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市町村事業に移行した要支援者向けのサービス

今年2017年4月までに介護保険から切り離され、市町村事業に移行して軽度の要介護者向けのサービスに関して、共同通信の調査によると回答した1575自治体の45%が運営に苦慮していることが分かりました。

 

主な理由はボランティアなど担い手を確保できていないためで、地域住民が支え合う仕組む作りが難しいことが浮き彫りになっています。

要支援1、要支援2は、7段階ある要介護度のうち、軽度の2段階に当ります。全国に約176万人います。要支援1と2の方に向けた訪問介護と通所介護(ディサービス)は保険給付から外れ、2015年度以降は市町村の「総合事業」として、提供されるようになりました。

 

この事業に「苦労している」と回答した市町村は45%、「順調」は27.4%、「どちらとも言えない」は27.7%でした。サービスは介護事業所だけでなく住民団体も提供できますが、「担い手の確保が難しい」が苦労している理由の49.5%です。家事援助などをする訪問介護や通って体操などをする通所介護は、いずれも住民主体型サービスが低調で実施率7%程度となっています。

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中重度者向けサービスに重点を置きたい政府は要介護1要介護2についてもで移行を検討していますが、これに対し、回答した1562自治体のうち、「反対」は63.7%、「どちらとも言えない」35.1%、賛成はわずか1.2%でした。

 

総合事業は軽度者の多様なニーズに応えるためにも市町村の総合事業との位置付けになりました。

要支援者は軽度とは言え、「掃除や料理などの家事をすることが出来ない」「買い物やゴミ出しが一人で出来ない」など日常生活に一定の手助けが必要な方もいらっしゃいます。1人暮らしか同居家族の有無によってもニーズは違ってきます。

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サービスの多様化への対応、地域の特性を生かすには、地域に根付いた地域資源の活用が欠かせません。ですが、地域作り、コミュニティ作りはまだ未熟で現状に追いついていないようにも見えます。

 

また、これまで専門職がしてきたことを住民に任せることに戸惑いがあると言ったサービスの質を懸念する声もあります。

 

今後、担い手の確保だけでなく、サービスの質を保つこともしっかり検証が必要だと言えます。

この記事の監修者

いいケアネット事務局

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