大阪を中心に有料老人ホーム・介護施設HOME > 介護専門家がお届けする|いいケアジャーナル > 高齢者がかかりつけ医をもつと安心な理由|作る際の選び方のポイント

高齢者がかかりつけ医をもつと安心な理由|作る際の選び方のポイント

高齢になると体調の変化や病気のリスクが高まるため、信頼できる「かかりつけ医」の存在は大きな安心につながります。

ちょっとした不安や体調の変化も気軽に相談でき、病気の早期発見や適切な治療に結びつきます。また、大きな病院や専門医への紹介もスムーズです。

本記事では、かかりつけ医の重要性や信頼できる医師の探し方を解説していきます。この機会に、健康を生涯にわたりサポートしてくれる、かかりつけ医を探してみましょう。

かかりつけ医がいると、施設へ入居する際の主治医の意見書を作成してくれます。入居を検討している方は、「いいケアネットへご相談ください。介護保険や介護サービスなど介護に役立つ情報を、「いいケアジャーナルで随時更新中です。

かかりつけ医とは?

「かかりつけ医」とは、内科や外科といった枠を超え、健康全般を継続的に診察してくれる医師のことです。

ホームドクターや家庭医とも呼ばれ健康に関する相談から疑問まで幅広く対応してくれる身近な存在です。

厚生労働省の調査によると、50%以上の人がかかりつけ医を持っていると回答しています。

いる 55.2%
いない 43.8%
わからない 1.1%

出典:厚生労働省『健康管理のパートナーを持っていますか? ”かかりつけ医”の見つけ方

介護保険サービスを利用する際には、主治医の意見書の提出が義務づけられています。かかりつけ医が主治医(特定の病気や怪我の治療において、主たる責任を持つ医師)の役割を担えるため、かかりつけ医を持っておくと介護サービスの手続きがスムーズになります。

まだかかりつけ医がいない方は、この機会に地域のクリニックや医院に足を運び、信頼できる医師を見つけてみてはいかがでしょうか。

 

何をもって「かかりつけ医」と呼べる?登録の必要性も解説

かかりつけ医とは、健康全般を何でも気軽に相談できる身近な医師のことです。

明確な定義や基準があるわけではなく、通いやすさや相性など、患者自身の意思で決められます。内科や整形外科など、診療科ごとに複数のかかりつけ医がいるケースもあります。

現在、患者が自ら「かかりつけ医登録」を行う仕組みはありません。継続的に受診することで自然とかかりつけ医になります。ただし、小児科のみ、かかりつけ医制度を採用しています。

現時点で登録の必要はありませんが、信頼できる医師を見つけて関係を構築することが大切です。体調を崩したときに慌てないためにも、今のうちに何でも相談できるかかりつけ医を探しておくことをおすすめします。

 

高齢者がかかりつけ医をもつと安心な3つの理由

高齢になるほど、複数の慢性疾患を抱えやすくなります。定期的な診察を通して健康管理と病気や認知症の早期発見ができるので、精神的な安定にもつながります。

高齢者にかかりつけ医が必要な理由は、以下の3つです。

  • 健康面の悩みや不安を気軽に相談できる
  • 体調の変化に気付いてもらいやすい
  • 必要な医療機関を紹介してもらえる

かかりつけ医は医療連携、緊急時の対応など多くのメリットがあるので、安心できる理由を具体的に解説していきます。

この記事は「コンテンツポリシー」に沿って執筆しています。
目次

健康面の悩みや不安を気軽に相談できる

高齢になると些細な体調の変化でも「大きな病気ではないか」と不安になり、誰に相談すればいいか悩んでしまうものです。かかりつけ医がいれば長年にわたり健康状態や家族構成などを把握しているため、小さな不安でも相談できます。

かかりつけ医を持たないと「こんなことで病院を受診してもいいのかな」と迷ってしまいますが、顔なじみの医師なら安心して相談できます。

いつも診てもらっている医師に話を聞いてもらえるという精神的支えも、高齢者にとって非常に大切です。

専門分野以外にも健康面の悩みや不安を相談できるので、かかりつけ医がいると心の安定にもつながります。

体調の変化に気付いてもらいやすい

「年のせいかもしれない」と本人が見過ごしてしまう些細な体調の変化も、患者の「普段の健康状態」を知っているかかりつけ医なら気付いてもらいやすいです。

自分では大したことがないと思っていても病気のサインであるケースもあり、かかりつけ医を持つと早い段階で適切な対応ができます。

早期発見・早期治療には以下のようなメリットがあります。

  • 生存率が高まる
  • 治療が軽く済む
  • 安心して生活を送れる

健康寿命を延ばすためにも、患者さんのことを理解している医師の存在は不可欠です。

また、かかりつけ医が認知症に気付いてくれるケースもあるため、高齢の親御さんがいる家族にとっても頼りになる存在です。

関連記事:
数分前のことを忘れるのは認知症の初期症状?チェック項目や対処法を解説
病的老化とは?症例や治療方法、生理的な老化現象との違いも解説

必要な医療機関を紹介してもらえる

かかりつけ医は大学病院や総合病院など、地域の大きな病院と連携しています。かかりつけ医が専門的な検査や治療が必要だと判断した場合、症状に合う医療機関を紹介してくれます。

どの病院を受診すればいいのか自分で調べるのは大変な上に、判断を誤ってしまうかもしれません。かかりつけ医がいればスムーズに医療機関を紹介してくれるので、専門医もすぐに診察できます。

また、令和4年10月1日から、紹介状なしで受診した際の特別料金が上がりました。

以下は、紹介状なしの場合にかかる特別料金の目安です。

初診 医科 7,000円以上
歯科 5,000円以上
再診 医科 3,000円以上
歯科 1,900円以上

出典:厚生労働省『医療機関の機能・役割に応じた適切な受診を行うようにお願いします。

紹介状があれば初診時選定医療費が不要になり、追加料金が不要になる場合が多いです。初診時の料金を抑えられるので、経済的なメリットもあります。

高齢者が信頼できるかかりつけ医の作り方【選ぶときのポイントは3つ】

高齢者がかかりつけ医を作るうえで重要なのは、専門性が高い医師ではなく総合的に診てもらえるのかという点です。いつ、どのような症状で受診するかわからないので、何でも診てくれる医師のほうが適しています。

かかりつけ医を作る際、確認するのは以下の3点です。

  • 通いやすいか
  • 相性が良いか
  • 熱心に対応してもらえるか

かかりつけ医作りで悩んだら、総合的に診てもらえる内科がおすすめです。これから解説するポイントを踏まえ、かかりつけ医を探してみてください。

通いやすいか

高齢になると体力の低下や移動手段に制約が出てしまうため、医療機関へのアクセスは重要です。高齢者の場合、急な体調不良で受診を急ぐ機会も増えます。

移動手段に合わせ、以下のポイントも考慮し探しましょう。

  • 自宅から通いやすいか
  • 公共交通機関で通いやすいか
  • 駐車場はあるのか

医療機関の立地だけでなく、無理なく通える診療時間なのかも大切なポイントです。通院の負担が少ないことは、継続的な治療や健康維持の重要な要素です。

相性が良いか

思わぬ病気が見つかるかもしれない高齢者にとって、何でも話せる医師なのかは重要なことです。些細な不安や疑問に答えてくれる医師のほうが、病気の早期発見にもつながります。

ただし、医師との相性は患者によって大きく異なります。以下は、相性を確かめる上で判断基準にあげられやすい項目例です。

  • 丁寧に説明してくれる医師がいい
  • 話を聞いてくれる医師がいい
  • 笑顔で接してくれる医師がいい

医師の話し方や説明の仕方、態度は実際に会わないとわかりません。

症状が軽いときに1度受診し、話しやすいのか、信頼できるのかなど、相性を見極めましょう。

熱心に対応してもらえるか

高齢者のかかりつけ医を選ぶ上で、熱心に対応してもらえるのかは非常に重要なポイントです。熱心な医師は患者さんの話をよく聞き、ちょっとした変化にも早く気づいてくれます。

高齢者のかかりつけ医には、治療以外の以下のような役割も求められます。

  • 専門的な治療や検査を専門医療機関につなぐ
  • 認知症への理解を深める
  • 終末医療への理解や知識を深める

熱心に対応してくれる医師を選ぶことは、適切な治療やサポートにつながる第一歩です。かかりつけ医は役割が多いからこそ、親身になって話を聞いてくれる熱意のある医師を見つけましょう。

高齢者の信頼できるかかりつけ医を作って安心できる環境を整えよう【まとめ】

高齢者にとって、信頼できるかかりつけ医を持つことは、安心して生活できる環境づくりの第一歩です。

体調の変化を早く見つけてくれ、必要に応じて専門医を紹介してくれます。かかりつけ医がいるだけで、もしもの時の安心感が違います。

かかりつけ医を選ぶときは「通いやすさ」「相性」「熱心に対応してくれるか」が重要です。

信頼できる医師の存在は、安心して生活を送る上で心の支えになります。早めに探し、安心できる環境を整えましょう。

かかりつけ医と相談し介護施設への入居を考えている場合は、「いいケアネットにご相談ください。大阪を中心に、希望に合う施設をお探しいただけます。

介護保険や介護サービスの情報は「いいケアジャーナルで随時更新しているので、ぜひ参考にしてください。

\クリックで簡単お問い合わせ/

いいケアネット ご相談バナー

監修者

大阪大学医学部大学院寄附講座教授・医学博士

森下 竜一

大阪大学医学部大学院寄附講座教授・医学博士。スタンフォード大学での研究経験を持ち、健康医療戦略の政府参与や2025年大阪・関西万博の総合プロデューサーを務める。これまで多くの受賞歴を持ち、抗加齢医学専門医などの資格も保有。

関連ページ >

あわせて読みたい記事