介護の悩みを抱えるのは、多くの方にとって避けられない現実です。
とくに、家族の健康や生活の質を維持しながら、自分の負担をどう軽減するかは大きな課題です。
そこで本記事では、介護の悩みを抱えたときにどのような相談窓口を利用できるのか、具体的なポイントを解説します。
また、介護の悩みをランキング形式で整理し、どのようにアプローチするのが効果的かをお伝えします。
介護の悩みを1人で抱え込まず、適切なサポートを受けられるよう、ぜひ本記事を通じて、解決の糸口を見つけてください。
大阪を中心に、多数の高齢者向けの介護施設の情報を掲載する「いいケアネット」では、老人ホームに関する疑問やそれにまつわる情報を「いいケアジャーナル」で随時更新中です。
介護の悩みを抱えたときの相談窓口
介護の悩みを抱えた方が相談できる窓口は、主に以下の通りです。
- ケアマネジャー
- 地域包括支援センター
- 市区町村の役所
- 社会福祉協議会
- 居宅介護支援事業所
- 老人ホーム紹介センター
介護の悩みを抱えた場合の相談方法も兼ねて、順番に解説していきます。
ケアマネジャー
介護の悩みを抱えたら、介護が必要な高齢者や家族にとって頼りになる存在となるケアマネジャーに相談するのがおすすめです。
実際ケアマネジャーが介護者と接していく中で、介護の悩みを抱えるように追い詰められていると感じたケアマネジャーは全体の93%いました。
ケアマネジャーは、介護保険制度に基づき、利用者の生活全般にわたる相談を受け、適切な介護サービスを提供するためのケアプランを作成します。
ケアマネジャーとのコミュニケーションを大切にし、信頼関係を築けられれば、介護の悩みや不安を抱える家族に安心感を提供してくれます。
ケアマネジャーは要介護認定における申請時にかかわりもあるため、積極的に介護の悩みを相談していきましょう。
参考:PRTIMES「介護者の“介護疲れ”に関する調査結果 -毎日新聞社との共同調査-」
関連記事:ケアマネージャーに相談できることは?どこまで対応してもらえるのか解説
地域包括支援センター
担当のケアマネジャー以外に専門的な視点から介護の悩みを聞いてもらいたい方は、地域包括支援センターに相談するのもおすすめです。
地域包括支援センターでは、主任ケアマネジャーだけでなく、保健師(看護師)や社会福祉士が在籍し、専門性を活かし連携・分担しています。
具体的には、本人、介護にかかわる方、家族、近隣住民からの介護や病気に関する悩みなど、幅広く対応しているのが特徴です。地域包括支援センターに介護の悩みを相談したい方で「具体的に相談窓口がわからない」方は、以下のページから検索してみてください。
介護事業所・生活関連情報検索「介護サービス情報公表システム」
関連記事:地域包括支援センターの対応がひどい?認知症家族に役立つ相談先と施設
市区町村の役所
各市区町村の役所も高齢者の介護の悩みを聞いてくれます。
介護保険の要介護認定の申請や介護保険制度の利用手続きなどを専門としているため、申請に関する相談先としておすすめです。
要介護認定の申請が必要な場合には、申請に関する案内をしてくれるため、スムーズに手続きが進むのは、役所ならではのメリットがあります。
また地域包括支援センターと同じく、地域住民の高齢者に関する総合的な相談ができ、相談内容によっては関連機関の紹介もしてくれるのが特徴です。市区町村の役所に相談したい方は、お住いの市区町村の役所へ直接行くか、電話で問い合わせてみてください。
全国地方公共団体所在地一覧と公式ホームページリンク集-都道府県-
社会福祉協議会
社会福祉協議会は、民間の社会福祉活動を推進するのを目的とした営利を目的としない民間組織なため、介護の悩みも聞いてもらえます。
各都道府県、市区町村で地域に暮らす方だけでなく、民生委員、児童委員、社会福祉施設、など関係機関の参加・協力しています。
関係機関は、地域の方が安心した生活を送れるよう多様な福祉ニーズに応えるため、地域の社会福祉協議会が地域の特性を踏まえているのが特徴です。
たとえば、地域のボランティアと協力し、高齢者や障がい者、子育て中の親子が気軽に通えるサロン活動を実施しています。
社会福祉協議会に介護の悩みを相談したい方は、最寄りの市区町村の社会福祉協議会へ直接行くか、電話などで問い合わせましょう。
居宅介護支援事業所
居宅介護支援事業所には、ケアマネジャーを主にした介護保険に関するスペシャリストが在籍しています。
主に介護を必要とする方が必要な介護サービスを利用できるよう、サービスを提供する事業者との調整や、ケアプランの作成などを得意としています。
対象者は主に要介護認定を受けているか、要介護認定の申請を希望している方なので、介護保険サービスの利用を検討されている方におすすめです。
居宅介護支援事業所に介護の悩みを相談する場合、市区町村の役所や、地域包括支援センターなどで、居宅介護支援事業所に関する情報を聞きましょう。
介護事業所・生活関連情報検索「介護サービス情報公表システム」
老人ホーム紹介センター
介護の悩みを軽減するのを目的に、老人ホームを探している方は老人ホーム紹介センターに相談するのがおすすめです。
老人ホーム紹介センターとは、老人ホームの入居を考えている方に適切な老人ホームを紹介してくれる業者です。
老人ホームは公営・民間を合わせて多くの種類があり、介護施設で提供されるサービスや入居条件も異なるため、独自で情報を整理するのは困難です。
また、介護施設の見学を希望する場合は見学の手配をしてくれたり、実際見学に同行してくれたりする事業所もあります。
相談者が直接窓口まで出向く負担を軽減するために、電話やオンライン相談を受けている紹介センターも存在します。
なお、いいケアネットでは、老人ホーム探しのための「入居無料相談」を受け付けています。
「介護の悩みを相談しながら、本人にとって満足度の高い介護施設を一緒に探したい」と考える方も含め、気軽にご相談ください。
介護の悩みを抱えやすい大変なことランキング
ここからは介護の悩みとして抱えやすい大変なことをランキング形式で紹介していきます。
2021年「リゼクリニック」が調査した結果をもとに紹介していくので「自分と同じ介護の悩みを抱えているか」気になる方は、ぜひ参考にしてください。
1位.相手とのコミュニケーション
【調査結果】
(全体:51.7%、男性3位:39.8%、女性1位:59.7%)
介護において相手とのコミュニケーションは、多くの方が抱える介護の悩みです。
とくに認知症を患っている方や、意思疎通が難しい方との対話は、介護者にとって大きなストレスとなりがちです。
介護者自身が疲れやストレスを抱えている場合、感情的な反応が出やすくなり、コミュニケーションがさらに困難になる可能性もあります。
コミュニケーションの質を向上させるためには、介護者自身もリラックスした状態でいられるかが大切です。
2位.排泄の介助
【調査結果】
(全体:46.1%、男性1位:40.9%、女性3位:49.6%)
排泄の介助は、介護者にとって心身ともに負担の大きい作業です。
被介護者のプライバシーに配慮しつつ、適切なサポートをするのは重要な支援ですが、排泄介助には独特の困難さがあります。
被介護者の身体の状態や、介助のタイミングを見極める必要があるため、経験と知識が求められます。
さらに、デリケートな作業であるため、被介護者の尊厳を守りながら、スムーズに進めるスキルが必要です。
排泄の介助には、適切な姿勢の取り方や、排泄を促すためのコミュニケーション方法など、基本的な技術を身につけるのが重要です。
3位.精神面
【調査結果】
(全体:42.7%、男性6位:28.0%、女性2位:52.5%)
介護において精神面の負担は避けられない大きな課題です。
介護者は、日々のケアに加えて先の見えない介護の長期化に対するストレスを抱える場合が大半です。
とくに介護が長期化する場合、精神的な疲労が蓄積しやすく、気づかぬうちにうつ状態に陥るリスクもあります。
また、介護者が「完璧にやらなければ」とプレッシャーを感じる方も多く、さらにストレスを増幅させる要因となるのです。
精神面の負担を軽減するためには、自分一人で抱え込まず、適切なタイミングで周囲のサポートを求めるのが重要です。
4位.時間面
【調査結果】
(全体:41.4%、男性4位:34.4%、女性4位:46.0%)
介護は日常生活の多くの時間を占めるため、介護者自身のプライベートや仕事との両立が難しくなるため、介護の悩みを抱える結果となります。
とくに、定期的な医療機関への通院やリハビリの付き添い、日々の介助に割く時間は膨大であり、予測不能な事態が起こるケースもあります。
介護者の多くは、常に時間に追われていると感じる方が多く、ストレスの大きな要因となっているのです。
また、時間の制約は介護者自身の健康管理や休息を犠牲にする結果を招く事態も考えられます。介護者が自分の時間を持つのが難しく、結果的に精神的な疲労感に陥る危険性が高まります。
家族だけで介護を担っている場合、介護の負担をわかち合えず、時間のやりくりに苦労するケースが大半です。
関連記事:介護と仕事は両立できるの?介護離職を避けるためのポイントを解説!
5位.食事の介助
【調査結果】
(全体:38.4%、男性1位:40.9%、女性5位:36.7%)
食事の介助は、介護の悩みに直面する課題の1つです。
高齢者や身体が不自由な方にとって、食事は単なる栄養補給だけでなく、楽しみや生活の質にも大きく影響します。
しかし、食事の介助を行う際、食事の時間が長引くだけでなく、食欲の低下、誤嚥のリスクなどの問題が発生する可能性があります。
日々の介助の中で、少しでも負担を軽減するために、自宅でできる工夫や、専門家からのアドバイスを積極的に取り入れるのが重要です。
また、介護サービスやデイサービスを利用すると、介護者の負担を分散させるのも1つの方法です。
関連記事:高齢者に柔らかい料理を作る上でのポイントやレシピなどを紹介!
介護の悩みを和らげるためのポイント
専門機関に相談しながら、介護の悩みを和らげるには以下のポイントを意識するのがおすすめです。
- 介護の悩みを家族や周りに共有する
- ケアプランを調整する
- 介護サービスを利用する
「自分で何かできないか」と考える方は、ぜひ参考にしてください。
介護の悩みを家族や周りに共有する
介護の悩みを家族や周りに共有するのは、介護の悩みを軽減し、より良い介護を実現するための重要なステップです。
介護は肉体的にも精神的にも大変な作業で、1人で抱え込むとストレスが溜まりがちです。
家族や信頼できる友人などに介護の悩みを共有すると、新しい視点や助言を得られる可能性があります。
たとえば、家族の中で介護の役割を分担するのは、介護の悩みである負担を軽減し、協力して問題を解決できます。
また、介護の経験がある友人がいれば、経験やアドバイスが大きな助けになるのがメリットです。
さらに、近所のコミュニティーに参加するのもおすすめで、同じ立場の方と介護の悩みをわかち合い、連帯感を感じられます。
ケアプランを調整する
介護を行う上で、ケアプランの見直しも重要なステップです。
状況の変化や新たな悩みが生じた場合、現在のケアプランが最適であるか再評価する必要があります。
まず、ケアマネジャーや地域包括支援センターと相談し、プランの目標や内容が利用者の現状に合致しているか確認しましょう。
ケアプランの調整は、介護サービスの質を向上させるだけでなく、介護者自身の負担を軽減する効果も期待できます。
具体的には、利用者の健康状態や生活環境の変化に応じて、必要なサービスを増やしたり、逆に不要なサービスを削減したりしましょう。
ほかにもデイサービスや訪問介護の利用を増やせば、介護者の休息時間を確保でき、ストレスの軽減が可能です。
関連記事:ケアプランとは?わかりやすく作成の流れや目的、ポイントを解説
介護サービスを利用する
介護をする上で、家族だけですべてを抱え込むのは負担が大きく、心身の疲れを招きやすくなります。
介護の悩みを軽減するためにも、以下のような介護サービスの利用がおすすめです。
介護サービス名 | 内容 |
訪問介護 | 介護士が自宅を訪れ、入浴や食事、掃除、洗濯などの日常的なサポートを提供 |
デイサービス | 日中の数時間を施設で過ごし、リハビリやレクリエーションを通じて心身の活性化を図る |
ショートステイ | 家族が旅行や急な用事で介護ができない場合に、短期間の宿泊を提供 |
上記のような介護サービスを利用すると、介護者の負担を軽減し、介護される側にも生活の質を高める機会を提供します。
しかし、どの介護サービスが最適かは、利用者の状態や家族の状況によって異なります。
どの介護サービスが適しているのかは、ケアマネジャーや地域包括支援センターの専門家に相談し、適切なケアプランを策定するのが重要です。
大阪を中心に、多数の高齢者向けの介護施設の情報を掲載する「いいケアネット」では、老人ホームに関する疑問やそれにまつわる情報を「いいケアジャーナル」で随時更新中です。
関連記事:介護が必要になったら何から始めるべき?受けられるサービス内容とは?
介護の悩みは抱え込まず誰かに相談しよう!【まとめ】
介護の悩みは、1人で抱え込むと心身ともに大きな負担になります。
ケアマネジャーや地域包括支援センター、市区町村の役所などの相談窓口を活用すると、介護の負担軽減ができます。
また、家族や友人に悩みを共有したり介護サービスを上手に利用したりするのも介護の悩みを軽減するおすすめの方法です。
介護サービスを利用する上でケアプランを見直して、より良い介護環境を整えていきましょう。
なお、いいケアネットでは、老人ホームを含めた介護施設探しのための「入居無料相談」を受け付けています。