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生活保護でも入れる老人ホームはあるの?事例に沿ってご説明

 

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「認知症の母が生活保護を受けているのですが、老人ホームに入れるでしょうか」

老人ホームを探されているN様のご家族様が、たいへんお困りの様子で当社にご相談してくださいました。

 

2016年の厚生労働省の調査では、生活保護受給世帯のうち半数以上が高齢者を中心とする世帯ということが分かりました。

高齢者の生活保護の受給は決して、珍しいことではありません。

 

伴って生活保護受給者の方が老人ホーム入居を望まれるケースも増加しています。

N様の場合も「認知症が進んで一人にしておくのは心配だけど、自宅で一緒に住むのは難しい」とのことでお嬢様が施設を探されていました。

 

このように「生活保護を受給している方は老人ホームに入れるのか」と質問される方は多くいらっしゃいます。これを読んでいる方も、生活保護でも施設入居が可能か不安に思ってらっしゃるのではないでしょうか。

 

安心してください。生活保護を受給していても入れる老人ホームはあります。

今回はどのような施設に入れるのか、注意点、手続きについて説明します。

生活保護でも入れる老人ホームはある。どんな施設が選択肢?

 

N様のケースを例に「生活保護受給者の方が老人ホームに入居する流れ」を見て行きたいと思います。

まずは、N様の情報を整理します。

 

N様

(70代)

・要介護2

・認知症が進み、一人暮らしが難しくなってきた

・年金5万+不足分に関して生活保護を受給している

・お一人暮らしで、家族は遠方に住んでいる

・相談者は40代のご家族様

 

N様のような、生活保護受給者の方の場合、入居できる施設は

・特別養護老人ホーム

・住宅型有料老人ホーム

・サービス付き高齢者住宅

の3つになります。それぞれの違いを見て行きましょう。

 

種類 特徴
特別養護老人ホーム ・平均月額8万~12万円※1

・「要介護3」以上の方のみ入居可

・介護、リハビリ、食事等充実したサービスが魅力

・待機人数が多いため、入居しにくい(数年~数十年待つ場合も)

住宅型老人ホーム ・平均月額12万円※1

・要支援以上の方が入居可(自立の方を受け入れている施設もあるが、多額の費用がかかる)

・外部の介護サービスを利用するため、必要なものだけを選んで受けられる

・介護度が高くなると住み続けるのが難しい場合がある

サービス付き高齢者住宅

(正確には老人ホームではなく高齢者住宅)

・平均月額15万円※1

・施設によって入居条件が異なる(介護不要な方が入居可の施設から要介護5の方が入居可の施設まで様々)

・一般住宅に住むのと近い生活を送りながら安否確認と生活相談サービスが受けられる

・介護度が高くなると住み続けるのが難しい場合がある

※1 家賃+食費+管理費の合計。別途で医療費、介護サービス費、その他オムツ代など実費がかかる。また施設、地域に寄って金額は大きく異なる。

費用については次の章で詳しく説明します。

 

いいケアネットでは、多くの生活保護受給者の方が実際に「住宅型有料老人ホーム」「サービス付き高齢者住宅」に入居されています。

 

N様にも、「住宅型有料老人ホーム」「サービス付き高齢者住宅」をご紹介することとなりました。

 

ただし施設によって、生活保護受給者の方を受け入れていないところもあります。

また条件面で入居が難しい場合もあり、ご自身で探される場合は施設に問い合わせるなど情報収集をしっかり行う必要があります。

 

当社HP「いいケアネット」でも生活保護受給者が入居可能な施設が探せるため、ご活用ください。

「生活保護相談可」のいいケアネットの検索ページへ移動する

ご心配事があれば、今回のケースのように直接ご相談に乗らせて頂きますので、お気軽にお問合せください。

私どもシニアライフアドバイザーがしっかりサポートいたします。

 

 

 

 

生活保護受給者が老人ホームに入る時の費用面はどうなるの?

 

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「生活保護で老人ホームに入る場合、お金はどうなるんですか?」

 

入れる施設が分かり、次にN様のお嬢様が気にされたのは費用面です。

生活保護費で賄えるのか、金額がどうなるのかなど、気になるところも多いと思います。

 

まずは老人ホームに生活する際の費用の内訳を整理しましょう。

 

老人ホームで生活する際にかかる費用(生活保護受給している、していない問わず)

・家賃

・食費

・管理費(名称は施設によって違います。また共益費、水道光熱費、などが別途必要な場合もあります)

・その他実費(オムツ代等)

・医療費

・介護保険の一部負担

 

 

先ほど説明した月額費用は「家賃」+「食費」+「管理費」の合計で、「医療費」「その他実費」「介護保険の一部負担」は別途でかかってきます。

例えば、月額費用12万円の老人ホームに入居したとすると、12万円のほかにも利用した介護サービスの一部負担金や医療費、その他オムツ代など実費がかかることになります。

 

その中で、N様のような生活保護受給者の方の負担は以下のようになります。

 

かかる費用 生活保護受給者の負担
家賃 家賃扶助という扶助が支給されるためその中から払う。
食費  

生活扶助という扶助が支給されるためその中から払う。

管理費
その他実費
医療費 掛かった金額を自治体が実費負担。(医療扶助、介護扶助)
介護保険の一部負担

 

簡単に用語を説明します。

 

家賃扶助・・・定められた上限内で家賃の実費額が支給される。(例:4万円が上限の市区町村であれば3万円の物件に住めば3万円支給される)

※単身者の場合月額:22,000円~54,000円程度で、上限は市町村によって異なる。

 

生活扶助・・・定められた一定の金額が支給される。(例:生活扶助が6万円の市であれば、生活費が例え6万以上かかっても、6万以下で済んでも6万円支給される)

※単身者の場合月額:60,000円~75,000円程度で、市町村によって異なる。

 

医療扶助・介護扶助・・・かかった分の実費負担分を市区町村が負担する。

 

つまり

「食費」+「管理費」+「その他実費」=生活扶助の範囲内に収める必要がある。

「家賃」=定められた家賃扶助の範囲内に収める必要がある。

 

この2点を抑えたうえで、生活保護費の範囲内に収まる老人ホームを選ぶ必要があります。

 

ちなみにN様は年金を受給されていらっしゃいます。この場合

生活扶助費+家賃扶助費年金額=N様が支給される金額

となります。

 

 

 

生活保護受給者が老人ホームに入る際の注意点

 

費用の面での心配事は解消されました。いよいよ施設探しです。

生活保護受給者が老人ホームに入居する場合、以下の3点に注意する必要があります。

 

1 どの施設でも生活保護受給者を受け入れている訳ではない

2 費用面で選べる施設が限られる

3 生活保護受給者の受け入れ人数が限られている場合もある

 

1 どの施設でも生活保護受給者を受け入れている訳ではない

施設によっては生活保護受給者を受け入れていない場合があります。入りたい施設がある場合は、必ずその施設が生活保護に対応しているか確認してください。

 

2 費用面で選べる施設が限られる

前述のとおり、生活保護で出るお金は限られていますので、その範囲内で探す必要があります。

自治体によって生活保護扶助の金額は変わるため、もし施設を入居するにあたり自治体も変わる場合は自治体の生活保護扶助の上限を必ず確認してください。

 

3 生活保護受給者の受け入れ人数が限られている場合もある

生活保護受給者を受け入れている施設でも、受け入れ人数が限られている場合があります。HPなどで「生活保護受給者受け入れ可能」と記載されている場合でも、現在入居可能か確認してください。

 

施設に問い合わせる際にご不安な点などあれば、ご遠慮なく私どもシニアライフアドバイザーにご相談ください。

 

 

 

生活保護受給者が老人ホームに入居する際の手続きは?

 

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いよいよ施設も決まり、本格的にN様の入居の手続きを進めることとなりました。

N様は、住み慣れた市町村から移り、お嬢様の住む市町村にある老人ホームへ入居を希望されました。

 

その場合、「移管」という手続きが必要になります。

文字通り、生活保護の「管理」を現在の自治体の福祉事務所(生活保護を管理しているところ)から他の福祉事務所に「移す」という意味です。

元の自治体のケースワーカー(福祉事務所の担当職員)と、移り住む先のケースワーカー同士がやり取りをすることになります。(自治体によって詳細が異なる場合があります)

 

まずは担当のケースワーカーに相談してください。

自治体によっては、移り住むのを断られる場合もあるので注意が必要です。

 

 

現在住んでいる市区町村の老人ホームに入る場合も、入居する施設を決めたうえでケースワーカーに相談すれば手続きが進みます。

 

 

生活保護受給者の方が老人ホームの入居を考える場合、施設を決める前にケースワーカーに「老人ホームに入りたい」と相談しておくと入居時の手続きがスムーズになりやすいので、相談することをお勧めします。

また事前に相談しておけば、管轄の自治体内にある、生活保護受給者の方が入居可能な施設を紹介してくれる場合もあります。

 

 

N様もケースワーカーとやりとりをし、無事に希望の老人ホームに入居することができました。

 

 

 

 

 

生活保護受給者でも入れる老人ホームはある。しっかりと将来のことを考えよう。

 

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生活保護受給者の方の場合の老人ホーム入居の方法や注意点について、N様の例を元に説明してきました。

 

「足が悪くなっていつ家で転倒してもおかしくない」等、一人暮らしをさせておくと不安、施設に入りたいということは何かと起こりえます。

 

生活保護受給者の場合、入居できる老人ホームは限られ、探すのは簡単ではありません。

しかし、入居できる施設もあります。諦めずに探してみてください。

まずは、「施設を探す」ページでご希望の条件を選び、当てはまる老人ホームがあるか検索してみましょう。

いいケアネットでは生活保護受給者の方の老人ホーム探しをお手伝いいたします。

お気軽にお電話(0120-577-889)、またはお問合せフォームまでご相談ください。

一緒に、最適な老人ホームを探しましょう。

この記事の監修者

いいケアネット事務局

突然倒れた、転んで頭を打ったなど、ご自身やご家族の介護を身近に感じるきっかけはそれぞれです。 いいケアネットでは、いざという時のために役立つ介護の知識や介護施設についてご紹介します。

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