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【最新】老人ホームが不足している現状と原因|今後の見通しも解説

「親の介護が限界で老人ホームを探しているのに、どこも空きがない…」

「人気の施設は何年も待たされると聞いて不安です」

このように考える方は多いのではないでしょうか。

超高齢社会を迎えた日本では、高齢者人口の増加に対して、老人ホームの整備が追いついていないのが現状です。さらに、介護人材の不足や施設の経営難といった背景も重なり、「入りたくても入れない」という問題が生じています。

地域や施設の種類によっては、数ヶ月〜数年待ちになるケースも珍しくありません。そのため、早めの情報収集と柔軟な選択肢をもつことが、スムーズな入居を叶える行動となるでしょう。

本記事では、老人ホームが不足している原因を詳しく解説します。入居待ちになりやすい介護施設や待機せずに老人ホームに入居する方法も解説しているので、参考にしてみてください。

【2025年】老人ホーム不足の現状

高齢者の数が過去最多となり、老人ホームの不足が深刻になっています。2024年に公開された総務省の資料によると、日本の65歳以上は3,625万人で、全人口の約3割が高齢者です。

「令和5年社会福祉施設等調査の概況」のデータにおいて、特別養護老人ホーム(特養)の入居率は95.3%、有料老人ホームでも84.0%に達していることから、老人ホームの需要の高さが伺えます。

ただし、この不足状況は地域や施設によって大きく異なるのが現状です。地域や施設ごとに空床状況に差が生じる原因は後述するので、このまま読み進めてみてください。

老人ホームが不足する原因

老人ホーム不足の背景には複数の要因が絡み合っているケースがほとんどです。以下では代表的な3つの要素について解説します。

  • 高齢者の増加
  • 介護スタッフの人材不足
  • 経営状況の悪化

老人ホームが不足しているといわれる3つの原因を、順番に見ていきましょう。

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目次

高齢者の増加

日本の高齢者人口は年々増加しており、2024年には65歳以上の人口が約3,625万人に達しました。2040年には約3920万人へ増える見込みとも報告されています。

約3,625万人は総人口の29.1%に相当し、とくに後期高齢者(75歳以上)は急速に増えています。75歳以上は2024年時点で2076万人、20年間でほぼ1.3倍になる計算です。

施設数や介護人材数はこれに見合ったペースで増やすのが難しい現状です。老人ホームの不足はこういった需要と供給のバランスの悪化によって生じていると考えられます。

介護スタッフの人材不足

厚生労働省の「介護労働実態調査(2023年)」によると、全体の64.7%の介護事業所が「人材が不足している」と回答しました。

介護施設は採用しても離職率が高く、現場では慢性的な人手不足が続いています。

人手不足が続く限り、施設の定員を満たす入居受け入れは難しいです。そのため、結果として空きがあっても「入れない」状態が生じています。

さらに、介護職員は2024年時点で約233万人ですが、厚生労働省推計では2040年に272万人が必要になると予測されている状態です。今後、さらに介護職員が不足する可能性があります。

関連記事:全国の介護事業所でますます高まる介護職員の不足

経営状況の悪化

老人ホームが足りない理由のひとつに、施設の経営がうまくいっていない問題があります。

独立行政法人福祉医療機構が公開している「2023 年度 特別養護老人ホームの経営状況について」のリサーチ報告書において、従来型特養の赤字施設の割合が48.1%、ユニット型でも34.5%と発表されました。

2023年にはやや赤字施設割合が減少したものの、以前として3割以上の施設で赤字経営が続いている状態です。

このような厳しい経営環境の中、資金繰りが悪化した社会福祉法人が合併や閉鎖を選択する事例が増加しています。

とくに地方では、老朽化した施設の建て替えを断念するケースも珍しくありません。

関連記事:
潰れる介護施設の特徴5選!失敗しない施設選びのポイントも解説
平成28年度、特養の赤字施設は32.8%。施設規模によっても大きな差

入居待ちになりやすい介護施設

入居待ちになりやすい介護施設は、国や自治体が運営または支援する公的な介護施設です。人気の主な理由は、公的な介護施設は民間運営と比較して費用が安い点にあります。

以下は代表的な公的介護施設です。

  • 特別養護老人ホーム(特養)
  • 介護老人保健施設(老健)
  • 介護医療院
  • 軽費老人ホーム(ケアハウス)
  • 養護老人ホーム

施設によっては数年待ちとなることも珍しくありません。早めの情報収集と行動で、希望する施設への入居可能性を高められるでしょう。

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待機せずに老人ホームに入居する3つの方法

特養のような人気な施設は入居までの待機期間が長期戦になりやすいです。しかし、待機する可能性を減らして老人ホームに入居する方法は3つあります。

  • 民間の有料老人ホームを検討する
  • 地域の範囲を広げる
  • 「空室あり」の施設を紹介サイトで探す

それぞれ見ていきましょう。

民間の有料老人ホームを検討する

人気な公的施設を検討中の方は、民間の介護付き有料老人ホームや住宅型有料老人ホームも候補に入れましょう。

国や自治体が運営する特別養護老人ホームなどの公的施設は人気が高く、入居まで数年待ちになるケースが珍しくないからです。

民間施設は費用が高くなりますが、空きがあれば比較的早期に入居できる可能性があります。

地域の範囲を広げる

都心や人気エリアは申込が集中しがちです。隣接する市区町村や郊外へ視野を広げれば空床が見つかりやすくなります

ただし、都市部を離れると、馴染みのあるかかりつけ医から遠くなったり、買い物や娯楽施設へのアクセスが制限されたりと課題も生じてきます。

入居者本人と相談して、利便性と入居の可能性のバランスを考慮した最適なエリア選択を行うことが大切です。

「空室あり」の施設を紹介サイトで探す

インターネット上の老人ホーム紹介サイトでは、「空室あり」の施設を条件に絞って検索できます。施設の詳細条件や空き状況、費用などを一括で確認が可能です。

施設選びに不安がある方は、このような老人ホーム紹介サービスを活用すると入居までの待機時間を短縮できる可能性が高まります

担当アドバイザーがオンラインや電話で見学予約を代行してくれるため、複数施設を短期間で比較しやすいのが特徴です。

どのサイトをチェックすれば良いのか迷ったら、高齢者向けの介護施設の情報を多数掲載する「いいケアネット」をご活用ください。無料で利用でき、施設の特徴や月額費用の目安も簡単にチェックできます。

老人ホームの不足状況を知って今後の施設選びに役立てよう【まとめ】

高齢者人口の増加や介護人材不足、施設の経営難といった課題が重なり、入居のハードルが上がっています。

都心部や公的施設だけにこだわると、選択肢が狭まり入居困難になりやすくなります。

地域や施設タイプを柔軟に見直せば、スムーズな入居も実現可能です。

本記事を参考に、選択肢を広げた検討を始めてみてください。

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監修者

一般社団法人全国介護事業者連盟 理事長会

斉藤 正行

一般社団法人全国介護事業者連盟理事長。立命館大学卒業後、複数の介護関連企業で要職を歴任し、日本介護ベンチャーコンサルティンググループを設立。講演活動やメディア出演も多数。

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