2度にわたる警察からの連絡
それは2017年に入ったばかりの、とある1月の真冬の夜遅くの出来事です。
突然、和歌山県警察より「Yさん(86歳、女性、大阪市内在住)が保護されています」との電話連絡がYさんの唯一の身寄りである、実姉(箕面市在住)の携帯電話に入りました。
聞くところによるとYさんは自宅のある大阪市北区より買い物に行きたいとの理由で電車に乗られましたが、道中で行先も帰り方もわからなくなり、終着駅まで乗って行ってしまったとの事でした。
幸いにも怪我もなく、すぐに実姉の長女の運転する車にて米原まで迎えに行き、往復100㎞以上の道のりを寒空の下、大阪市の自宅まで連れ戻されました。びっくりさせられたもののその日は何とか事なきを得ました。
しかし翌週のこと、今度はなんと奈良県警察よりまたもや実姉に連絡が入り、「保護されているので迎えに来てほしい」との事でしたので、また実姉は娘さんと一緒に、すぐに迎えに行かれました。
これで2回目のことなので、警察からも決して一人にしないことと、早急なる見守り体制の確立を促され、対応を考えなければならない事になり、差し当たって、実姉はYさんのご自宅に付き添うことになりました。
それにしても、昨年暮れまでは年相応の物忘れはあったものの認知症に関しては何の兆候も無かったのですが、ご家族にとって年が明けてからは、まさに寝耳に水のごとくYさんの認知症の状態は激変してしまいました。
緊急会議、そして大急ぎでの老人ホーム探し
翌日、担当ケアマネジャー、実姉、姪が集まり緊急会議をしますが、これ以上独居を続けるのは危険だと判断になりました。
また、2回目の徘徊以降Yさんの自宅に泊まり込んでいた実姉にも疲れが見え始めたこともあり、担当ケアマネジャーを通じて私ども日本老人ホーム紹介センターに相談の連絡を頂ました。実姉の実家(東大阪)に近いところで即入居できる老人ホームを探して欲しいとのご依頼でした。
私共も、即日の入居が可能な老人ホームを捜し、ご家族見学、ご本人面談、必要書類の準備、お引っ越しの手配とご入居までの最短スケジュールを考え、半ば強引にご入居手続きを進めていきました。
そしてご相談いただいてから4日後のご入居となりました。
今では施設でペルパーの方に見守られ落ち着いた生活を取り戻されており、施設内レクリエーションにも積極的に参加され、周りの入居者の方やペルパーの方とのコミュニケーションを常に取ることにより、認知症の進行も遅らせることが出来ているそうです。
先日まで危険な徘徊生活をしておられた事が信じられないくらい、とても安定した生活をされています。
いかに老人ホームで生活するということが、見守られている安心感と安定した生活を送る事の幸福感をもたらすものであるという事を、改めて再認識させられました。
ご家族からも、「私も歳を取っていて、どうなるかと心配していました。こんなにも早く老人ホームを見つけていただき、ほっとしました。本当にありがとうございます。」と感謝のお言葉を頂戴しました。
この記事の監修者
いいケアネット事務局
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