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老人ホーム入居中でも自由に出かけられる?外出・外泊のメリットと注意点を解説

「老人ホームに入居すると、もう自由に外出できないのだろうか」

「面会はできても、一緒に出かけるのは難しいのでは?」

老人ホーム探しを進める中で、このような疑問や不安を感じる方は少なくありません。

しかし、多くの老人ホームでは、一定のルールを守れば外出や外泊ができます。

今回は、老人ホームでの外出・外泊に関する基本的なルールから具体的なメリット、注意点まで解説します。

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老人ホームの入居者は外出・外泊は自由にできる

外出 老人ホーム

老人ホーム利用中の外出や外泊は、基本的に「自由」としている施設がほとんどです。

そもそも老人ホームには、「外出・外泊をしてはいけない」といった強制力がありません。そのため、あらかじめ施設側に外出や外泊の要旨を伝えておけば、快く送り出してもらうことができます。

しかし、施設によっては特別な事情により、外出や外泊を自由にできない場合もあります。例えば「認知レベルの問題」「要介護度の問題」などにより、外出や外泊が危険となるケースです。

また、防犯や職員の勤務時間の都合などにより、一定のルールが設けられていることもあります。不安な場合には、利用前に外出や外泊のルールを確認しておくことをおすすめします。

老人ホームで外出・外泊できる頻度と一般的なルール

外出 老人ホーム

老人ホームでの外出や外泊には、以下のような頻度やルールが設けられています。

  • 外出・外泊できる頻度
  • 事前申請が必要になる
  • 送迎が必要になる

老人ホームへの入居を検討する際は、これらの点を事前に確認しましょう。

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目次

外出・外泊できる頻度

老人ホームでの外出や外泊の頻度は、施設の運営方針、そして何より入居者本人の心身の状態によって異なります。多くの施設では、健康状態に問題がなく、施設のルールを守れる範囲であれば、月に一回程度の外出や外泊を認めています。

施設によっては回数規定がある場合に加え、感染症対策などで一時的に外出制限をかけていた時期もありました。

具体的な外出や外泊の頻度は、必ず入居前に老人ホームへ確認しましょう。

事前申請が必要になる

老人ホームで外出や外泊をする際は、以下のような理由から事前申請が必要です。

  • 入居者の安全管理
  • 健康状態の把握
  • 食事や入浴の準備
  • 人員配置の調整

無断で外出してしまうと、施設側が入居者の安否確認ができず、大きな心配や混乱を招く可能性があります。万が一、外出先で事故や体調不良が起きた場合、対応が遅れる原因にもなりかねません。

申請方法は施設によって異なり、所定の用紙に記入して提出する場合や、口頭での申し伝えで済む場合もあります。申請書には通常、外出(外泊)日時、行き先、目的、同行者、緊急連絡先などを記入します。

急な用事での外出希望の場合でも、必ず事前に職員へ相談しましょう。

送迎が必要になる

老人ホームからの外出や外泊の際、基本的に老人ホームから送迎サービスは提供されません。施設の職員は、他の入居者のケアや施設全体の運営業務を担っており、特定の個人の送迎への対応が難しいためです。

外出・外泊時の送迎は、原則として家族や親族が行うことになります。家族が自家用車で迎えに来たり、公共交通機関を利用する際に付き添ったりするのが一般的です。

家族による送迎が難しい場合は、介護タクシーや福祉タクシーなどの外部サービスを利用する選択肢があります。外部サービスは費用が発生しますが、車椅子ごと乗車できる車両もあり、移動の負担を軽減可能です。

外出や外泊時の送迎について、事前に家族や施設とよく相談しておきましょう。

門限が決められている

多くの老人ホームでは、以下のような理由から門限が設定されているのが一般的です。

  • 安全管理や防犯
  • 他の入居者への配慮
  • 夜間の職員体制

門限の時間は施設によってさまざまで、夕食後の18時や19時頃に設定されている場合もあれば、もう少し遅い21時ごろの場合もあります。中には、比較的ゆるやかなルールで、事前に連絡すれば多少の遅れは許容される施設もあります。

門限を破ってしまうと職員に心配をかけるだけでなく、他の入居者に迷惑をかけてしまう可能性があるので注意しましょう。

老人ホームで外出・外泊を利用するメリット

外出 老人ホーム

老人ホームで外出や外泊を利用すると、以下のようなメリットがあります。

  • 気分転換・ストレス発散になる
  • 孤独が和らぎ生活の質が向上する
  • 体力の維持・向上につながる
  • 認知症予防になる

外出・外泊がもたらす具体的なメリットを見ていきましょう。

気分転換・ストレス発散になる

老人ホームでの生活は安全ですが、毎日同じ場所で過ごすと、どうしても閉塞感やストレスを感じやすくなります。外出は、そのような日常から一時的に離れ、気分をリフレッシュさせる絶好の機会です。

昔よく通った公園を散歩したり、家族や友人とレストランで食事を楽しんだりするだけでもいい気分転換になります。季節の移り変わりを肌で感じたり、街の活気に触れたりすると、五感が刺激されて心を前向きにする効果が期待できます。

定期的な外出は、精神的な健康を保ち、穏やかな気持ちで施設生活を送るために大切なイベントです。

孤独が和らぎ生活の質が向上する

老人ホームに入居すると、家族や地域社会との物理的な距離が生まれ、孤独を感じやすくなります。外出や外泊は孤独感を和らげ、社会とのつながりを維持するために重要です。

家族と一緒に自宅で過ごしたり、友人とお茶を飲んだりできると、精神的な支えを得られます。とくに、気心の知れた人々と直接顔を合わせて会話を楽しむ時間は、何物にも代えがたい喜びとなり、心の安定につながります。

施設内での交流も大切ですが、外部とのつながりは、精神的な健康を維持するために欠かせません。

体力の維持・向上につながる

老人ホーム内でもある程度の活動は可能ですが、どうしても活動量が少なくなりがちです。外出は、意識的に体を動かすいい機会となり、体力や身体機能の維持・向上につながります。

外出の際に公園を散策したり、少し遠出をして観光地を歩いたりしてみましょう。

また、太陽の光を浴びると体内でビタミンDが生成され、骨の健康を保つのにも役立ちます。施設によってはリハビリテーションプログラムが用意されていますが、日常生活の中で自然に体を動かす機会を持つことも重要です。

認知症予防になる

外出は、五感を刺激して脳の活性化を促すため、認知症の予防や進行抑制に効果があると言われています。

  • 慣れない場所へ行く
  • 新しい景色を見る
  • さまざまな音を聞く
  • 季節の匂いを感じる

上記のような体験は、脳にとっていい刺激になります。

単調な生活は脳への刺激が少なくなりやすく、認知機能の低下を招く一因と考えられています。安全に配慮しながら適度に外出することは、認知症のリスクを低減するうえで重要です。

老人ホーム利用中の外出・外泊をスムーズにするには?

外出 老人ホーム

老人ホームでの外出や外泊をより快適で安心なものにするためには、以下のような準備や確認が必要になります。

  • 介護タクシーの手配を相談しておく
  • 入院の場合は施設からの支給があるかを確認する
  • 食事の有無は明確に伝えておく

それぞれの準備や確認のポイントを解説します。

介護タクシーの手配を相談しておく

老人ホームを利用中に外出・外泊する際には、介護タクシーの手配を相談しておきましょう。

高齢者が一人で公共交通機関を利用するのは、安全面からあまり好ましくありません。とくに、体力に不安がある場合は、大きな負担となってしまいますので、気軽に移動できる専用車両を利用することがおすすめです。

施設側で介護タクシーサービスを提供していたり、外部のタクシー会社に依頼してくれたりしますので、外出や外泊を検討している方は早めに相談しておくといいでしょう。

入院の場合は施設からの支給があるかを確認する

入院を理由に外泊する場合には、日用品などの支給があるかを施設側に確認しておきましょう。

老人ホームによっては、入院期間中に必要な日用品は施設から支給されることがあります。

歯ブラシや歯磨き粉、洗面グッズなど、生活に必要な日用品を支給してもらえれば、入院準備における家族の負担が大きく軽減します。

また、外出・外泊時には、健康保険証、お薬手帳、診察券、かかりつけ医の連絡先などを携帯することも重要です。

入院が決まったら、早めにチェックしておいてください。

食事の有無は明確に伝えておく

外泊や外出をする場合には、老人ホームでの食事が必要になるのか、いらないのかをきちんと伝えておきましょう。

外出先で食事をしてくる場合、その要旨をきちんと伝えておかないと、老人ホームでも食事を準備してしまう可能性があります。外泊から戻って食事を再開する場合も同様に、いつから食事が必要になるかを正確に伝えることが重要です。

罰金などはありませんが、施設側に迷惑をかけることになりますので、あらかじめ食事の有無は伝えておきましょう。

老人ホーム利用中の外出・外泊の注意点

外出 老人ホーム 注意点

老人ホームを利用している最中に外出や外泊をする際は、以下のような注意点があります。

  • 施設の生活リズムから大きく外れないように過ごす
  • 外泊期間中も利用料金が発生する
  • 外出先の医療機関を確認する
  • 付き添いできる人を探す

トラブルなく外出や外泊を楽しむために、具体的な注意点を見ていきましょう。

施設の生活リズムから大きく外れないように過ごす

外出や外泊をする際には、施設での生活リズムから大きく外れないように心がけながら過ごすことが大切です。

高齢者は生活リズムの変化の影響を受けやすいのが事実。施設での生活リズムから大きく外れるような過ごし方をすると、体調不良を引き起こす可能性があります。

また、いざ老人ホームに戻ってから、生活リズムが戻るまでに時間がかかることもあるでしょう。負担をかけないためにも、施設での過ごし方を考慮したうえで外出・外泊の計画を立てることが大切です。

外泊期間中も利用料金が発生する

老人ホームの利用中に外出や外泊する場合も、利用料金が発生することを頭に入れておきましょう。

老人ホームの利用料金は、家賃相当分、管理費、食費、介護サービス費などで構成されています。外泊で一時的に施設を不在にする場合でも、部屋は確保された状態であり、施設の管理運営は継続されているため、家賃相当分や管理費は基本的に日割りで請求されます。

「外泊した日数分、利用料が全額免除されるわけではない」と理解しておきましょう。

外出先の医療機関を確認する

外出や外泊をする場合には、目的地近くの医療機関を確認しておく必要があります。

高齢者は体調の変化が著しいことが多く、些細なことから深刻な状態に陥ることも珍しくありません。そのため、万が一の事態にすみやかに対応できるよう、外出先の医療機関をチェックしておく必要があります。

なるべく、診療所などではなく、規模の大きい病院をチェックしておき、連絡先やアクセスなどをおさえておきましょう。

付き添いできる人を探す

入居者本人の心身の状態によっては、安全確保のために外出・外泊時に付き添いが必要になる場合があります。とくに、認知症の症状があり道に迷う可能性がある方や足元が不安定で転倒のリスクが高い方、医療的なケアが随時必要な方などは、一人での外出は危険がともないます。

付き添いは、まず家族や親族にお願いするのが一般的です。しかし、家族が遠方に住んでいる、仕事で都合がつかないなどの理由で、常に誰かが付き添えるとは限りません。その場合は、外部のヘルパーを利用する(自費)、あるいは施設によってはオプションで付き添いサービスを提供しているためお願いすることになります。

誰が付き添うにしても、本人の状態をよく理解し、安全に配慮できる体制を整えることが重要です。

適度な外出・外泊で老人ホームの暮らしを楽しもう

外出 老人ホーム

今回ご紹介した通り、老人ホームの利用期間中であっても、自由に外出・外泊できることがほとんどです。そのため、気軽に気分転換をしたり、家族団らんを過ごすことができます。

ただし、施設によっては事情により細かなルールが設けられていることもあるため注意が必要です。

利用を検討している老人ホームがあれば、契約前に外出・外泊のルールを確認しておくといいでしょう。

大阪を中心に、多数の高齢者向けの介護施設の情報を掲載する「いいケアネット」では、老人ホームに関する疑問やまつわる情報を「いいケアジャーナル」で随時更新中です。

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監修者

一般社団法人全国介護事業者連盟 理事長会

斉藤 正行

一般社団法人全国介護事業者連盟理事長。立命館大学卒業後、複数の介護関連企業で要職を歴任し、日本介護ベンチャーコンサルティンググループを設立。講演活動やメディア出演も多数。

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