介護保険申請のタイミングが気になる人も多いのではないでしょうか。
入院中・在宅介護時・身体状況に応じて、それぞれの状況に合ったタイミングで介護保険申請が重要です。
本記事では、介護保険申請の流れから必要な書類、対象者の条件など、申請に関するすべての情報を解説しています。
記事を読み終えると、介護保険申請の不明点が解消され、スムーズに申請が進められます。
大阪を中心に、多数の高齢者向けの介護施設の情報を掲載する「いいケアネット」では、老人ホームに関する疑問やまつわる情報を「いいケアジャーナル」で随時更新中です。
【基礎知識】介護保険申請には要介護認定を受ける必要がある
介護保険申請をするには、前提として要介護認定を受けなければいけません。
要介護認定とは、介護保険のサービスを受ける際、希望者に対してどのサービスを提供すべきなのか、判断するための認定です。
要介護認定には以下のような区分を定めています。
区分 | 概要 |
要支援1〜2 | ある程度は自力で日常生活が送れる。
多少の介助が必要になる。 |
要介護1〜5 | 日常生活を送るには不自由がある。 |
上記、7段階に分けられており、原則40歳以上の人であれば加入できるのが介護保険です。
65歳以上の人には介護保険被保険者証が交付されるものの、介護保険申請するには上記、要介護認定を受けるのが条件です。
以下の記事では、介護保険サービスを受けると何ができ、何ができないのかをまとめているので、ぜひあわせてご覧ください。
関連記事:介護保険サービスで「できること」・「できないこと」
介護保険申請するのにおすすめのタイミング
介護保険申請のタイミングは重要な問題です。
入院中や在宅介護時、身体の状況など、さまざまな状況が申請のタイミングに影響を及ぼします。
以下では、具体的な申請のタイミングをケースに分けて詳しく説明します。
入院中より退院後がベスト
入院中であっても介護保険の申請自体は可能ですが、退院の1〜2カ月前が申請のベストなタイミングとなります。
介護保険と医療保険は同時に利用できないため、入院中には利用できません。
申請から調査を経て認定されるまでに約30日かかるため、保険の利用は計画的に進めましょう。
また、介護保険の申請にあたって、病院のソーシャルワーカーや主治医と相談して必要な手続きを進めましょう。
遠方に住んでいる場合、郵送による申請も可能です。
退院の準備とあわせて、介護保険申請を進めていきましょう。
在宅介護時が必要に感じたタイミング
日常生活において介護が必要だと感じる機会が増えてきたら、介護保険を申請するタイミングです。
認知症、脳卒中、骨折などの要介護状態になった際、自分で食事や排せつができなくなったタイミングで考えましょう。
具体例としては、以下のケースが挙げられます。
- 身の回りのことが困難になった
- 介助が必要になった
- 物忘れが激しくなった
- うつの症状がみられるようになった
また、家族や親族の勧めによって介護保険申請を踏み切るのもよくあるケースです。
介護を受けるのに抵抗がある人もいますが、早めに介護保険申請しておけば、必要なサポートを必要なときに受けられます。
以下の記事では、介護が必要になったら何をすべきかまとめているので、ぜひ参考にしてください。
認知症や骨折などの身体状況で判断
身体状況から申請のタイミングを判断する際、代表的な症状としては認知症や骨折・転倒が挙げられます。
日常生活上の世話が必要になるため、家族だけでの介護では生活が難しくなるケースが多いからです。
たとえば、認知症により排せつの自己管理が困難になったり、骨折により食事や入浴のサポートが必要になったりする場合があります。
身体状況に応じて、専門の支援が必要になるタイミングで介護保険申請を検討しましょう。
介護保険に申請できる人の条件
介護保険の申請は、年齢や健康状態によって対象者が異なります。65歳以上の人と40〜64歳で特定の疾病を持つ人が対象となっています。
具体的にどのような人が申請できるのか、以下で見ていきましょう。
65歳以上の人
要介護状態や要支援状態にある65歳以上の人は介護保険の対象となり、介護サービスが利用できます。
要介護状態とは寝たきりや認知症のように、普段の生活で介護が欠かせない状態を指します。
要支援状態は、生活上の支援が必要なレベルです。
65歳以上で、日常生活を送るのが困難な状態にある人は、第1号被保険者として介護保険を利用できます。
特定疾病の40~64歳の人
40歳から64歳までの方でも、特定の疾病を持つ場合、介護保険を利用できます。
第2号被保険者となる年齢層は、16種類の「特定疾病」に該当すると、特例として介護保険の利用が認められます。
たとえば、末期がんや若年性認知症などが特定疾病です。
末期がんや若年性認知症などの疾患は、若い年齢でも介護が必要になるケースが多いため、特例として認められます。
以下の記事では16種類の特定疾病について詳しく列挙しているので、あわせて参考にしてください。
関連記事:訪問看護のしくみ【PART1】 ~特定疾病(16特定疾病)、別表7について~
介護保険申請で必要なもの一覧
介護保険の申請を進めるためには、いくつかの重要な書類が必要になります。
以下の表では介護保険申請で必要な書類の詳細をまとめたので、ぜひ参考にしてください。
書類 | 概要 |
要介護認定申請書 | 介護が必要かを判断するための申請に必要な書類。
市区町村の窓口や地域包括支援センターで入手可能。 |
介護保険被保険者証 | 65歳以上の第1号被保険者に交付される。
65歳未満でも、特定の疾病を持つ第2号被保険者には介護保険被保険者証が交付される。 |
健康保険被保険者証 | 40歳から64歳で第2号被保険者に該当する場合に必要な証明書。 |
主治医の意見書 | 市区町村の依頼を受けて主治医が意見書を作成する。
診察券のように主治医がわかる情報があると、手続きがスムーズになる。 |
身分証明書 | 【写真付き公的身分証明証】
マイナンバーカード、運転免許証、パスポート、住基カード、障がい者手帳などのいずれか1点 【写真なし公的身分証明証】 介護保険被保険者証、医療保険被保険者証、介護保険負担割合証のうち、いずれか2点 |
介護保険申請からサービス利用までの流れ
介護保険申請は、要介護認定を申請するところからサービスの利用が始まるまで、いくつかの段階に分けて進められます。
以下では、申請の具体的な手順と注意点を説明します。
参考:厚生労働省「サービス利用までの流れ」
ステップ1.市区町村へ要介護認定を申請
要介護認定の申請は、年齢や病状などの条件を確認し、必要書類を用意して市区町村に提出します。
申請ができる方の条件は、65歳以上の高齢者で、特定疾病があれば40歳以上でも可能です。
必要書類として、介護保険認定申請書や健康保険被保険者証などを用意します。
かかりつけ医がいる場合は意見書も必要です。
介護保険の申請時には、適切な書類の用意と、必要条件を満たしているかの確認をしましょう。
なお、本人や家族が介護保険申請をするのが困難な場合、以下の職員による代行申請も可能です。
- 地域包括支援センター
- 居宅介護支援事業所
- 介護保険施設(施設に入所中のみ代行可能)
市区町村によっては、委任状が必要なケースもあるため、代行申請を活用する人は事前に介護保険課へ問い合わせておきましょう。
ステップ2.訪問調査
訪問調査では、市区町村の担当者やケアマネージャーが申請者の状況を確認します。
調査は自宅や入院先などでおこなわれ、身体機能や生活機能、認知機能などを調査します。
ほかにも、精神・行動障害や社会生活への適応、過去2週間に受けた特別な医療が調査対象です。
たとえば、寝返りや起き上がりだけでなく、自身の生年月日が言えるかなどを確認します。
訪問調査は正確な情報提供が求められるため、必要な情報を漏れなく伝えられるよう、あらかじめ情報を整理しておきましょう。
以下の記事では、訪問調査を含めて要介護認定を正しく判定してもらうコツをまとめているので、ぜひあわせてご覧ください。
ステップ3.一次判定
一次判定は、医師の意見書や訪問調査結果を基にした調査段階です。
認定調査員が訪問調査と主治医意見書を基に、大量のデータから要介護度を推計します。
ここでは「1分間タイムスタディ・データ」を用いて分析がおこなわれます。
「1分間タイムスタディ・データ」とは、介護度判定の正確さを確保するための調査データです。
1分間タイムスタディ・データは「どれくらい介護サービスをおこなう必要があるか」を判断する基準として、以下の時間を設定しています。
要支援1 | 25分~32分未満 |
要支援2
要介護1 |
32分~50分未満 |
要介護2 | 50分~70分未満 |
要介護3 | 70分~90分未満 |
要介護4 | 90分~110分未満 |
要介護5 | 110分以上 |
特参考:厚生労働省「要介護認定はどのように行われるか」
ステップ4.二次判定
二次判定では、一次判定結果などを基に、専門家のグループで審査がおこなわれます。
具体的には、介護、保険、医療、福祉などの分野の専門家5名程度で構成された介護認定審査会により審査を実施します。
一次判定のデータや主治医の意見などを踏まえて、多角的に審査を実施しているのが特徴です。
二次判定は多岐にわたる専門知識を持つ人々により審査される重要なステップといえます。
ステップ5.要介護認定の通知
要介護認定の結果通知は、申請日から30日以内に利用者のもとへ送られます。
認定結果は「非該当(自立)」から「要介護1〜5」までのいずれかが通知されます。
結果通知書と被保険者証には要介護度が記載されているので、必ず目を通しておきましょう。
もし、結果が不服な場合、市区町村役場に相談し、それでも納得できない方は、都道府県の審査会へ審査請求が可能です。
ステップ6.ケアプラン作成
要介護認定後は、ケアプランを作成して自治体に提出する必要があります。
ケアプランは「どのサービスをどれだけ利用するか」の計画書で、要支援1〜2や要介護1〜5で利用できるサービスが異なります。
要支援1〜2の認定で利用できる介護サービスとしては、訪問介護やデイサービス、ショートステイが代表的です。
なお、特養や老健などへの施設入所はできません。
要介護認定を受けた場合は、原則すべてのサービスが利用できます。
ケアプランの作成は専門的な知識が必要なため、ケアマネジャーに相談しましょう。
ステップ7.サービス利用開始
ケアプランの認定後、介護サービスの利用を開始できます。
サービス提供事業者との契約が完了し、ケアマネジャーと連携して必要なサービスを利用します。
たとえば、週2回の訪問介護や月に1回のデイサービスなど、ケアプランに基づいて介護サービスを利用できるのです。
なお、ケアプランに含まれない介護サービスは受けられません。
もし受けたいと考える介護サービスがある場合は、ケアマネジャーに相談する必要があります。
いいケアネットでは、皆様の快適な施設探しを全力でサポートしています。
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介護保険申請における注意点
ここからは介護保険申請のタイミングではなく、申請時の注意点を紹介します。
スムーズに介護保険を利用し、申請後にトラブルが起きないよう、ぜひご覧ください。
申請からサービス利用まで時間がかかる
介護保険申請のタイミングを考える際、申請からサービス利用までの時間を考慮しておく必要があります。
要介護認定には、申請日から最大で30日かかります。
つまりサービスを利用したい日から逆算する必要があるのです。
要介護認定の結果によっては、サービス費用が全額負担になったり利用できるサービスが限られたりする点も注意が必要です。
暫定的なケアプランを作成する際、認定結果に納得がいかないケースもあるため、どの結果になっても良いよう、ケアマネジャーに相談して決めましょう。
介護保険被保険者証には有効期限がある
介護保険申請をするため、要介護認定を受けたとしても、認定の結果には以下のような有効期限が定められています。
- 初回認定:6カ月
- 2回目以降:12カ月
市区町村の判断によっては、初回の場合3〜12カ月になったり、更新認定で最大4年の期間を決められたりします(月単位で設定)。
なお、介護保険のサービスを更新する際、有効期限の満了日前日から60日前には更新手続きができるので、有効期限を確認しておきましょう。
病状が悪化してしまった方は、更新期間まで待たずに再申請できるので、介護度に応じて介護保険申請のタイミングを見計らいましょう。
以下の記事では介護保険被保険者証の交付や利用方法などを詳しく解説しているので、ぜひご一読ください。
関連記事:介護保険証の交付はいつ?利用のしかたや紛失・情報変更時の手続き方法
介護保険の申請や更新をしないとサービスが利用できない
有効期限が切れてしまった場合、要介護認定を新規で申請しなければいけなくなり、更新前に受けられていたサービスが利用できなくなるケースがあります。
そもそも介護保険のサービスは、要介護認定を受けた方を対象にしています。
つまり、申請や更新をしていないと、介護保険のサービスを受ける対象であると証明できなくなってしまうのです。
介護保険申請を1回すれば良いのではなく、初回の場合は最短3カ月で更新手続きをしなければいけない点を覚えておきましょう。
介護保険申請のタイミング【まとめ】
介護保険申請のタイミングは、入院中・在宅介護時・身体状況によって異なり、適切な時期に申請する必要があります。
申請後は、調査日から認定されるまでに約30日かかるため計画的に進めましょう。
また、申請に必要なものは、要介護認定申請書・介護保険被保険者証・健康保険被保険者証・主治医の意見書・身分証明書などがあります。
申請対象者は65歳以上の人、または40〜64歳で特定の疾病を持つ人です。
本記事を参考に、適切なタイミングでの申請を進め、必要なサポートを受ける準備をしましょう。
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この記事の監修者
いいケアネット事務局
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