自身が、また家族が年齢を重ねてきたとき、自宅での生活が難しくなれば施設での生活を考えることもあるのではないでしょうか。
一方で、老人ホームに入るタイミングや条件のいい施設を探し出すきっかけは、なかなかつかめないものですよね。
予約待ちとなる施設も多いからこそ、老人ホーム探しの最適なタイミングについて覚えておきましょう。
施設探しに最適なタイミングはある?
利用する施設を決める際には、実際に施設に足を運んで見学や体験をしながら、サービス内容や雰囲気、居心地を確認しよく見極めることをおすすめします。
だからこそ、できれば施設探しは本人が元気なうちに、本人の希望を尊重しながら進めたいものです。
身体が動きにくくなってから候補の施設へ見学に行き、職員の説明を聞こうとしても、なかなか身体がついていかないかもしれません。
複数の施設を見比べるとなれば、そのぶん負担も大きくなります。
するとせっかくの機会にも細部まで確認できなかったり、妥協が増えたりして結果的に満足のいく施設選びが難しくなりかねません。
自分のことは自分でできる元気なうちは「まだ施設に入ってからの生活を具体的にイメージできない」と感じるかもしれませんが、元気だからこそ施設探しに最適なタイミングと言えるでしょう。
本人が施設探しにあまり乗り気でない場合は?
本人の希望を尊重しながら施設を探していくとなると、そもそも本人に「施設に入りたい」という意欲がない場合なかなか思うように進められないかもしれません。
そのときは、ご家族があらかじめ候補となる施設を選んだ上で「どれがいいかな?」と相談する形で施設選びに誘うことをおすすめします。
特に費用や立地については、ご家族の視点から選んだ方がよいことも多いため、客観的に厳選した施設の特徴を本人に伝え、興味を持ってもらえたら体験や見学の予約をとりつけましょう。
「この施設なら広くてきれいだから気に入ると思う」、「厨房でシェフが作る食事が評判らしいよ」というように施設の特徴を端的に伝えると、本人も興味を持ちやすくなります。
その際は「今すぐ施設に入るわけじゃないけど、早めに考えておいたほうがいいから」としっかり説明しましょう。
切り出し方が難しい場合は、いきなり施設を提案するのではなく「将来のことについてちゃんと話しておこう」と真剣な姿勢でしっかりコミュニケーションをとり、本人の意見に十分耳を傾けましょう。
「これから先、介護が必要になったらどうする?」という話から、施設に入居するという選択肢もある、と順序立てて提案してみてください。
自分で施設を探すときには?
本人が施設を探すのであれば「介護が必要になったとき、どうしたいか」を考えた上で、条件の合いそうな施設を探していきます。
例えば施設の中には、要介護の人でなくとも健康なうちから入居できる施設もあります。
将来的に施設で最期を迎えたいのなら、早いうちからそうした施設に入居しておくというのも一つの手です。
できるだけ今までどおりの環境で生活を続けたいという希望があれば、どのような施設があるのかあらかじめ調べて検討をつけておき、一人での暮らしが不安になってから施設へ移るというのもいいでしょう。
最期までしっかり看てくれる施設なら、入居手続きさえスムーズにできれば体調が急変したときにも比較的安心です。
元気なうちから、家族や信頼できる友人に入りたい施設の詳細を伝えておくと手続きもしやすくなりますよ。
施設を探すときのポイント
施設を選ぶときの重要なポイントとして、やはり重要視すべきなのは費用面です。
施設の多くは月額、または年額制のため、長く施設を利用していればその分トータルで支払わなければならない費用がかさみやすくなります。
年金や家族の収入でまかなえればいいのですが、希望する施設の費用が高額であれば、現在どれだけ資産があり何年先まで問題なく暮らせるかをよく考える必要があるでしょう。
費用面をクリアしたら、次は施設ごとの強みや特徴の違いにも注目しましょう。
例えば施設内での過ごし方についてもスケジュールがしっかり管理されている施設もあれば自由な時間の多い施設もあります。
さらに食事メニューはどうなっているか、どのようなレクリエーションが行われているかなど、施設ごとに違いがあります。
「設備やサービスは十分か」、「プライベート空間はどのようになっているか」なども含めて、細部までよく比べながら理想の施設を探しましょう。
まとめ
施設の利用にまつわる話はデリケートな話題でもあるため、なかなか切り出すタイミングが難しいものです。
しかし、どんな人でもさまざまな病気や事故のリスクと隣り合わせていることから、ある日突然施設を決めなければいけなくなることもあるかもしれません。
早めに準備しておけば、サービス内容から費用まで納得のいく施設が見つけられるはずですから、家族みんなで考える機会を設けてみましょう。
この記事の監修者
いいケアネット事務局
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