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老後は孤独を感じやすい?高齢者が一人で暮らす問題点や不安を解消する対策を解説

日本人の平均寿命は、男性81. 09年、女性は87. 14年です。高齢者の定義は65歳となるため、老後は15〜25年ほど生活を送る計算になります。

しかし、長い老後生活で孤独に耐えられるか不安を感じる方も少なくありません。老後に孤独を感じたまま生活すると、健康に悪影響をおよぼす可能性があります。

本記事では、老後に孤独を感じやすいのかまとめました。高齢者が一人で暮らす問題点や孤独を避ける対策も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

老後に孤独を感じる割合

老後 孤独

老後に孤独を感じる方は、一定数存在します。内閣府が公表した「孤独・孤立の実態把握に関する全国調査(令和5年)」によると、60代・70代・80代以上で孤独を感じる割合は、次の結果となりました。

年齢階級 「しばしばある・常にある」「時々ある」「たまにある」と回答した人の割合
60代 36.2%
70代 30.5%
80代以上 36.6%

同調査では、各年齢階級において、3割の高齢者が孤独を感じると回答しています。孤独感は、心身の健康に悪影響を及ぼします。また、社会的に孤立する可能性がある点にも注意が必要です。現状寂しさを感じている方や、老後の孤独を不安視する方は、原因を踏まえた上で対策を講じることが大切です。

老後孤独になる人の特徴

老後 孤独

老後孤独になる人には、共通した特徴があります。主な特徴は、以下5つです。

  • 一人暮らしで話し相手がいない
  • 困ったときに頼れる人がいない
  • 健康状態があまり良くない
  • 趣味がない
  • お金がない

孤独を感じる原因とあわせて解説するので、ぜひ参考にしてください。

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目次

一人暮らしで話し相手がいない

一人暮らしで引きこもってばかりいて、社会とのつながりが少ない方は、孤独を感じてしまいがちです。人との関わりは、生きがいに影響を与えます。

65歳以上の高齢者の中には、定年退職する方も多く、人付き合いが減ってしまいます。また、配偶者との死別により、一人暮らしをする方も少なくありません。

話し相手がいないと、孤独やストレスが高まる原因になります。内閣府の「令和4年版高齢社会白書(全体版)」によると、外出頻度が高いほど生きがいを感じている人の割合が高くなっています。

出典:内閣府|令和4年版高齢社会白書(全体版)

つまり、誰とも話さず家に引きこもっている人は、孤独を感じやすい傾向です。

困ったときに頼れる人がいない

困ったときに相談相手がいない人は、共通して孤独を感じています。困ったときに誰にも頼れない状況は、寂しさを抱える要因の一つです。

内閣官房孤独・孤立対策担当室の「人々のつながりに関する基礎調査(令和5年)調査結果の概要」で全年代に実施した調査では、困ったときに頼れる人がいないと回答したほうが孤独を感じています。

出典:内閣官房孤独・孤立対策担当室|人々のつながりに関する基礎調査(令和5年)調査結果の概要

また、内閣府の「令和4年版高齢社会白書(全体版)」によると、親しくしている友人や仲間を多く持っていると回答した人ほど、老後に生きがいを感じていることがわかります。

出典:内閣府|令和4年版高齢社会白書(全体版)

老後は、生活に不安を抱えがちです。困ったときに相談できる相手がいなければ一人で解決しなければならないため、孤独が強くなってしまう場合があります。

健康状態があまり良くない

健康状態があまり良くない人は、老後に孤独を感じてしまいやすい傾向です。老後は加齢に伴い、体力の衰えや身体に支障をきたしやすくなります。

「体調が悪くなった際、助けてくれる人が近くにいないときはどうすれば良いのか」と不安を感じる方は、少なくありません。内閣府の「令和4年版高齢社会白書(全体版)」では、健康状態が良いと回答する人ほど、生きがいを感じています。

出典:内閣府|令和4年版高齢社会白書(全体版)

健康状態が悪ければ、ネガティブな思考になってしまいやすいため、精神的なよりどころがなければ寂しさを感じがちです。

趣味がない

老後に孤独を感じる人には、無趣味の共通点があります。趣味がなければ、一人の時間を有意義に過ごせません。

やることがなければ、ぼんやり過ごして一日を終える日々を送る場合があります。メリハリのない生活は、気持ちの切り替えが上手くできず、マイナスな思考に陥ってしまいがちです。

「毎日つまらない」「何を楽しみに過ごしていこう」など、人生を悲観して孤独さを感じやすくなります。

お金がない

孤独を感じる人には、経済的な暮らしにゆとりがない点が共通しています。日本の平均寿命は、男性81. 09年、女性は87. 14年です。高齢者となる65歳からは、15〜20年ほど生活が続く計算になります。

しかし、老後は病気や介護などにより出費が増えるため、貯金がなければ将来の不安を感じてしまいがちです。経済的なゆとりがなければ、旅行や趣味などやりたいことを楽しめません。

内閣官房孤独・孤立対策担当室の「人々のつながりに関する基礎調査(令和5年)調査結果の概要」で全年代に実施した調査では、経済的なゆとりが苦しいと回答する人ほど、孤独を感じていることがわかりました。

お金がなければ充実した老後を過ごせないため、孤独を感じる場合があります。

参考:厚生労働省|令和5年簡易生命表の概況

参考:内閣官房孤独・孤立対策担当室|人々のつながりに関する基礎調査(令和5年)調査結果の概要

老後の孤独がもたらす問題点

老後 孤独

老後の孤独は、精神的・身体的な健康に悪影響を与えます。ここでは、老後の孤独がもたらす問題点を4つ解説します。

  • 老人性うつ病を発症する
  • 認知症が進行する
  • 孤独死する可能性がある
  • 消費者被害に遭いやすくなる

孤独が招くリスクについて知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

老人性うつ病を発症する

老人性うつ病とは、高齢者によく見られる病気の一つです。原因は厳密には解明されていませんが、環境的・心理的な要因により発症するケースがあります。

たとえば、家族との死別により一人暮らしになった場合など、生活に大きな変化があった際に老人性うつ病になってしまう人もいます。

老人性うつ病ではネガティブな思考になりやすく、不安や焦り、自分を過小評価するなど、症状もさまざまです。放置すると、自殺リスクを高める可能性もあるため、孤独の解消が大切です。

▼老人性うつ病については、以下で詳しく解説しています。

老人性うつの場合どうすれば良いの?症状や認知症との違いなどを解説

認知症が進行する

老後の孤独は認知症を進行する原因にもなるため、放置しないようにしましょう。孤独な生活を続けていると、社会とのつながりが減ったり無気力になったりします。

何もせず過ごす日々は、脳への刺激や活性化が減るため認知機能の低下につながります。アメリカが行った研究では、孤独を感じる高齢者の方が認知症リスクが3倍ほど高いことが明らかになりました。認知症と孤独には深い関係があるため、予防対策として、寂しい老後を過ごさないようにする対策が必要です。

参考:Neurology|Association of Loneliness With 10-Year Dementia Risk and Early Markers of Vulnerability for Neurocognitive Decline

▼認知症のサインについては、以下で詳しく解説しています。

物忘れと認知症の境界線|見逃せないサインと家族ができること

孤独死する可能性がある

孤独な老後を過ごす人の特徴には、人付き合いが希薄な共通点があります。人付き合いが少なければ、社会的に孤立するため、何かあったときも人に頼れません。

家に引きこもってばかりいると、孤独により心身の不調をきたす要因になります。日本では、自宅での死亡割合が年々増加しています。

出典:内閣府|「孤独死・孤立死」を把握することの意義について

孤独死の増加は深刻な問題となっているため、対策の一つとして老後に孤独な生活を避ける必要があります。

消費者被害に遭いやすくなる

孤独な老後生活は、消費者被害に遭うリスクを高めます。社会と孤立している状態のため、詐欺の判別がつけられなくなるためです。

悪質業者は、高齢者が孤独により感じている不安をあおって、信用させる場合があります。国民生活センターの「65歳以上の消費生活相談の状況」によると、高齢者の消費生活相談件数は、2020年から上昇傾向であることがわかっています。孤独により大切な財産が失われる可能性もあるため、注意が必要です。

参考:独立行政法人国民生活センター|65歳以上の消費生活相談の状況

老後の孤独を避けるための対策

老後の孤独は、心身の健康を損ねるだけでなく、消費者被害に遭うリスクを高めます。対策としては、孤独な生活を避けることが重要です。

ここでは、老後の孤独を避けるための対策を4つ解説します。

  • 好きなことや趣味を見つける
  • 社会とつながりを持つ
  • 仕事をする
  • 介護サービスを利用する

豊かな老後を過ごすためにも、ぜひ参考にしてください。

好きなことや趣味を見つける

好きなことや趣味を見つけると、人生に生きがいを感じやすくなります。興味のある分野に没頭すると、身体や脳を動かせるため、メリハリのある生活が可能です。

新たな挑戦では自己肯定感を高めやすく、脳に刺激を与えられます。脳の活性化は、認知機能の維持や向上につながるため認知症予防にも効果的です。スポーツや習い事をはじめるほか、認知症予防のゲームを自宅で楽しむのもおすすめです。

▼物忘れ・認知症予防のトレーニングアプリについては、以下で詳しく解説しています。

物忘れ・認知症予防トレーニングアプリ13選!中高年向け無料ゲームを紹介

社会とつながりを持つ

孤独を避ける対策には、社会とつながりを持つ方法が効果的です。人とのつながりは、孤独感を緩和してくれるため、老後に寂しさを感じずに過ごせます。

たとえば、地域のコミュニティに参加すると他者の意見を聞く機会を設けられるため、新たな情報や刺激を得られます。ボランティアやサークルなど、高齢者向けのコミュニティの種類はさまざまです。

なかには、自宅で人と交流ができるオンラインコミュニティもあるため、自分に合ったやり方で社会とのつながりを持ちましょう。

仕事をする

定年後に仕事を続けるのも、孤独や不安を取り除くための手段です。仕事を続けると人と関われるだけでなく、収入を得られます。

精神的な不安が減るのに加えて、生活リズムも保たれるため、健康面の利点もあります。仕事を辞めると、社会との接点が減り、孤独を感じるケースも少なくありません。老後は無理のない範囲で仕事を続け、社会的な孤立を避けるのが大切です。

介護サービスを利用する

高齢者施設への入居や訪問介護など、介護サービスを利用するのも孤独を解消する方法になります。介護サービスの利用では、人と接点を設けられるため、孤独を感じず生活できます。

とくに、高齢者施設へ入居すると、人と話す機会を増やせる点がメリットです。レクリエーションを楽しめる高齢者施設もあり、脳機能の向上につながります。

介護認定がなくても入居可能な施設もあるため、老後孤独な生活をするのは避けたい方は介護サービスの検討がおすすめです。

大阪を中心に多数の高齢者向け介護施設の情報を掲載している「いいケアネット」では、入居無料相談を受け付けております。孤独などの不安から施設入居を検討している方は、お気軽にご相談ください。

老後は孤独感を回避し楽しむための対策が重要【まとめ】

老後 孤独

老後の孤独は、老人性うつや病や認知症の進行など、健康に悪影響をおよぼします。一人暮らしで話し相手がいなかったり、趣味がなかったりする場合は、孤独を感じる原因になるため対策するのが大切です。

孤独を回避する方法には、趣味を見つけるほか、仕事をはじめるのもおすすめです。自分に合った方法で、豊かな老後生活を過ごしましょう。

なお、老後の孤独を回避する方法には、介護サービスの利用も手段の一つです。大阪を中心に多数の高齢者向け介護施設の情報を掲載する「いいケアネット」では、老人ホームに関する疑問やそれにまつわる情報を「いいケアジャーナル」で随時更新しているので、ぜひご覧ください。

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