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高齢者が免許返納するデメリットとメリット!返納しない理由まで解説

「免許返納って、具体的にどんなデメリットがあるんだろう?」「家族から運転を心配されるようになったけど、車がないと不便」

このように、免許返納について悩んでいる方はいませんか?

加齢とともに、運転に不安を感じるようになるのは自然です。実際にここ10年で免許を返納する人は約4.3倍に増えて51万人もいます。

しかし、免許返納には、生活の質を維持できるのか心配や移動手段の確保など、さまざまな不安があるでしょう。

この記事では、高齢者が免許返納するデメリットと解消する対策を解説します。また、返納によるメリットや実際に返納した方の声も紹介します。

免許返納に対する不安を解消したい方や親に免許返納をしてもらいたい方は、免許返納のデメリットを解消する3つの対策を参考にしてください。

高齢者が免許返納する3つのデメリット

高齢者の免許返納には、生活の質を維持できるか不安が残るなどのデメリットがあります。ここでは、以下の3つのデメリットを解説します。

  • 移動手段が制限され外出が難しくなる
  • 認知機能が衰えて外出が難しくなる
  • 身分証を失う不安にかられる

デメリットを詳しく見ていき、解決策を探っていきましょう。

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目次

移動手段が制限され外出が難しくなる

高齢者が免許を返納すると、これまで利用していた自動車が使えなくなり、移動手段がバスや電車、タクシーなどに制限されます。

とくに、地方では公共交通機関の本数が少なかったり、路線が限られていたりするため、不便になり外出の機会が減ってしまう可能性があります。

たとえば、これまで車でかよっていたスーパーが遠く、バスや電車では行きにくい場合、日々の買い物が困難になるかもしれません。生活必需品の購入に困るケースも考えられます。

ただ、最近は宅配サービスも充実しているので、この機会に利用を検討してみるのも良いかもしれません。

認知機能が衰えて外出が難しくなる

高齢者が免許を返納すると、運転による認知機能への刺激が失われ、物事を理解したり判断したりする認知機能の衰えが進行する可能性があります。

運転は、周囲の状況を把握し、瞬時に判断を下す、高度な情報処理です。この一連の動作が、脳を活性化させるための良い刺激です。

車を運転する機会がなくなると、こうした刺激が失われ生活範囲が狭くなり、活動量も減少する傾向があります。その結果、心身の機能低下につながる可能性があるでしょう。

外出の機会が減ることで、新しい情報に触れる機会が減少し、脳への刺激が不足します。ただ、新しい趣味を始めれば、別の形で脳を活性化させるのは可能です。

身分証を失う不安にかられる

高齢者が免許を返納する際、身分証明書を失う不安を感じる方は少なくありません。

運転免許証は、公的な身分証明書として、さまざまな場面で利用されてきたため、返納によって日常生活に支障が出るのではないかと心配になるかもしれません。

とくに、パスポートやマイナンバーカードを持っていない場合、運転免許証が唯一の身分証明書になります。

ただ、運転免許証を返納した後でも「運転経歴証明書」を申請し、身分証明書として利用できます。

運転経歴証明書は、金融機関での手続きや携帯電話の契約など、さまざまな場面で運転免許証の代わりに利用可能です。

高齢者が免許返納する3つのメリット

これまでデメリットを紹介しましたが、高齢者が免許を返納するメリットもあります。ここでは、以下の3つのメリットを詳しく解説します。

  • 交通事故リスクが軽減する
  • 維持費が削減できる
  • 自主返納支援制度が使えるようになる

メリットを理解すると、免許返納に対する不安を解消し、より良い選択ができます。

交通事故リスクが軽減する

高齢者が免許を返納する最大のメリットは、交通事故の加害者になるリスクがなくなる点です。加齢とともに、身体能力や判断能力は徐々に衰えます。

自動車の正確な運転が難しくなり、事故を引き起こす可能性が高まります。

高齢者によるアクセルとブレーキの踏み間違いによる事故や、歩行者や自転車に気づかずに起こしてしまう事故が後を絶ちません。

免許を返納すると、事故をするリスクがなくなります。自分自身だけでなく、周囲の人々の安全確保にもなります。

車の維持費が削減できる

車の維持費が不要になり、経済的な負担が軽減されるのも高齢者が免許を返納するメリットの一つです。車を所有していると、以下のさまざまな費用がかかります。

  • 自動車税
  • 車検代
  • ガソリン代
  • 駐車場代
  • 保険料

ソニー損害保険株式会社が2023年7月におこなった調査によると、車の1カ月あたりの維持費は平均13,500円、年間に換算すると約16万円かかる計算になりました。

また、2025年1月16日にガソリン補助金が完全廃止し、ガソリン代も高騰しています。

免許を返納すると、維持費がすべて不要になります。浮いたお金を趣味や旅行など、より豊かな生活のために使うのが可能です。経済的なゆとりは精神的な安定にもつながります。

自主返納支援制度が使えるようになる

高齢者が免許を自主返納すると、各自治体や企業が提供している自主返納支援制度が使えるようになります。返納後の生活をサポートするのを目的として、以下のようなサービスが受けられます。

  • 公共交通機関の割引
  • 生活関連施設の割引
  • 生活支援サービス

たとえば、バスやタクシーの運賃が割引になったり、百貨店などで購入した商品を無料で配送してくれるなどです。

ただし、特典の内容は地域によって異なります。お住まいの都道府県や自治体のWebサイトなどで確認するのが大切です。

支援制度を有効活用すると、免許返納後の生活をより快適に過ごせます。

高齢者が運転免許を返納しない理由

高齢者が運転免許を返納しない理由として、弁護士ドットコム株式会社が2024年9月に行った調査によると「自分はまだ運動能力に問題がない」と考えている方が多いようです。

長年培ってきた運転技術への自信や加齢による変化を認めたくない気持ちが、返納をためらう要因となっているのでしょう。

引用:<免許返納に関する実態調査>60代以上のうち、約8割が運転免許の返納予定なし

ただ、70歳以上の親や祖父母を持つ方の約4割は「運転免許を返納させたい」と考えています。

家族は、親や祖父母が運転する事故のリスクを心配しています。家族に心配をかけないためにも、そして何よりも自分自身の安全のためにも運転免許の返納を考えてみてはいかがでしょうか。

免許返納のデメリットを解消する3つの対策

免許返納には、いくつかのデメリットがともないますが、対策を講じることで、その影響を抑えられます。ここでは、免許返納のデメリットを解消する以下の3つの対策を解説します。

  • コミュニティ活動への参加をする
  • 運転経歴証明書で身分証明をする
  • 移動販売や宅配サービス活用する

対策を実行すると、免許返納後の生活をより充実できるでしょう。

コミュニティ活動への参加をする

運転免許を返納した高齢者にとって、コミュニティ活動への参加は、社会とのつながりを維持するための有効な手段です。

地域で開催される活動に参加し、新しい友人を作ったり、地域社会に貢献したりする機会が得られます。

コミュニティ活動をつうじて、地域住民との交流が深まり、孤独感を軽減できたり、新しい活動で脳を活性化できたりします。また、社会の一員としての帰属意識を高め、精神的な安定にもつながるでしょう。

たとえば、趣味のサークルやボランティア活動に参加すると、生きがいや役割を見つけられます。積極的に社会との接点を持つのが、免許返納後の生活を豊かにします。

運転経歴証明書で身分証明をする

運転経歴証明書は、運転免許を自主返納した人が申請すると受け取れる書類です。

公的な証明書なので、公的機関や金融機関の手続きで本人確認を求められた際に提示できます。

あらゆる場面で身分証明書として使えるので、運転免許を返納する方は、運転経歴証明書を持っておくと良いでしょう。

移動販売や宅配サービス活用する

免許返納後、とくにバスや電車などの公共交通機関が不便な地域では、移動販売や宅配サービスの活用が有効です。

サービスを利用すると、自宅にいながら、食料品や日用品などの生活必需品を購入できます。

たとえば、移動スーパーが定期的に自宅近くまで来てくれれば、自分で買い物に行く手間が省けます。また、オンラインで注文し、自宅まで配達してくれる宅配サービスも便利です。

これらのサービスを上手に活用すると、運転免許返納後の生活における不便さを解消し、より快適な毎日を送れます。

免許返納した高齢者の感想

引用:別紙2:「高齢者の運転免許の返納者の実態と意識」(2021年)についての主な調査結果(抜粋)

MS&ADインターリスク総研株式会社の「高齢者の自動車運転および運転免許証の返納に関する実態と意識について」の調査によると、運転免許を返納した方のうち、23.2%が「大変良かった」、52.1%が「良かった」と回答しています。

合計すると、75%を超える方が、免許返納に対してポジティブな評価をしています。

もちろん、生活環境や個人の状況によって感想は異なりますが、多くの方が前向きな変化を実感していることは、免許返納を検討する上で、大きな後押しとなるでしょう。

免許返納の手続きのやり方

運転免許の自主返納は、現住所を管轄する警察署または運転免許センターで申請できます。手続きには、有効期限内の運転免許証が必要です。

もし、運転免許証を紛失している場合は、運転免許センターで再交付の手続きと同時に、返納の申請をおこなう必要があります。

また、本人が申請に行けない場合は、代理人による申請も可能です。その際は、返納する本人の運転免許証と委任状、そして代理人の住所、氏名、生年月日が確認できる書類が必要になります。

事前に必要書類を準備しておけば、手続きはスムーズに進められます。不明な点がある場合は、事前に警察署や運転免許センターに問い合わせて確認しましょう。

自分の安全のためにも免許返納をしよう

高齢者の免許返納は、デメリットばかりではありません。交通事故のリスクを減らし、安全な生活を送れることは、最大のメリットです。また、車の維持費が不要になり、経済的な負担も軽減されます。自主返納支援制度利用で、さまざまな特典を受けるも可能です。

もちろん、免許返納には、移動手段が制限されるなどのデメリットもあります。移動販売や宅配サービス利用で、デメリットは解消できます。

免許返納は、自分自身と周りの人々の安全を守るための、賢明な選択です。ぜひ、前向きに検討してみてください。

免許返納を検討する中で、将来の生活設計や介護について、さまざま不安が出てくるでしょう。とくに、高齢になると経済的な問題や健康上の問題など、複合的な課題に直面します。そのような場合は、専門家のサポートを受けるのが有効な手段です。

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この記事の監修者

いいケアネット事務局

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