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潰れる介護施設の特徴5選!失敗しない施設選びのポイントも解説

近年、潰れる介護施設が増加しているのをご存知でしょうか?

東京商工リサーチの調査によると、2024年の介護事業者の倒産は、過去最多の172件にのぼります。

これは前年と比べ40.9%増加し、それまで最多だった2022年の143件を29件上回っています。

「親を預けている施設は大丈夫なのか?」

「これから施設を探すのに失敗したくない」と不安になる方もいるでしょう。

本記事では、潰れる介護施設に見られる特徴と、その背景にある主な理由、失敗しない施設選びのポイントなどについて解説しています。

施設選びに失敗したくない方の参考になるため、ぜひ最後までお読みください。

介護施設が潰れる3つの理由

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介護施設が潰れる主な理由は以下の3つにまとめられます。

  1. 介護報酬の改定と物価高騰による経営の圧迫
  2. 深刻な人手不足
  3. 経営計画の甘さと競争激化

ひとつずつ見ていきましょう。

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目次

1.介護報酬の改定と物価高騰による経営の圧迫

介護サービスの料金は国が定める介護報酬が基準のため、事業者は自由に料金を変更できません。そのため、光熱費や消耗品費などの物価高騰、人件費の上昇といったコスト増を価格に転嫁できず、利益を出しにくい構造です。3年ごとの介護報酬改定も、必ずしもコスト増を補えず、介護施設の収入の柱である基本報酬が下がる場合もあります。これにより赤字経営となり、資金繰りが悪化する施設が増えています。

2.深刻な人手不足

介護業界は、スタッフの採用難と高い離職率により深刻な人手不足な状態です。人手が足りないと、法律で定められた人員基準を満たせず、サービスの提供や受け入れを制限せざるを得なくなってしまいます。サービスの質を維持しようとすると、残ったスタッフの負担増加を招き、さらなる離職につながる悪循環に陥ります。とくに処遇改善加算を取れない施設は、他の事業所よりも給料が低くなりがちなため、人材確保がより困難になるでしょう。

3.経営計画の甘さと競争激化

高齢者増加を見込んだ安易な参入が増え、施設間の競争が激化しています。十分な経営計画や資金力がない事業者や、小規模な施設は競争に耐えきれず、倒産しやすい傾向にあります。事業拡大の失敗による入居者不足や、変化する利用者のニーズに対応できないことも経営悪化の原因です。経営者の経験不足や能力不足、ずさんな経営が閉鎖につながるケースも少なくありません。

潰れる介護施設の特徴5選

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潰れる介護施設にはいくつかの共通する特徴があります。ここではとくに注意が必要な5つの特徴を解説します。

スタッフに笑顔が少なく、いつも忙しそう

スタッフの表情に笑顔がなく、疲れた様子が見られたり、いつも忙しそうで余裕が感じられなかったりするのは注意信号です。面会に行っても挨拶がなかったり、フロアでスタッフを見かけなかったりする場合もあります。この状況は慢性的な人手不足や過重労働、低いモチベーションの表れかもしれません。スタッフが心身ともに疲弊している状況では、入居者一人ひとりへの丁寧なケアや温かい対応は期待できません。

清掃が行き届かず、設備も古いまま放置している

玄関や共有スペース、居室などが整理整頓されておらず、清掃が行き届いていないのは危険信号です。

  • 壁紙が剥がれたまま
  • 壊れた椅子や車椅子などの備品が放置されている
  • 機械浴やセンサー類が故障したまま修理されない

このように、必要な修繕や設備投資が行われていない場合も注意が必要です。人手不足や資金不足、管理意識の低さを示している可能性があります。

食事やイベントなど、サービスの質が低下している

以前と比べて食事の品数が減ったり、メニューが単調になったり、見た目にも質素になったと感じる場合、食費を削っている可能性があります。また、入居者の楽しみであるレクリエーションや季節のイベントなどが減ったり、内容が簡素化されたりするのも、コスト削減や人手不足の影響かもしれません。こうしたサービス低下は、経営難のサインであると同時に、入居者の生活の質にも直結します。

施設長やその他の責任者の入れ替わりが激しい

施設の運営方針を決定し、現場をまとめる施設長や部長などの責任者が、短期間で頻繁に交代する場合も注意が必要です。経営状況をよく知る立場の人が、将来性を不安視して次々に辞めている可能性があります。また、責任者が定まらないと運営方針も安定せず、内部が混乱しているサインかもしれません。入居者や家族にとっても、相談相手が定まらず不安を感じる原因になります。

空室が目立ち、施設全体の活気がない

施設内で空いている部屋が目立ったり、見学時に尋ねた入居率が定員に対して著しく低かったりする場合、経営がうまくいっていない可能性があります。また、施設全体が静まり返っていて活気がなく、入居者同士やスタッフとの交流が少ない、入居者の表情が乏しく、うつむき加減な方が多い、といった雰囲気も要注意です。ケアの質が低く、入居者が生き生きと過ごせていない状況を示しているかもしれません。

失敗しない施設選びの3つのポイント

外出 老人ホーム 注意点

失敗して潰れる施設を選んでしまうことのないよう、押さえるべきポイントがあります。ここでは、失敗しない施設選びの3つのポイントについて解説します。

1.情報を収集する

施設選びには、施設の情報を幅広く集めることが大切です。インターネットの介護施設検索サイトや各施設の公式ホームページ、地域の評判などに加え、公表されていれば第三者評価も客観的な参考になります。ケアマネジャーや地域包括支援センター、など専門家の意見を聞くのも良いでしょう。ひとつの情報源に頼らず、客観的に比較検討することが大切です。

2.施設見学をする

資料だけではわからない施設の実際の雰囲気を確認するためには見学するのがもっとも有効です。できれば複数の施設を訪問し比較検討するのがおすすめです。スタッフの表情や入居者への接し方、入居者の様子、施設の清潔感、設備の状況などを自分の目でしっかり確認します。感染症対策で見学に制限がかかっている施設もあるため、事前に日程調整をして見学するようにするのがおすすめです。

3.検討だけは早期にはじめる

いざ介護が必要になってから慌てて探し始めると、情報不足や焦りから冷静な判断ができず、失敗しやすくなります。とくに入院先の病院から、期限の都合で早く施設を探すよう迫られる際は注意が必要です。情報収集から見学、比較検討、契約までには想像以上に時間がかかるものです。元気なうちから、少しでも早く検討を始めることで、選択肢も広がり、親子で納得できる、本当に合った施設を見つけやすくなります。

施設入所について検討したいけどなにからはじめていいかわからない方は、施設の紹介サイトを活用するのがおすすめです。いいケアネットでは多数の高齢者向けの介護施設の情報を掲載しています。無料で利用できるので、施設選びで失敗したくない方は、お気軽にご相談ください。

まとめ

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潰れる介護施設が増えるなか、安心して親を任せられる施設選びはますます重要です。本記事では、注意すべきサインや失敗しない施設の選び方のポイントなどについて解説しました。不安を感じるかもしれませんが、ポイントを押さえて慎重に進めれば、きっと良い施設が見つかるでしょう。

家族だけで介護施設を探すのがむずかしい方は、老人ホーム紹介サイトの活用がおすすめです「いいケアネット」では、専門の相談員が、条件にあった施設選びのサポートを無料でおこないます。まずはお気軽にご相談ください。

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よくある質問

ここでは、潰れる介護施設の特徴について、よくある質問をまとめています。

劣悪な介護施設はどうやって見分ければ良いですか?

劣悪な施設には、スタッフの様子や施設の環境、サービスの質などに危険なサインが現れがちです。例えば、スタッフの表情が暗く疲れていたり、挨拶もなく対応が乱暴だったり、施設内が不衛生で悪臭がしたり、設備が壊れたまま放置されている場合も要注意です。食事やレクリエーションの質が著しく低い、入居者に活気がなく放置されているなどの様子が見られることもあります。見学時にこれらの点を自分の目でしっかり確認し、口コミや第三者評価も参考にすると良いでしょう。

潰れる介護施設に前ぶれはありますか?

スタッフの様子や清掃状況、サービスの質の変化など、何らかのサインがあるでしょう。これらは経営悪化を示唆している可能性もあります。急な変化だけでなく、日頃から施設の様子に関心を持ち、小さなサインを見逃さないことが大切です。

監修者

一般社団法人全国介護事業者連盟 理事長会

斉藤 正行

一般社団法人全国介護事業者連盟理事長。立命館大学卒業後、複数の介護関連企業で要職を歴任し、日本介護ベンチャーコンサルティンググループを設立。講演活動やメディア出演も多数。

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