「デイサービスはどんな人がサービスを受けられるの?」「デイサービスに通うメリットとは?」
上記のように、デイサービスとはどのような施設なのか気になっている方もいるでしょう。デイサービスは、老人ホームとは異なり、自宅から施設に通うサービスを指します。
本記事では、デイサービスの概要やどんな人がサービスを受けられるのか解説します。1日の流れやメリット、デメリットも紹介しているので、デイサービスが気になっている方はぜひご覧ください。
デイサービスとは
デイサービスとは、要介護認定を受け自宅で生活している方が、日中に施設へ通い、食事や入浴、機能訓練などを受けられる介護サービスです。通所介護とも呼ばれており、利用者の心身機能の維持・向上を図るとともに、ご家族の介護負担軽減も目的とされています。
ここからは、利用者の状態やニーズに合わせて選べる4つのデイサービスを紹介します。
なお、大阪を中心に、多数の高齢者向けの介護施設の情報を掲載する「いいケアネット」では、老人ホームに関する疑問やそれにまつわる情報を「いいケアジャーナル」で随時更新中です。
関連記事:デイサービス(通所介護)とは?メリットデメリットとデイケアとの違いを解説
一般的なデイサービス
一般的なデイサービスでは、多くの利用者が集い、交流しながらサービスを受けられるのが特徴です。なかでも、利用者の人数によって以下の4つのグループに分けられます。
施設の規模 | 利用者の人数 |
---|---|
大規模デイサービスⅠ | 月750~900人以内(1日あたり35~45人) |
大規模デイサービスⅡ | 月900人〜(1日あたり45人以上) |
通常規模デイサービス | 月750人以内(1日あたり35人以下) |
小規模デイサービス(地域密着型通所介護) | 月450人以内 (1日あたり18人以下) |
施設の規模が大きくなるほど利用者も増えるため、さまざまな方とコミュニケーションがとれるのが特徴です。社交的な方や賑やかな雰囲気が好きな方に向いています。
一方で通常規模デイサービスは、大規模デイサービスほど規模は大きくないものの、事業所の数は1番多くなっています。大規模デイサービスに比べると、落ち着いた雰囲気であり、事業所も多いため、ニーズに合わせて選びやすいのが魅力です。
また、人見知りや大人数が苦手な方は、小規模デイサービスがおすすめです。利用者の人数が少ないため、1人ひとりに合ったケアを受けやすい傾向にあります。
認知症対応型デイサービス
認知症対応型デイサービスは、名の通り認知症の症状がある方を専門的に受け入れているデイサービスです。少人数制で、認知症の症状や特性を理解した専門スタッフが対応します。
認知症の進行を穏やかにし、残された能力を活かせるような専門的なケアや機能訓練、レクリエーションが提供されます。利用者が混乱せず、安心して過ごせるよう、穏やかでなじみやすい環境づくりが重視されています。
リハビリ特化型デイサービス
リハビリ特化型デイサービスは、身体機能の維持・向上に重点を置いたデイサービスです。理学療法士や作業療法士などの専門職が常駐し、利用者の状態に合わせた個別機能訓練計画を作成し、集中的なリハビリテーションを提供します。
一般的なデイサービスに比べて、食事や入浴といった生活支援の提供が少なく、ほとんどの時間をリハビリテーションに費やすのが特徴です。自宅での生活の質を高めたい、身体機能の回復を目指したい方に適しています。
関連記事:リハビリができる介護施設はある?介護施設と医療施設のリハビリの違いを解説
療養型デイサービス
療養型デイサービスは、医療的ケアが必要な重度要介護者やがん末期、難病の方などを受け入れるデイサービスです。看護師や医療職が手厚く配置されており、医療機関との連携も密に行われています。
一般的な事業所では対応が難しい、経管栄養や痰の吸引、インスリン注射などの医療行為が必要な方も利用できるのが大きな特徴です。医療的ケアを受けながらも、日中は自宅から施設に通い、社会とのつながりを維持し、生活の質の向上を目指します。
デイサービスとデイケアの違い
デイサービスと似た介護サービスとして、デイケアがあげられます。デイケアとは、専門的なリハビリテーションに特化した施設であり、医師の指示のもと、理学療法士などが機能回復や維持のための訓練を提供します。
以下に、デイサービスとデイケアの違いをまとめました。
デイサービス | デイケア | |
---|---|---|
目的 | ・日常生活に必要な介護
・心身機能の維持 ・利用者同士のコミュニケーション |
身体機能の向上・改善、医療的なリハビリテーション |
提供場所 | ・介護保険サービス事業所 | ・医療機関併設の施設 |
サービス内容 | ・健康チェック
・食事提供 ・身体介護 ・機能訓練 ・レクリエーションなど |
・健康チェック
・医師の指示に基づく専門的なリハビリテーション ・食事提供 ・身体介護 ・医療的ケア |
特徴 | ・介護護サービスを受けながら、他の利用者と交流し、生活の活性化を目指す | ・医療職による専門的なリハビリテーションを受け、心身機能の維持・向上を目指す |
デイケアは、施設に通って日中にサービスを受ける点では共通していますが、目的や提供されるサービス内容に違いがあります。本人の心身の状態や必要なケアに合わせて、適切な施設に通うのが大切です。
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関連記事:デイケアのメリットとデメリットは?デイサービスとの料金の違いも解説
デイサービスはどんな人がサービスを受けられる?
デイサービスは、要支援1・2、要介護1〜要介護5の認定を受けた高齢者がサービスを受けられます。注意点として、要支援の方は地域支援事業における通所サービスを利用でき、介護保険サービスは受けられません。そのため、利用条件や回数などが要支援と要介護の方で異なります。
利用する事業所の種類によっても対象者や条件が異なるため、詳しくはケアマネジャーやお住まいの市区町村の窓口、地域包括支援センターに相談しましょう。
デイサービスで受けられるサービス
自宅で生活を続けながら、心身の健康維持・向上、社会的な交流を深められるようなサービスを受けられるのがデイサービスの特徴です。事業所の種類によって細かなサービスは異なりますが、基本的なサービスは変わりません。
ここでは、デイサービスで受けられるサービスを4つ紹介します。
身体介護
デイサービスでは、日常生活を送る上で利用者自身では難しい動作をサポートする身体介護が受けられます。主に食事・入浴・排泄などがあげられます。
例えば、嚥下能力が低下している利用者には、刻み食やとろみ食など、1人ひとりに合った食事形態で提供されるのが特徴です。
また、自宅での入浴が難しい方は、入浴サービスを受けている方も多くいます。施設には、安全に入浴できるよう手すりや滑り止めマットが設置されていたり、特殊浴槽が用意されていたりなど安全に入浴できる環境が整っています。
健康管理
利用者の健康状態を日常的に確認し、管理する健康管理もデイサービスで受けられるサービスの1つです。バイタルを測定したり、服薬の確認や管理をサポートを受けたりなどを受けられます。
かすり傷や痣などがある場合は、医師から指示されている薬を塗布するなど適切な処置も受けられます。
機能訓練
機能訓練とは、日常生活に必要な心身機能を維持・向上させるための訓練です。各事業所には、理学療法士や作業療法士などの専門職が常駐しており、個々の身体状況に合わせた訓練が行われます。
具体的な訓練内容としては、歩行訓練や体を動かすストレッチなどがあげられます。脳トレのような認知機能に働きかける訓練も、機能訓練の一環として提供され、利用者の身体能力や目的に応じた訓練を通じて、自立した生活を支援します。
レクリエーション
利用者が日中を楽しく過ごし、他者との交流を深めるためのレクリエーションも豊富に用意されています。
体を動かすレクリエーションとしては、風船バレーや椅子に座ってできる体操など、身体能力に合わせて楽しめる活動があります。頭を使うレクリエーションでは、間違い探し、クイズなど、認知機能の活性化につながる活動が代表的です。
さらに、ひな祭りやクリスマス、お花見といった季節ごとの行事や、誕生日会なども開催され、利用者同士の交流を深める貴重な機会も設けられています。
デイサービスの利用にかかる費用の目安
デイサービスの利用費は、一般的に1回1,000〜2,000円程度です。内訳としては、国が定める自己負担額と、保険適用外の費用です。主にデイサービスのサービス利用料は、公的介護保険が適用されますが、食事やおむつなどは保険適用外となり、自己負担となります。
ただし、国が定めている自己負担額は介護事業所や要介護度によって異なります。施設によっては公式サイトに利用料金が掲載されているため、確認してみましょう。
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関連記事:【デイサービス】介護認定なしの人は料金いくら?減額のポイントなどを解説
デイサービスでの1日の流れ
デイサービスにおける1日の流れは、施設やサービス内容、利用時間によって多少異なりますが、一般的には以下のようなスケジュールで進行します。
時間 | 内容 |
---|---|
8:30 | 送迎・バイタルチェック |
9:30 | 入浴 |
10:00 | 機能訓練・体操 |
12:00 | 昼食・口腔ケア・服薬サポート |
13:00 | 休憩 |
14:00 | レクリエーション |
15:00 | 休憩 |
16:30 | 送迎 |
一般的なデイサービス以外の、リハビリ特化型デイサービスや療養型デイサービスでは、上記以外により専門的なケアを受けられます。デイサービスの1日の流れが気になる方は、入所を検討している施設に問い合わせてみるのがおすすめです。
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デイサービスでサービスを受けるメリット
デイサービスを利用すると、家族以外との交流機会が増えたり、健康や生活の質が向上したりするのがメリットです。さらに利用者以外にも、家族の介護負担を軽減できます。
ここでは、デイサービスでサービスを受けるメリットを3つ紹介します。
他者との交流機会が増える
デイサービスに通うことで、利用者は家族以外の人と交流する機会を増やせます。施設にはさまざまな利用者が集まり、共通の趣味を持つ仲間と出会ったり、レクリエーションを通じて新しい友人を作ったりできるのがメリットです。
また、介護スタッフとの日常的なコミュニケーションも、社会とのつながりを維持する上で重要です。自宅に閉じこもりがちになると、孤独を感じたり、社会との接点が失われたりする可能性がありますが、デイサービスは精神的な健康を保つ役割もあります。
活気ある環境で他者と交流すると、利用者の気分転換や生活意欲の向上にも繋がります。
健康や生活の質が向上する
デイサービスでは、健康管理や機能訓練、レクリエーションなどさまざまなサービスが提供されるため、利用者の健康や生活の質が向上します。
機能訓練では、身体機能の維持や改善を促し、より自立した生活を送るためのサポートとなります。季節ごとのイベントや趣味活動など、心身を刺激するレクリエーションは、認知症予防や生活の質の向上を目指せるのです。
定期的にデイサービスに通い、ケアを受けることで、規則正しい生活リズムが生まれ、結果的に心身の健康が保たれやすくなります。
家族の負担を軽減できる
デイサービスの利用は、家族の負担を軽減できるのもメリットです。日中、利用者が施設で過ごす時間が、家族は介護から一時的に解放され、リフレッシュを図れます。
また、介護に関する悩みを施設の専門スタッフに相談できる機会も得られます。プロの視点からアドバイスやサポートをもらうことで、介護に対する不安を和らげ、安心して介護を続けていくための支えになるのも特徴です。
デイサービスは、ご本人だけでなく、ご家族の生活の質も向上させるサービスです。
デイサービスでサービスを受けるデメリットや注意点
デイサービスは利用者だけでなく、家族にも大きなメリットをもたらしますが、デメリットや注意点も伴います。人によっては、デイサービスが向いていなかったり、予算に合わなかったりするケースもあるため、注意が必要です。
デイサービスでサービスを受けるデメリットや注意点を見ていきましょう。
利用者のストレスになる可能性がある
デイサービスの利用は、利用者へのストレスになる可能性もあります。とくに、新しい場所や初めて会う人々に馴染むことに抵抗を感じる方は、最初は戸惑いや精神的な負担となりやすい傾向にあります。
利用者のストレスを軽減するには、事前に施設見学を行い、可能であれば体験利用をしてみるなどして、本人に合った環境かどうかを慎重に判断するのがおすすめです。
利用回数が多いと費用が高くなる
デイサービスの費用は、介護保険が適用される部分と、食費などの自己負担となる部分で構成されています。介護保険の自己負担額は、利用者の要介護度や利用時間によって決まりますが、利用回数が多くなればなるほど、当然ながら総費用は高くなります。
また、介護保険適用外のレクリエーション費用や特別なサービスを利用した場合も、追加費用が発生します。経済的な負担を考慮し、ケアマネジャーと相談しながら、予算に合わせた利用頻度やサービス内容を検討するのが重要です。
まとめ
デイサービス(通所介護)は、主に要介護認定(要支援1・2、要介護1〜5)を受けた方が利用できる介護サービスです。施設に通い、食事や入浴の身体介護、健康管理、機能訓練、レクリエーションを受けられます。
なお、デイサービスの利用費用は介護度や利用回数で変動します。利用者の状況やニーズに加え、予算も踏まえた上で適切な施設を選びましょう。
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