毎年恒例の「高齢者住宅・施設運営居室ランキング」の2017年版の発表がありました。
昨年は、大手損害保険会社や警備会社、不動産会社などの異業種参入やM&Aが目立ちましたが、今年も引き続きこのような動きが見られます。
来年2018年には、医療・介護のダブル改定があります。
そこへ見据えて、新規開設よりも収益改善や人材育成などに注力する大手事業者が多くなっております。
では、今年の施設運営居室数ランキングと1位~3位の大手の動向をお伝えしていきます。
第1位 SOMPOホールディングス
昨年に引き続き、SOMPOホールディングスが堂々の第1位です。
主なブランドは、「そんぽの家」「SOMPOケア ラヴィーレ」です。
では、SOMPOホールディングスの動向を見ていきましょう。
〇人材育成に大きな投資で、サービスの質向上へ
7月より、SOMPOケアメッセージとSOMPOケアネクストの2社は一体運営を開始し、サービスの質を向上させる動きが見られます。
同月に開校した大規模研修施設「SOMPOケア ユニバーシティ」で、人材育成に注力しています。業界トップがこのような取り組みを行うことで、業界内外にとっても良い動きとなるでしょう。
第2位 ベネッセスタイルケア
昨年に引き続き、ベネッセスタイルケアが堂々の第2位です。
主なブランドは、「アリア」「クララ」「グランダ」「まどか」「ボンセジュール」「ここち」「リレ」です。
では、ベネッセスタイルケアの動向を見ていきましょう。
〇安定成長・職員への大幅な処遇改善で今後の拡大へ
ベネッセスタイルケアは、東京・大阪・名古屋などの人口増加が見込める大都市を中心に、介護付き有料老人ホームの出店を継続しています。
価格帯に応じた7つのブランドを、ドミナント式に展開しています。ただし、今期と来期の新規開設数を10棟程度にとどめており、安定した成長と言えるでしょう。
今年度は、新規施設の出店よりも、人材の採用や、定着に力をいれています。4月には、13億円を投資して職員の大幅な処遇改善を行いました。
また、独自のシステム開発に投資しており、内部の強化に力を入れているようです。
来年の医療・介護ダブル改正後の動向に注目ですね。
第3位 ニチイ学館
昨年に引き続き、ニチイ学館が堂々の第3位です。
主なブランドは、「ニチイのきらめき」「ニチイのほほえみ」「ニチイホーム」「アイリスガーデン」す。
では、ニチイ学館の動向を見ていきましょう。
〇業界トップの売上高、今後さらなる展開へ
ニチイ学館は介護事業単体で、売上高1438億 5800万円(2016年度の売上高)と業界トップの売上高を誇っています。
さらに、居住系サービスの稼働率の向上や、在宅系サービスの中重度者強化への体制整備などによって2年ぶりに増収しています。
営業利益が、前年度比で62.3%増と大きくV字回復したことを決済時に発表されていたことも記憶に新しいですね。
幅広い事業を行っているニチイ学館は、家事援助やドッグセラピーなど多様な事業とのシナジー効果も模索しているようです。
また、ニチイ学館の操業事業である医療関連事業でも動きがあります。
今後AIやITの活用で医療機関の生産性を高めるサポートを行うほかにも、インバウンド・アウトバウンド双方の医療ツーリズム事業にも取り組んでいくようです。
この記事の監修者
いいケアネット事務局
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