日本の平均寿命は世界でもトップレベルで高いです。長生きすることは良いことですが、「健康で生きられる期間」が指標となる健康寿命との差は、男性で9年弱、女性で12年強あります。この差の期間は「健康上の問題で日常生活に何か影響がある」ということになります。
高齢者のうちの半数以上が75歳以上の方が占めるようになっており、健康寿命を伸ばすことが非常に重要で、政府も焦点を当てています。
厚生労働省は2018年3月9日に開いた有識者会議で、2016年の健康寿命が男性72.24歳、女性
74.79歳とそれぞれ過去最長になったと発表しました。それぞれ、3年前の前回の調査から男性が0.95年、女性が0.58年伸びています。
また、前回の調査からの平均寿命の伸びは、男性が0.77年、女性が0.53年であり、平均寿命と健康寿命の差は、わずかではありますが縮小しています。
この要因として、委員長を務める東北大学の辻一郎教授は、「生活習慣の改善などにより、要介護状態になる要因で最も多い脳血管疾患が減っていることが大きいのではないか」と見ています。
健康寿命が長い方が子供や周囲の負担が軽減され、費用面でも介護費用が掛からないというメリットがあるでしょう。「ピンピンコロリ」と良く言われますが、最期まで元気でいられることは幸せという人が多いかと思います。
健康寿命を伸ばす具体的な要因として、厚生労働省の担当者は「食塩や野菜の摂取量を意識するなど、食事をより適切にする取り組みが進められている影響もある」と指摘しています。
食習慣をはじめとした、生活習慣をできる限り早い段階で改善することで、より長く健康でいられるでしょう。また、介護が必要になっても、幸せに過ごせるように趣味などを見つけるのも良いのではないでしょうか。
この記事の監修者
いいケアネット事務局
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