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介護ベッドの大きさはどう決める?サイズ一覧や選び方のコツを解説

要介護状態になると、住環境次第では介護ベッドの用意が必要です。しかし、介護ベッドは種類が多く、どれを選べば良いのか悩んでしまう人もいるでしょう。介護ベッドは大きさのほか、設置する部屋の広さや利用者の要介護度などを考慮して選ぶことが大切です。

今回は、介護ベッドの大きさ選びの基準や決め方を解説します。大きさ以外に着目すべきポイントもまとめているので、介護ベッド選びの参考にしてください。

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【一覧】介護ベッドの大きさ

介護ベッド大きさ

介護ベッドの大きさは主に「ミニサイズ」「レギュラーサイズ」「ロングサイズ」の3種類に分けられます。

種類 サイズの目安
ミニサイズ 幅83cm×長さ180cm程度
レギュラーサイズ 幅91cm×長さ191cm程度
ロングサイズ 幅100cm×長さ205cm程度

介護ベッドの大きさ選びは、利用者の身長や設置する部屋の広さに合わせて選ぶことが重要です。適切な大きさの介護ベッドを選ぶことで、より快適で安全な介護環境を整えられます。

介護ベッドの大きさを決める3ステップ

介護ベッド大きさ

介護ベッドの大きさは、幅・長さ・高さの3つの視点から選びましょう。ここでは、介護選びの大きさの決め方を3つのステップで解説するので、ぜひ参考にしてください。

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目次

1.ベッドの幅を選ぶ

介護ベッドの大きさを決める上で、まず選ぶのがベッドの幅です。前述のとおり、介護ベッドの幅は一般的に83cm、91cm、100cmの3種類で展開されています。あまり違いがないように思えるかもしれませんが、ベッドの幅が変わると寝返りや介護のしやすさが変わってしまうため、最適なサイズ選びが重要です。

幅83cmのベッドは比較的小さめに作られていることから、介助者が身体を抱えたり手を貸したりする際に、身体を近づけやすい特徴があります。一方で、利用者が自力で寝返りする際には、やや狭く感じられるでしょう。

幅100cmの介護ベッドであれば、身体が大きい人でも快適に使用できます。ただし、設置スペースが必要になるほか、ベッドの外から身体を寄せにくく、介護しづらくなる可能性があります。

2.ベッドの長さを選ぶ

介護ベッドの大きさを決める際は、長さ選びも重要です。一般的には180cm、191cm、205cmの3種類サイズ展開されているので、身長にあわせて最適なベッドを選びましょう。

身長が150cm未満であれば、もっとも小さい180cmタイプがおすすめです。反対に、175cm以上ある高身長な人なら200cm以上のタイプを検討してください。150cmから175cmの間に該当する人であれば、レギュラーサイズの長さの介護ベッドで問題ないでしょう。

3.ベッドの高さを選ぶ

介護ベッドの幅と長さを決めたら、高さを選びます。介護ベッドの高さ選びは、立ち上がりやすさや転倒リスクに関わる重要なポイントです。通常のベッドの場合、床からマットレスの天面までの高さは40〜50cmで設定されていますが、介護ベッドは40cm前後が一般的です。

ただし、介助者にとって40cmの高さは作業がしにくいため、多くのベッドには高さ調節機能や傾斜調整機能などが備わっています。調整機能が備わっている介護ベッドの場合、40cm前後から60cm以上の間で高さ調整が可能です。

介護ベッド選びの基準

介護ベッド大きさ

介護ベッドの大きさは、利用者の状態や住環境に合わせて選ぶ必要があります。利用者の体格や要介護度など、複数の観点から適切なベッドの大きさを総合的に判断しましょう。

利用者の体格

介護ベッドの幅や長さは、利用者の体格に合わせるのが基本です。体格に合わない大きさの介護ベッドを選ぶと、寝返りや起き上がりが困難になり、日々の生活に支障が出る恐れがあります。

小柄な方にはミニサイズ、標準体型ならレギュラーサイズ、身長が高い方にはロングサイズが適しています。介護ベッドにはさまざまな種類があるため、まずは利用者の体格に合わせて適したサイズのものを絞り込むのがポイントです。

部屋の広さ

介護ベッドを選ぶ際は、設置する部屋の広さや間取りも考慮する必要があります。部屋の広さに対して介護ベッドが大きすぎると、圧迫感が生じるだけではなく、介助者の作業スペースを十分に確保するのが難しくなるため注意が必要です。

ミニサイズやレギュラーサイズの介護ベッドなら6畳以上、ロングサイズのものを使用する場合は8畳以上の広さが望ましいとされています。なお、部屋の広さとあわせて、ドアや窓の位置、コンセントの場所なども考慮すると、より効率的な介護につながります。

▼ 部屋が狭くて介護ベッドの設置を悩んでいる方は、以下の記事も参考にしてください。

関連記事:【どうする?】介護ベッドを置きたいのに部屋が狭い!サイズ選びや対処法を解説

要介護度

介護ベッドを選ぶ際は、利用者の要介護度や状態について十分把握しておくことが大切です。自力で起き上がれるような要介護度が低い方であれば、最低限の大きさや機能の介護ベッドでも対応できるでしょう。

一方、利用者が寝たきりの状態であったり、身体の動きが制限されたりする場合には、より多くの機能を必要とするケースが考えられます。

なお、利用者の状態によっては、将来的な介護度の変化を見越してベッドを選ぶことも可能です。長期的な視点から、経済的かつ実用的な選択肢として、最初から多機能の介護ベッドを選ぶのも方法の一つです。

ほかの福祉用具の利用状況

介護ベッドを選ぶ基準として、ほかの福祉用具の利用状況も挙げられます。

たとえば、車いすや歩行器を使用している場合、ベッドの高さが各用具と合っていないと、移乗が難しくなり、転倒のリスクが高まるため注意が必要です。この場合、高さを調節できるタイプの介護ベッドを選べば、ほかの福祉用具に合わせて最適な高さを保ち、安全かつ効率的な介護が可能になります。

ほかにも、ポータブルトイレやリフトなどを使用する場合、設置スペースや可動範囲が介護ベッドと干渉しないかどうかも確認が必要です。ほかの福祉用具の利用状況も考慮し、安全性が高い環境を確保できるよう介護ベッドを選びましょう。

▼ 福祉用具のレンタルを検討している方は、以下の記事もチェックしてみてください。

関連記事:「福祉用具」について

介護ベッドの大きさ以外で着目すべきポイント

介護ベッド大きさ

介護ベッド選びでは、大きさ以外にも確認すべき点があります。介護ベッド選びで着目すべきそのほかのポイントは、主に以下の4つです。

  • マットレスの種類
  • モーター数
  • テーブル
  • サイドレール

それぞれ詳しく見ていきましょう。

マットレスの種類

介護ベッドの大きさが決まったら、サイズに合わせてマットレスを選びます。とくに、ミニサイズやロングサイズの介護ベッドを利用する際は、マットレスのサイズと合わない可能性があるため気をつけてください。

サイズとあわせて確認したいのが、マットレスの硬さや素材です。硬すぎるマットは身体を圧迫しすぎる可能性がある一方で、柔らかすぎると自力での寝返りがしづらくなってしまいます。実際に触ってみたり、横になってみたりしながら本人が心地良いと思えるマットレスを探すのがポイントです。

また、マットレスには、空気で膨らませるエアータイプや、ウォータータイプなどがあります。これらのベッドは空気や水の力で身体を浮かせることで、体圧を分散してくれます。また、ウレタンやゲルが入っているタイプは身体にしっかりフィットしてくれるため、寝返りのサポートになるでしょう。

モーター数

介護ベッドならではの選び方のポイントになるのが、ベッドに搭載されているモーターです。

モーターは、立ち上がりや座る動作をサポートする「高さ調節機能」、起き上がりをスムーズにする「背上げ機能」、座り姿勢を快適にする「膝上げ機能」など、機能性に直結します。

1モータータイプなら、簡単な操作で背中を預ける部分や、足部分の角度を調整できます。2モータータイプの場合、高さや角度を別々に操作して設定可能です。日常生活にあまり支障がない方や、ベッドに身体を預けて自力で座っていられる方なら、1モータータイプや2モータータイプで問題ないでしょう。

3モータータイプなら、高さのほかにも背もたれの角度や足の角度などをさらに細かく調整できます。そのため、身体がなかなか動かせない方の場合は、それぞれのパーツを細かく調整できる3モータータイプを選ぶと、楽な姿勢をキープしやすくなります。

テーブル

介護ベッドを利用する際は、ベッドサイドテーブルを組み合わせるのが一般的です。

テーブルにはベッドをまたぐように配置できるアーチタイプのものや、ベッドの背もたれを起こした状態でも使えるコの字タイプのものなどがあります。

食事や読書、作業など、用途によってもテーブルに求める条件は異なります。そのため、高さや天板の傾き調整機能、キャスターの有無など、使用シーンに応じた機能性を確認してテーブルを選びましょう。とくに、使いたいテーブルタイプが決まっている場合には、組み合わせることを前提に介護ベッドを選ぶのがポイントです。

サイドレール

介護ベッドを選ぶ際は、利用者の状態に応じてサイドレールの設置が必要です。サイドレールは、利用者の転落防止のほか、立ち上がりや姿勢保持の支えとしても役立ちます。

とくに、寝返りが不安定な方や認知症のある方が利用する場合、夜間の予期せぬ動きによってベッドから転落するリスクが高く、サイドレールの設置が必須といえます。サイドレールにはいくつかの種類があるため、利用者の自立度によって適切なタイプのものを選びましょう。

なお、サイドレールとテーブルは干渉が起きるケースも珍しくありません。サイドレールとテーブルはセットで考え、干渉しないものを選ぶようにしてください。

▼ 介護ベッドの導入に利用できる制度については、以下の記事で解説しています。

関連記事:介護ベッドに補助金を使える?購入やレンタルの費用負担を減らす制度を紹介

介護ベッドの大きさ選びに迷ったときの相談先

介護ベッド大きさ

介護ベッドの選び方で迷ったときは、以下のような専門家への相談がおすすめです。

  • 福祉用具専門相談員
  • ケアマネージャー
  • かかりつけ医のソーシャルワーカー
  • 地域包括支援センター

福祉用具のレンタルや販売をおこなう事業所には、専門知識を持った相談員が在籍しており、利用者の状態や住環境に応じた適切なベッド選びをサポートしてくれます。また、要介護認定を受けている方であれば、ケアマネジャーに相談すると総合的な視点でアドバイスをもらえます。

介護ベッドの選び方や利用について不安な点があれば、早めに問い合わせましょう。専門家への相談は、より納得のいく介護ベッド選びにつながります。

いいケアネットでは、老人ホーム探しのための入居無料相談を受け付けています。施設の利用も含めて検討している方は、ぜひ気軽にご相談ください。

適切な大きさの介護ベッドを選んで安全性を高めよう【まとめ】

介護ベッド大きさ

介護ベッドを利用する際は、適切な大きさ選びが重要です。利用者の体格や設置する部屋の広さ、要介護度などに応じて適切な大きさの介護ベッドを選ぶと、安全性が高まるほか、介助者の負担軽減にもつながります。

ほかにも、マットレスの硬さや素材、サイドレールの設置有無などを総合的に判断できると、より良い住環境が整います。迷ったときには、福祉用具専門相談員やケアマネジャーに相談しながら、必要に応じて介護保険制度の活用も視野に入れましょう。

介護ベッドは、種類が豊富に展開されているからこそ、一人ひとりに合った製品選びが可能です。利用者本人はもちろん、介助者の視点も踏まえて安全性を確保できる介護ベッドを探しましょう。

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