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【コロナ後の変化】老人ホームで面会できない?現在のルールを解説

厚生労働省の通知に基づいて老人ホームの面会制限は次第に緩和され、現在は多くの施設で面会可能です。

2025年4月現在では、施設ごとの方針やルールに基づいて、対面やオンライン、ついたて越しなど、多様な面会方法が選べるようになっています。

とはいえ、面会方法の種類や事前予約の有無、面会時の感染対策などの面会ルールは施設によって異なります。

本記事では、対面・オンライン・ついたて越しの面会方法や施設ごとの予約システム、時間制限などの最新ルールの傾向を詳しく解説します。面会に関する疑問や不安を解消できる内容となっていますので、参考にしてみてください。

【コロナ後】老人ホームで面会できない状況は次第に緩和され続けている

新型コロナウイルス感染症の流行初期である2020年頃は感染防止のため、ほとんどの老人ホームや介護施設で厳しい面会制限が設けられました。

コロナ期は多くの施設で家族であっても原則として面会が禁止となり、緊急時のみ限定的に許可される施設が多かったです。

しかし、厚生労働省が公表した「新型コロナウイルス感染症の下での通いの場の取組の推進」による呼びかけをきっかけに、徐々に規制が緩和され始めました。

この通知では「ウィルス感染の防止と、家族や友人との面会による安心感や生きがいを守ることのバランスを取る」という点が重要視されています。

また、入居者もご家族もワクチン接種が済んでいる、あるいはPCR検査などで陰性が確認できている場合は、アクリル板なしの対面での面会も可能になるという指針も出されました。

これにより、手を握ったり、近い距離で会話したりできる機会が増えました。

現在では、各施設のルールのもとで面会ができるようになっていますが、アルコール消毒やマスクの着用を義務化している施設は今もまだ多い傾向にあります。

老人ホームでできる面会の種類

コロナをきっかけに、老人ホームにおける面会方法の多様化が進みました。とくに多い面会の種類としては、以下の3つがあります。

  • 対面での面会
  • ビデオ通話のようなオンライン面会
  • ついたて・ガラス越しの面会

従来の対面だけでなく、オンラインやついたて越しの面会など、さまざまな選択肢が定着しました。

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目次

面会方法1:対面

対面での面会が許可される老人ホームは増えてきています。

基本的には、面会前の手指消毒や検温、マスク着用などの基本的な感染対策が必須な施設が多いです。

面会場所については、施設によって大きく異なります。

大広間での面会が基本の施設もあれば、プライバシーに配慮して専用の面会室を設置している施設・入居者の居室での面会を許可している施設もなどもあります。

面会場所は、施設ごとの感染リスクの考え方と入居者のプライバシーのバランスによって決められます。

面会方法2:ビデオ通話のようなオンライン面会

オンライン面会は、施設に直接足を運ばなくても面会できる方法として定着しました。

施設から遠方に住んでいたり、仕事の都合で面会時間に合わせられなかったりする家族にとって、対面ではなくとも家族と交流できる面会方法です。

施設側にとっても感染リスクを抑えられるメリットがあります。

LINEのビデオ通話やZoomなど一般的なビデオ通話アプリを活用している施設が多く、特別な機器を導入せずとも実施可能です。

厚生労働省も「高齢者施設等におけるオンラインでの面会の実施について」という通知をだし、オンライン面会の活用を推奨しています。

面会方法3:ついたて・ガラス越しの面会

アクリル板やガラス越しの面会は、コロナ禍の象徴的な面会方法として広く導入されました。

現在でも多くの施設で採用されている面会方法の1つです。普段は対面で面会可能でも、地域の感染者数が多い時期や、感染症が流行しやすい冬に限定的に導入する施設もあります。

ついたて・ガラス越しの面会は、透明な仕切りを設けて飛沫感染を防ぎつつ、対面での会話や表情を見られるのがメリットです。

老人ホームで面会する際の基本的なルール

2025年4月時点現在では、ほとんどの施設で一定の感染対策を前提に面会できます。

老人ホームで面会する際に意識すべき5つのルールについて紹介します。

  • 感染対策
  • 事前予約の有無
  • 面会時間
  • 面会頻度
  • 手土産の条件

それぞれごとのルールのポイントをチェックしていきましょう

感染対策

コロナが5類感染症に移行した後も、大抵の施設では感染対策を継続しています。

一般的には以下のような対策が求められています。

  • 入館時の手指消毒
  • 検温及び検温結果の報告
  • マスク着用

面会時のマスク着用については、「必須」から「推奨」に変更した施設も増えていますが、依然として必須としている施設も少なくありません。

入館時の手指消毒や検温は、広く継続されています。

とくに季節性インフルエンザなどの感染症が流行する冬季には、追加の感染対策が実施される場合が多いです。場合によっては、ワクチン接種の有無を確認される施設もあります

事前予約の有無

施設によってさまざまですが、面会に事前予約が必要な施設も多数あります。これは感染対策の一環として、同時に多くの面会の集中を避けるのが目的です。

予約なしで面会できる施設もありますが、その場合でも面会者が集中する時間帯には待ち時間が発生する場合もあります。

予約方法は施設によって異なるため、事前に予約の必要性や方法を確認しておきましょう。

電話での予約を受け付けている施設が多いですが、Webフォームやメールでの予約システムを導入している施設も増えています。

面会時間

面会時間に指定がある老人ホームもあります。

時間帯や曜日によって面会可能な時間が決められている場合もあるため、事前確認が求められます。

また、感染予防や混雑を防ぐため、一度に面会できる人数を制限している施設も少なくありません。

たとえば「一度の面会は2名まで」といった決まりです。

面会時間・人数制限を事前に確認し、スムーズな面会につなげましょう。

面会頻度

面会頻度については、施設からの制限はあまり設けられていません。

ただし、面会が予約制の場合は他の家族の予約状況の兼ね合いで希望通りに面会できない場合もあります。

ケアスル介護によりおこなわれた2023年の調査によると、月に1回から3回程度の面会がもっとも多く、次いで週1回から2回程度と高頻度で面会している家族も多いとわかりました。

面会は入居者とのコミュニケーションに欠かせませんが、入居者の健康状態や家族の都合に合わせて、無理のない頻度で面会するようにしましょう。

手土産の条件

面会時の手土産については、施設ごとにルールが異なるため事前に確認を取りましょう

一般的には以下のようなルールが設けられています。

  • 飲食物の持ち込みは原則禁止
  • 常温保存可能な食品のみ持ち込み可能
  • 面会時にその場で食べる場合のみ持ち込み可能
  • 冷蔵・冷凍が必要な食品は原則禁止

食べ物の差し入れが問題ない場合でも、入居者の嚥下機能や健康状態を考慮して、柔らかい食感や口溶けの良いお菓子を選びましょう。

とくに高齢者は固いものを食べるのが難しい場合が多いため、安全性に配慮して選ぶのが理想です。

関連記事:老人ホームへお菓子の差し入れはOK?選び方やおすすめの差し入れも解説

老人ホームの面会は施設ごとのルールに従おう【まとめ】

コロナ禍を経て、老人ホームの面会制限は大きく変化してきました。

現在は以前のような厳しい制限はほとんど緩和され、各施設のルールに基づいて面会できます

ただし、感染症対策として手指消毒やマスク着用などの基本的な対策は続けている施設が多いです。

施設によって面会方法や予約システム、面会時間などのルールは異なります。

大切な家族と気持ち良く面会するためにも、事前に施設のルールを確認し、感染対策に協力する意識を持ちましょう。

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監修者

一般社団法人全国介護事業者連盟 理事長会

斉藤 正行

一般社団法人全国介護事業者連盟理事長。立命館大学卒業後、複数の介護関連企業で要職を歴任し、日本介護ベンチャーコンサルティンググループを設立。講演活動やメディア出演も多数。

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