有料老人ホームの不足

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老人ホームや介護・老人ホームへの入居が必要な高齢者の数に対して介護従事者の数が足りないと言われていますが、

介護従事者が勤める老人ホームの数もまだまだ足りていないのが介護業界の実態です。

有料老人ホームの入居率83.5%! 老人ホームが足りていない現状

 

全国に有料老人ホームは計12,570施設あり、その定員の合計は482,792人と言われていますが、

厚生労働省が2017年9月27日に発表した数字によると、

有料老人ホーム全体の入居率は83.5%に達しており、人数に換算すると403,131人が有料老人ホームにご入居されていらっしゃいます。

この数字は年々上昇しており、2025年にはピークに達すると言われています。

 

施設の数は大阪府が最も多く814施設。

次いで、福岡が796施設、神奈川で789施設と各地域ごとに一定の数の有料老人ホームがありますがその数は足りておらず今後も増えていくと言われています。

実際、上記の有料老人ホームの数にはサービス付き高齢者向け住宅の数は含まれていない他、厚労省への届け出を出していない未届けの老人ホームも存在します。

それでも有料老人ホームの数が足りていないため、国には今後更なる高齢化社会への対応が求められます。

 

2015年問題と2025年問題

 

2015年には戦後のベビーブームで誕生した大量の人口が前期高齢者となる65歳を迎え、

2025年にはその世代が75歳を超え後期高齢者となるため、

2015年と2025年がそれぞれ老人ホームを必要とするご高齢者の数が増えるピークになると考えれています。

 

年金の支給開始が60歳から65歳に引き上げられたため、

年金の面では2015年は大きな契機と考えられていますが、

65歳の段階ではまだまだお元気な方が多く介護・医療の面での実際のピークは2025年になると言われています。

 

内閣府が出している高齢社会白書の数字によると、

人口に対する要介護認定の人数の割合は、

65歳以上の前期高齢者だと4.2%ほどだが75歳を超える後期高齢者になると29.4%と大きく跳ね上がっています。

2025年段階での認知症高齢者の数は470万人に達するとみられており、この人数の介護をするには700万人の介護事業者が必要となります。

都市別の高齢者の増加率は、大阪で83.5%、神奈川で87.2%、埼玉ではなんと99.7%にも上ります。

 

そのため、2017年段階で老人ホームの入居者率が83.5%を超えている現状の老人ホーム数では2025年問題に対応しきることが困難なため、それまでに有料老人ホームの数や介護事業者の数を増やす必要があります。

 

ただ、それ以降高齢者数は年々下がっていくと思われるため、

それ以降の介護事業者のキャリアパスについても考えたうえで整備をしていかなければならないため、介護・医療分野における国の判断にも時間がかかっています。

 

 

今後の有料老人ホームと介護・医療の現場

 

有料老人ホームをはじめとするご高齢者向けの住宅は数の上でも質の上でも今後より強化していなければなりません。

有料老人ホームの質を上げるためには早い段階で介護事業者を増やし、介護従事者に十分な経験を積んでもらう必要があります。

介護事業者1人1人の人生を考えたうえでも非常に慎重に進めていかなければならない課題であると同時に、ご高齢者の今後のために急いで整備しなければならない問題であるため、

国民1人1人が自分事として考えていかなければならないのではないでしょうか?

この記事の監修者

いいケアネット事務局

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