介護専門家が答えるQ&A

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肺炎と風邪は違うの?予防できる?~高齢者に多い肺炎~

 

風邪だと思っていたら、だんだん呼吸が苦しくなってきた。
高熱はでていないのに肺炎だった・・・

今回は、高齢者は症状がでにくく、重症化の恐れがある「肺炎」についてお伝えします。

 

目次

 

 

 

肺炎と風邪の違い

発熱、悪寒、咳、痰など、典型的な肺炎の初期症状は、風邪とよく似ています。
よって、肺炎は「かぜをこじらせたもの」と考えられがちですが、肺炎と風邪は違います。風邪は「かぜ症候群」、あるいは「急性上気道炎」とも呼ばれ、主に上気道に起こる急性感染症のことです。一方、肺炎は、細菌やウイルスなどの病原体が、酸素と二酸化炭素のガスの交換を行う肺胞に感染して炎症を起こします。
肺炎でもっとも多くみられるのは、肺炎球菌による感染で、そのほかマイコプラズマ、黄色ブドウ球菌など、多くの原因となる菌があります。こうした細菌やウイルスには、普通の風邪薬は効かず、風邪くらいと思って油断していると、急速に悪化して呼吸困難を引き起こし、死にいたることもあるので十分な注意が必要です。
特に高齢者は症状が出にくく、なんとなく元気がない、食欲が落ちているなどの軽度の症状で、実は肺炎だったという場合もあります。軽く考えずに、医師の診察を受けることがすすめられます。

 

 

 

出典:NHK健康チャンネル

 

 

 

 

誤嚥性肺炎

 

高齢者によく起こる肺炎の大部分は、「誤嚥(ごえん)性肺炎」と呼ばれるものです。これは、本来食道を通って胃に入るはずの食べ物や、唾、痰などが間違って気管に入り込み、その結果、病原菌もいっしょに肺に入ってしまうことで起こります。
主に、脳梗塞や脳出血などにより脳の働きが低下することで、異物が気道に入った時に、咳をして排出する反射機能が落ちます。
また、胃液などの胃内容物が食道へ逆流する「胃食道逆流」も原因になる場合があります。特に高齢者では食道下部の筋肉(下部食道括約筋)の機能が低下し、慢性的に胃食道逆流が起こりやすくなっています。
逆流した内容物には細菌だけでなく、酸や消化液も含んでいるので、その作用で気道の細胞や粘膜に障害を与えます。こうして損傷した気道壁には細菌が定着しやすく、肺炎発症のリスクが高くなるのです。

 

 

肺炎を予防するには

かぜや肺炎は、日常で予防策を講じていれば、ある程度予防することができます。

手洗い・うがい・口腔ケア

石けんを泡立てた後、15~20秒くらいかけて流水で洗い流すことが大切です。また、口腔ケアの為にはブクブクと、口をゆすぐうがいで汚れを洗い流し、口腔内を清潔に保つ事で、肺炎予防の効果も高まります。
ただし、健康な人には簡単なうがいも、高齢者では誤嚥の危険があるため注意が必要です。口腔ケア用のスポンジやシートを使いケアを行うなど、ご本人の嚥下機能に合った方法を選びましょう。

 

ワクチン接種

肺炎球菌にもたくさんの種類があるため、ワクチンで全てをカバーするわけではありませんが、肺炎の原因菌として最も多い肺炎球菌に対ワクチンがあります。このワクチン接種で、肺炎球菌による肺炎の発症を予防し、重症化を防ぐことが期待されています。

成人用肺炎球菌ワクチンの接種対象年齢について
定期接種の対象年齢
平成26(2014)年の10月より肺炎球菌ワクチンが定期接種(B類)になりました。65歳の方が対象となりますが、平成30(2018)年度までの経過措置として、70歳、75歳、80歳など下記の表の「定期接種」の欄に示す年齢の方も定期接種の対象となります。各年度に各年齢になる方が対象です。
※60歳から65歳未満の方で、心臓、腎臓、呼吸器の機能障害のため日常生活が極度に制限される方やヒト免疫不全ウイルス感染症により日常生活がほとんど不可能な方も定期接種の対象となります。

 

 


出典:厚生労働省

栄養・睡眠

栄養状態が悪くなると、免疫力が落ち肺炎にかかりやすくなります。
毎日バランスよく食べるようにしましょう。高血圧や糖尿病などで食事指導を受けている方は、その指導内容に従ってください。
睡眠も体の抵抗力(免疫力)を高めるために欠かせません。1日平均6~8時間の質のよい睡眠をとるようにしましょう。

誤嚥対策

誤嚥を防ぐため、ご本人に合った食事内容・食事方法を知っておくことが重要です。
言語聴覚士や歯科医など、定期的に専門医の診察を受け、飲み込みの状態(嚥下)むし歯、歯周病の状況を診て、全身状態、口腔内の状況に合った適切な食事方法や、口腔清掃のアドバイスをしてもらうことをお勧めします。
また、胃食道逆流を防ぐために、食後2時間くらいは横にならず、座った姿勢を保つことも重要です。

さらに、誤嚥するのは食事時だけではありません。口腔内やのどに多くの細菌やウイルスが存在する状態を放置しておくと、夜間睡眠中などに起こる誤嚥によって肺炎にかかるリスクが高くなります。
ですから、いつも口の中をきれいにしておくこと(口腔ケア)が大切です。口腔ケアによって、口腔内の細菌やウイルスを減らしましょう。
ブラッシングそのものが口腔内の神経を刺激して、嚥下反射・咳反射を改善します。口腔ケアは毎食後だけでなく、寝る前にもすると効果的です。

 

 

肺炎患者の約7割が75歳以上の高齢者。また、高齢者の肺炎のうち、7割以上が誤嚥性肺炎と報告されています。(※1)

つまり、後期高齢者の肺炎のほとんどは誤嚥性肺炎だと考えられます。
誤嚥を防ぐことが、高齢者の肺炎予防にはとても重要です。
次回は、誤嚥を防ぐために、飲み込む機能(嚥下)の改善・維持をする方法について、詳しくご紹介します。

 

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(※1) 出典:厚生労働省.第2回在宅医療及び医療・介護連携に関するWG資料

 

 

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