N病院にご入院中のK様(82歳男性)の件で娘様より当社へご連絡がありました。
現在K様は、元々パーキンソン病を患っておられ、認知症も持たれていたのでグループホームに入居されていました。ところが肺炎になり入院を余儀なくされ1ヶ月以上の入院をすることになりました。尿バルーンをされ、嚥下機能(飲み込む力)が低下していたため点滴による栄養補給と痰吸引が必要でした。
唯一の肉親である娘様は大変熱心にK様の看病をされており、退院後のことをとても心配されていました。現在入居中のグループホームでは医療措置が24時間必要なご状態のK様を受け入れることが不可能とのことで退去を余儀なくされました。娘様は困り果てて当社にご連絡頂きました。
K様は入院生活が長引くと筋力が衰え、今まで歩行が出来ていたのに完全に車イスになってしまいました。さらに栄養状態が悪いためIVH(中心静脈による栄養投与)にしたところ、座位が取れないため寝たきりの状態が続きました。
そうするとますます全身の筋力が衰えていきました。そのご様子を見て娘様はとても不安になられ、もう一度食べさせてあげたい、もう一度体を動かせるようにしてあげたいと思ったそうです。肺炎が治り次第退院し、老人ホームなどの施設に戻ってリハビリをしたいというのが娘様の願いでした。
K様は熱が下がり肺炎が治って退院許可出たらすぐに入ることができる老人ホームを探しました。24時間痰吸引が必要でIVHと尿バルーンが必須でした。その状態で受け入れが可能な老人ホームをお探ししてご見学にご案内しました。
多くの施設では受け入れが難しい方でした。なんとか24時間交代制で熱心な訪問看護が入られている住宅型老人ホームを見付け、そこをご紹介しました。老人ホームの施設長様の「ご入居様第一」の考え方に、娘様もここならお父様のケアも行き届くのではないかとご安心されました。
ところが、退院間近になると肺炎が再発したり、治まってくるとまた熱が出て退院が出来なくなったりと一時期は在宅復帰が叶わないのではないかと娘様も落ち込まれていました。
娘様のご意向としては、病院ではなく老人ホームで自宅のように過ごさせてあげたいとのことでしたのでK様の回復を辛抱強く待たれていました。それでもK様もどんどん弱っていく一方でした。
ようやく1ヶ月半後に、熱も下がり退院許可が出て老人ホームにご入居することが出来ました。PT(理学療法士)により、入院によって動かなくなった体を少しでも動くようになるようにとマッサージを施し、痰吸引もまめに行われました。
その結果一時は話すこと食べることも出来なくなっていたのに、しっかり話せるようになり、ゼリーなどの簡単なものは食べられるようになりました。娘様は大変喜ばれ明らかに回復に向かっているのが実感出来たようです。
K様も娘様と頻繁に会えてお話も出来るようになったことが何より嬉しいようです。そして老人ホームでリハビリも少しずつ頑張っていこうと現在も取り組まれています。
この記事の監修者
いいケアネット事務局
突然倒れた、転んで頭を打ったなど、ご自身やご家族の介護を身近に感じるきっかけはそれぞれです。 いいケアネットでは、いざという時のために役立つ介護の知識や介護施設についてご紹介します。