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臨時認知機能検査と認知機能検査の違いを解説|受けないとどうなる?

「臨時認知機能検査と普通の認知機能検査って、どう違うの?」 

このような疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか?

75歳以上の高齢者に義務付けられている認知機能検査には、通常の認知機能検査と、一定の交通違反歴がある場合に受ける臨時認知機能検査の2種類があります。

名称は似ていますが、対象者や検査の目的、そしてその後の手続きが異なります。

本記事では、臨時認知機能検査と認知機能検査の違いをわかりやすく解説します。それぞれの検査の対象者・内容・免許への影響についても紹介するので、参考にしてみてください。

臨時認知機能検査とは|一定の違反行為をした75歳以上の方が対象

臨時認知機能検査は、75歳以上の方で一定の違反行為をしたときに受ける検査のことです。

一定の違反行為に挙げられるのは、以下の18項目です。

  1. 信号無視
  2. 通行禁止違反
  3. 通行区分違反
  4. 横断等禁止違反
  5. 進路変更禁止違反
  6. 遮断踏切立入り等
  7. 交差点右左折方法違反
  8. 指定通行区分違反
  9. 環状交差点左折等方法違反
  10. 優先道路通行車妨害等
  11. 交差点優先車妨害
  12. 環状交差点通行車妨害等
  13. 横断歩道等における横断歩行者等妨害
  14. 横断歩道のない交差点における横断歩行者妨害
  15. 徐行場所違反
  16. 指定場所一時不停止等
  17. 合図不履行
  18. 安全運転義務違反

検査の結果に基づき、運転免許証の維持、または取り消しといった判断が下されます。

ここからは、以下3つの見出しに沿って臨時認知機能検査についてさらに詳しく解説します。

  • 検査内容
  • 運転免許証を維持できる場合
  • 運転免許証が取り消しになる場合

順番に見ていきましょう。

関連記事:数分前のことを忘れるのは認知症の初期症状?チェック項目や対処法を解説

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目次

検査内容

臨時認知機能検査の対象となった方には、公安委員会から検査に関する通知書が送られてきます。最寄りの警察署や運転免許センターで受験し、受験後に通知結果が郵送で届きます。

海外旅行中や病気にかかっているといった特別な事情がない限り、通知書を受け取ってから1カ月以内に受検しないと、運転免許取り消し処分になります。

認知機能検査の内容は、以下のとおりです。

手がかり再生 16種類の絵を記憶し、質問に回答する
時間の見当識 検査時の年月日、曜日、時間を回答

検査手数料は1,050円です。検査終了後、点数に応じて「認知症のおそれがある」または「認知症のおそれがない」と判定されます。

参考:神奈川県警察『75歳以上の方の運転免許更新手続(高齢者講習・認知機能検査・運転技能検査)

運転免許証を維持できる場合

検査結果で100点満点中36点以上の方は「認知症のおそれなし」と判断され、今まで通り運転免許を維持できます。

ただし、検査は100点満点です。ギリギリの点数で合格した場合は、今後も認知機能の低下を注意深く観察しなければいけません。安全運転のためにも、定期的な医師の診察、認知機能維持の取り組みを心がけてください。

関連記事:高齢者が免許返納するデメリットとメリット!返納しない理由まで解説

運転免許証が取り消しになる場合

認知機能検査で36点未満だった方は「認知症のおそれあり」と判断され、医師の診察が必要になります。診断結果を公安委員会に提出し、認知症でない場合は高齢者講習を受講します。

高齢者講習は普通自動車免許の場合、費用は6,600円です。実車指導や座学、運転適性検査が必要です。

医師の診断で認知症と診断された場合、運転免許取り消しや停止処分を受けます。ご自身の安全のため、周囲の安全のためにも、少しでも気になることがあれば医療機関を受診しましょう。

参考:警察庁『臨時認知機能検査と臨時高齢者講習(75歳以上の方)

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認知機能検査とは|運転免許証の更新をする75歳以上の方が対象

運転免許証の更新時に年齢が75歳以上のドライバーは、認知機能検査を受けなければいけません。認知症のおそれがあるのかを判断する検査で、場合によっては免許取り消しになることもあります。

認知機能検査は、免許更新のたびに検査が義務付けられています。免許更新日の6カ月前から受講できるので、忘れないうちに受講してください。

それでは、検査内容や更新の有無について解説していきます。

参考:警察庁|認知機能検査について

検査内容

人機能検査の検査内容は、先ほど紹介した臨時認知機能検査と同じです。記憶力や判断力を測定し、採点した点数に応じて認知症の恐れがあるのかを判定します。

以下は検査内容をまとめた表です。

手がかり再生 記憶力の検査
時間の見当識 時間の感覚を検査
検査時間 20分

検査は、タブレット端末を使用し、画面に表示される質問にタッチペンで回答する形式で行われます。

運転免許証を更新できる場合

認知機能検査で「認知症のおそれなし」と判断された場合、これまで通り運転免許を更新可能です。検査後は講習を受け、免許証の更新手続きが完了します。

高齢者でも安全運転を心がけている方は多く、検査を通して運転に対する自信につながります。

認知機能検査に合格したからと安心するのではなく、少しでも違和感を感じたら早めに医療機関を受診しましょう。

運転免許証が取り消しになる場合

認知機能検査の結果が36点未満の場合、認知症のおそれありと判定されます。運転免許を更新するためには、臨時適性検査の受検、または医師の診断書の提出が必要です。

もし医師に「認知症」と診断された場合、運転免許の停止または取り消しとなります。停止や取り消しは、自分自身や周囲の人を守るための決まりです。

不安がある場合は家族や医師に相談し、今後の移動方法を一緒に考えてみてください。運転免許の返納も含め、安全で安心できる移動方法を見つけることが重要です。

地域によっては、高齢者の移動支援サービスなどを利用できる場合があるので、情報も収集してみると良いでしょう。

高齢者ドライバーは臨時認知機能検査と認知機能検査の違いを知っておこう【まとめ】

臨時認知機能検査も、通常の免許更新時に行われる認知機能検査も、安全な運転に必要な認知機能を評価する重要な検査です。一定の違反行為があった場合は臨時認知機能検査が、違反がなければ免許更新時に認知機能検査を受けることになるので、日頃から安全運転を心がけましょう。

もし今、ご家族が運転免許の更新を控えている場合運転に不安を感じている方は、本ページで紹介している講習の流れ検査の内容を確認してから受講に望んでみてください。

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臨時認知機能検査と認知機能検査に関するよくある質問

ここでは、認知機能検査に関する、よくある質問をまとめました。

臨時認知機能検査はどのような場合に免除になりますか?

通知書を受け取ってから1カ月以内に検査に行かない場合、運転免許の停止や取り消し処分を受けてしまいます。

例外として、以下の2つに該当した場合は免除されます。

  • 臨時適性検査を受けた、または診断書を公安委員会に提出した
  • 認知症の疑いがないと医師の診断書を公安委員会に提出した

いずれの場合も、免許証の期間が満了する6カ月以内の受験、または提出が条件です。

検査ではどのような問題が出されますか?

認知機能検査は「手がかり再生」と「時間の見当識」の2種類あり、検査時の年月日や曜日を回答する時間の見当識は比較的容易にできます。

しかし、イラストを記憶し回答する手がかり再生は、不安に感じる方も多いです。警察庁のホームページにイラストが掲載されているので、事前に練習をしてから検査に臨めます。

たとえば「てんとう虫・ライオン・たけのこ・フライパン」という4種類の絵を1分で記憶し、後で何の絵だったのかを回答します。

イラスト例は警視庁のホームページに掲載されているので、そちらをご覧ください。

参考:警察庁『認知機能検査について

監修者

一般社団法人全国介護事業者連盟 理事長会

斉藤 正行

一般社団法人全国介護事業者連盟理事長。立命館大学卒業後、複数の介護関連企業で要職を歴任し、日本介護ベンチャーコンサルティンググループを設立。講演活動やメディア出演も多数。

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