「介護付きマンションの費用はどれくらいかかるの?」「どんなサービスが受けられるの?」という疑問の解消は、将来の計画を立てる上で欠かせません。
この記事では、介護付きマンションの基本から費用、サービス内容までをわかりやすく解説します。また、他の施設との違いや、介護付きマンションのメリットとデメリットについても触れ、あなたにとって最適な選択肢を見つける手助けをします。
安心して親をサポートできる環境は、今後のあなたの生活に大きな影響を与えます。この記事を読むことで、介護付きマンションに関する疑問が解消されるでしょう。
介護付きマンションとは
介護付きマンションは、自立した高齢者向けのマンションです。以下では詳細な説明や入居条件について解説します。
介護付きマンションとは?
介護付きマンションは「シニア向け分譲マンション」とも呼ばれ、自立した生活を送りつつ、必要に応じて多様なサービスを受けられるマンションです。
コンシェルジュ(管理人)が常駐しており、日常の食事や掃除、洗濯などの生活支援から、健康管理や緊急時の対応まで、高齢者の細かなニーズに応える体制が整っています。また、フィットネスジムや温泉などが併設されている物件もあります。
介護付きマンションは、自分のペースで生活をしながら適切なサポートを受けられる選択肢といえるでしょう。
介護付きマンションの入居条件
介護付きマンションは、原則として身の回りのことを自分でできる健康な高齢者が入居対象です。なぜなら、介護付きマンションは自立した生活を送ることができる高齢者を想定して設計されており、介護サービスが提供されないためです。
また、多くの場合、入居者の年齢には下限が設定されており、60歳以上あるいは50歳以上など、施設によって異なります。夫婦での入居を考えている場合も、双方がこの年齢基準を満たしている必要があります。
介護付きマンションは、現時点で介護サービスが必要な方には向かないかもしれません。しかし、健康で自立した生活を送ることができる高齢者には、快適な居住環境となるでしょう。
介護付きマンションの費用
介護付きマンションの費用相場は3,000万円〜1億円で、物件によりさまざまです。費用は大きく分けて、初期費用と月額利用料、さらに追加の介護サービス利用時の費用に分けられます。
以下では月額利用料と初期費用、介護サービスを利用する場合の費用、そして費用を抑える方法について解説します。
月額利用料と初期費用
介護付きマンションの月額費用は約10~30万円が相場です。この費用には食費、管理費、水光熱費、修繕積立金などが含まれています。
また、入居時には、バリアフリー対応やその他多数のサービスが提供されることから、一般的な分譲マンションと比べて高額な初期費用が必要で、3,000万円〜1億円が相場となります。
介護付きマンションでの生活には相応の経済的余裕が必要ですが、提供されるサービスや設備を考慮すれば、その費用には十分な価値があるといえるでしょう。
介護サービスを利用する場合の費用
介護や医療サポートが必要になった場合は別途費用がかかります。これは、介護付きマンションの月額利用料や初期費用に含まれていないからです。
具体例としては、介護保険の自己負担分や、介護サービスを提供する外部事業所への支払いがあります。入居後に認知症を発症したり、医療ケアが必要になったりと、自立した生活が難しくなった場合は、介護保険の自己負担分などの費用が発生します。
介護付きマンションで安心の生活を送るためには、介護が必要になった際の費用にも備えておきましょう。
費用を抑えるためには
費用を抑える方法としては、中古物件を検討するという選択肢があります。中古物件を選ぶことで、相場を下回る価格で購入可能な場合があります。
例えば、中古物件では1000万円台で購入できることがあります。介護付きマンションは比較的新しい市場であるため、中古であっても築年数が浅い物件があり、十分な品質を期待できます。
さらに、住宅ローンの利用が可能ですが、返済完了時の年齢上限を設けているものもあるため、この点は注意が必要です。
介護付きマンションで受けられるサービス
介護付きマンションでは主に、生活支援や緊急時対応などのサービスが受けられます。気になる介護サービスもあわせて以下で解説していきます。
基本的な生活支援
介護付きマンションでは、基本的な生活支援が提供されます。
高齢になると、今までできていた日常の雑事が思うようにこなせなくなることがあります。例えば、ちょっとした買い物や家の掃除洗濯など、若い頃は問題なくこなせていたことが、年齢を重ねると負担に感じるようになります。
介護付きマンションでは、この点に配慮して、コンシェルジュが24時間常駐しているところがほとんどです。これにより、クリーニングや宅配の荷物の取次ぎ、さらには荷物運びまで、日常生活のサポートを総合的に受けることができます。
緊急時の対応
介護付きマンションでは、緊急時の対応が充実しています。元気に暮らしていても、年齢を重ねると予期せぬ状況が起こり得ます。そのため、緊急時の迅速な対応は不可欠です。
例えば、入居者が体調を崩した際には、マンションのフロントスタッフが家族へ速やかに連絡してくれます。さらに緊急を要する場合には、救急車を手配したり、かかりつけの医師へ連絡を取るなど、適切な手段を講じてくれます。
家族が遠方に住んでいたり、仕事が忙しかったりと、日々の様子を細かくチェックできない場合でも、安心して生活できるでしょう。
介護・医療は外部サービスを利用
介護・医療サービスは、外部の事業者と契約する必要があります。介護付きマンションは介護施設ではないため、食事・入浴・排泄といった介護サービスは充実していません。
もし、入居後に認知症を発症した場合、外部の介護事業者と契約して、訪問介護や訪問看護を利用できます。多くの物件では、外部の介護事業者と提携し、介護サービスが受けやすい体制を整えています。また、物件によっては別フロアに設置された介護棟で、介護サービスを受けることも可能です。
介護・医療サービスを外部の事業者と契約することで、各自が求めるサービスを柔軟に、そして適切に受けることが可能となるでしょう。
介護付きマンションのメリットとデメリット
介護付きマンションを快適に利用するためには、メリットとデメリットを理解することが大切です。以下で、それぞれ解説します。
介護付きマンションのメリット
介護付きマンションのメリットには、自由な生活ができることや、見守りや緊急対応などのサービスが整っていること、さらに資産としての価値も挙げられます。
介護付きマンションでは、自分の住まいとして自由な生活を送りながら、必要なサポートを受けられます。見守りや緊急対応サービスが整っているため、安心して生活を送ることができるでしょう。
また、介護付きマンションは資産としての価値があり、相続や売却が可能です。これは、将来の計画を立てやすくする要素となります。例えば、家族の状況が変わった時に売却し、その資金を別の介護サービスへの投資に回すことも可能です。
介護付きマンションは自由な生活を送りつつ、必要なサポートが受けられる点、そして資産としての価値がある点で、高齢者にとってメリットが大きい選択肢といえるでしょう。
介護付きマンションのデメリット
介護付きマンションのデメリットは、初期費用が高いことや、要介護度が増すと住み続けられなくなる点が挙げられます。さらに、年齢制限が設けられていることもデメリットとなり得るでしょう。
前述のとおり、入居時には数千万から数億円の購入費用が必要になることもあり、経済的な余裕が不可欠です。また、要介護度が高まれば、もっと専門的な介護サービスを受けられる施設への移動を検討すべきでしょう。
入居条件として設けられた年齢制限も重要なポイントです。この年齢基準を満たさなければ、そもそも入居ができないため、選択肢が狭まります。
これらのデメリットを理解したうえで、介護付きマンションへの入居を検討しましょう。
ほかの施設との違い
以下では、介護付きマンションと混同しやすい有料老人ホームやサービス付き高齢者住宅との違いについて、簡単に解説していきます。
有料老人ホームとの違い
有料老人ホームとの違いとしては、権利形態の違いが挙げられます。有料老人ホームでは「利用権」に対して費用を支払うため、資産として自分のものになるわけではありません。一方、介護付きマンションは、マンションという資産を購入します。
しかし、すでに認知症や日常的な介護が必要な状態にある場合、有料老人ホームでは24時間体制で、専門的なスタッフによる介護を受けられます。この点は、介護スタッフが常駐していない介護付きマンションとの大きな違いとなるでしょう。
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サービス付き高齢者向け住宅との違い
介護付きマンションとサービス付き高齢者向け住宅の主な違いは、後者が賃貸物件である点です。一方で介護付きマンションは、所有権を購入する形となります。
サービス付き高齢者向け住宅は、介護が必要な方とそうでない方を対象とし「介護型」と「一般型」という2種類が存在します。介護型は、終身利用できますが、一般型は賃貸借契約です。介護型では介護スタッフが常駐し、継続的な介護サービスを受けられます。初期費用は、一般型で数十万円、介護型で数百〜数千万円が相場です。
また、年齢制限も設けられており、60歳以上の高齢者が入居対象です。ただし、要介護認定を受けていれば60歳未満でも入居できます。
将来介護が必要になった時に備えて、どの形態が最適かをよく考えて、選択することが大切です。
介護付きマンションの費用【まとめ】
では、今回のまとめです。
介護付きマンションの費用は月額利用料と初期費用に分けられます。多くの場合、入居時には3,000万円〜1億円の初期費用が必要です。また、月額費用として、約10~30万円の継続的な費用がかかります。介護付きマンションは高額な費用が必要ですが、マンションという資産を購入するため、将来的に相続や売却も可能です。
ただし、介護付きマンションは自立した高齢者に向けた住宅であるため、現在介護が必要な方は入居できない可能性があります。入居後に要介護状態が進行した場合は、提携された外部の介護事業者と契約し、介護サービスを受けられます。また、介護棟が設置された物件もあるため、今後介護が必要になることを想定した物件選びが大切です。
有料老人ホームや介護型サービス付き高齢者向け住宅などの、介護サービスが受けられる施設と比較して、最適な住まいを選択しましょう。
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この記事の監修者
いいケアネット事務局
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