は脳の細胞を障害するため、認知症のリスクと深い関係にあります。

認知予防は何歳から始めるべき?

一般的に脳の老化は40代後半から始まると言われており、物忘れや、うっかりミスを自覚するのもそのくらいの年齢であると言われています。
またアルツハイマー型認知症の発症原因となる物質は、約20年前から蓄積し始めるとされています。
よって70歳で発症した場合、50歳から発症原因の物質が溜まり始める結果となります。
認知症は生活習慣や持病によっても発症リスクが高まることから、認知症の発症リスクを予防するなら、早い内から対策をとっておくことをお勧めします。

まとめ

いかがでしたか?今回は認知症の予防に効果的な食生活についてお伝えしました。

認知症は急に発症するものではなく、それまでの間の生活習慣や食生活が大いに関係しています。

今回ご紹介した内容を参考にしていただき、今からできる認知症予防に取り組んでいきましょう。

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この記事の監修者

いいケアネット事務局

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