この記事を読んでいる方は「自分や家族に介護が必要になる可能性はどのくらい?」と疑問に思っているのではないでしょうか。
高齢化が進む日本では、「要介護」状態になる人の割合が年々増加しており、将来の介護に不安を感じることもあるかもしれません。
厚生労働省の報告によると、令和6年7月末時点では65歳以上の5人に1人が要介護(要支援)認定を受けています。
本記事では「要介護の割合」に焦点を当て、最新のデータをもとに詳しく解説していきます。
「要介護になる確率」を知ることで、介護の現実をより深く理解し、今からできる対策を考えていきましょう。
65歳以上の5人に1人が要介護(要支援)認定を受けている
令和6年7月時点における「65歳以上の第1号被保険者数」と「要介護(要支援)認定を受けている人」の数は以下のとおりです。
65歳以上の第1号被保険者数 | 要介護(要支援)認定を受けている人 | 割合 |
3,590万人 | 717.7万人 | 19.6% |
参考文献
(文献1)
介護保険事業状況報告https://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/osirase/jigyo/m24/2407.html?utm_source=chatgpt.com
令和6年7月時点で、65歳以上の第1号被保険者数は3,590万人で、そのうち要介護(要支援)認定を受けている人は717.7万人です。
つまり、65歳以上の約5人に1人(19.6%)が要介護認定を受けているといえるでしょう。
高齢化が進む中、介護を必要とする人の割合も増えており、今後ますます介護の重要性が高まっていくことが予想されます。
【年齢別】要介護(要支援)認定者数の割合
年齢 | 65歳以上の第1号被保険者数 | 要介護(要支援)認定を受けている人 | 割合 |
65歳以上70歳未満 | 15,518,033人 | 203,034人 | 約1.3% |
80歳以上85歳未満 | 13,812,052人 | 1,562,699人 | 約11.3% |
85歳以上 | 6,574,007人 | 3,923,055人 | 約59.7% |
参考文献
(文献1)
介護保険事業状況報告https://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/osirase/jigyo/m24/2407.html?utm_source=chatgpt.com
要介護(要支援)認定を受ける割合は、年齢が上がるにつれて大きく増加する傾向があります。
65歳以上70歳未満では、全体の約1.3%(203,034人)が要介護認定を受けています。健康な人が多い年代ではあるものの、一部の人は支援が必要になり始める時期です。
80歳以上85歳未満になると、その割合は約11.3%(1,562,699人)に上昇します。この年齢層では介護を必要とする人が大きく増加します。
85歳以上では、約59.7%(3,923,055人)と半数以上が要介護認定を受けている状況です。高齢になるほど、日常生活に何らかのサポートが求められるケースが多くなるでしょう。
よって、年齢が高くなるにつれて要介護のリスクは上昇するといえます。
最も多い介護度は「要介護1」
介護度 | 人数 |
要支援1 | 1,042,500人 |
要支援2 | 1,013,044人 |
要介護1 | 1,478,038人 |
要介護2 | 1,205,807人 |
要介護3 | 937,846人 |
要介護4 | 906,605人 |
要介護5 | 593,426人 |
参考文献
(文献1)
介護保険事業状況報告https://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/osirase/jigyo/m24/2407.html?utm_source=chatgpt.com
要介護(要支援)認定を受けている人の中で、最も多いのが「要介護1」の認定者です。要介護1の認定を受けている人は約148万人と、全体の中でも最も多い割合を占めています。
要介護1は、基本的な日常生活は自力で行えるものの、一部の動作に支援が必要な状態です。例えば、入浴や歩行に不安がある場合や、軽度の認知症による見守りが必要なケースが該当します。この段階では、訪問介護やデイサービスを利用しながら、自宅での生活を続ける人が多いのが特徴です。
要介護1の認定者が多い背景には、高齢化の進展とともに、「まだ重度ではないが、少しの支援があれば自立した生活ができる」高齢者が増えていることが関係していると考えられます。
要介護(要支援)認定を受けている割合は男性より女性が多い
介護度 | 男性人数 | 女性人数 |
要支援1 | 337,007人 | 705,493人 |
要支援2 | 301,678人 | 711,366人 |
要介護1 | 495,286人 | 982,752人 |
要介護2 | 424,652人 | 781,155人 |
要介護3 | 310,237人 | 627,609人 |
要介護4 | 265,853人 | 640,752人 |
要介護5 | 163,935人 | 429,491人 |
合計 | 2,298,648人 | 4,878,618人 |
参考文献
(文献1)
介護保険事業状況報告https://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/osirase/jigyo/m24/2407.html?utm_source=chatgpt.com
要介護(要支援)認定を受けている人のうち、男性は約229.9万人、女性は約487.8万人と、女性の方が圧倒的に多いのが現状です。
これは、女性の平均寿命が男性よりも長く、高齢になるほど要介護のリスクが高まるためと考えられます。特に85歳以上の女性の割合が多くなることで、全体の認定者数にも大きな影響を与えています。
また、高齢の女性は一人暮らしの割合が高く、家族のサポートを受けにくいケースも少なくありません。そのため、介護サービスを利用する必要がある人が多くなる傾向にあります。
【推移】要介護(要支援)認定者の数は年々増加している
参考文献
(文献1)
リスクに備えるための生活設計の要介護度別認定者数の推移https://www.jili.or.jp/lifeplan/lifesecurity/1119.html
要介護(要支援)認定者の数は年々増加傾向にあります。特に、要支援や経過的要介護、要介護1の認定者数の増加が特徴的です。
この背景には、介護を必要とする高齢者の増加に加え、早期のサポートを受ける人が増えていることも影響しています。超高齢社会の進展に伴い、今後もこの傾向が続くと予想されるでしょう。
介護が必要になる原因
介護が必要となる主な原因の一つは、高齢による身体機能の低下です。年齢を重ねるにつれて、筋力やバランス感覚が衰え、日常生活に支障をきたすことが増えます。
また、認知症は記憶や判断力の低下を引き起こし、日常的なケアを必要とする状況を生み出すでしょう。加えて、慢性的な病気や障害(例:糖尿病や心臓病)が進行すると、身体機能の維持が困難になり、介護が不可欠となることがあります。
骨折や外傷後の後遺症も介護を必要とする要因の一つです。事故や転倒などの外的要因が原因となり、後遺症として長期的なサポートが求められるケースがあります。
要介護認定の基準
要介護認定は、日常生活にどの程度支援が必要かを判断するために、5つの分野を基準に審査されます。
- 直接生活介助(食事・排泄・入浴などの支援)
- 間接生活介助(掃除・洗濯・調理などの家事援助)
- BPSD関連行為(認知症による行動・心理症状への対応)
- 機能訓練関連行為(リハビリや歩行訓練などの支援)
- 医療関連行為(服薬管理や医療的ケア)
これらの分野で要介護認定等基準時間(支援にかかる時間)を算出し、さらに認知症加算を加えた合計時間を基に、要支援1~要介護5のいずれに該当するかを判定します。
認定結果に応じて、受けられる介護サービスの内容や量が決まるため、重要な指標となっています。
介護サービスを利用するためには、要介護認定の申請が必要です。詳しい申請方法や必要書類については、以下の記事で詳しく解説しています。申請の流れを理解し、介護サービスを受ける準備を進めましょう。
https://jos-senior.com/blog/1587611/
介護が必要になったとき、自分や家族に合った施設を選ぶことが重要です。どの施設が最適か分からず迷っている方は「いいケアネット」の活用がおすすめです。
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まとめ|5人に1人は要介護(要支援)認定を受けている!早めに将来の介護に備えよう
現在、65歳以上の約5人に1人が要介護(要支援)認定を受けており、その割合は年々増加しています。
要介護の原因は、加齢に伴う身体機能の低下や認知症、慢性的な病気などさまざまです。
家族や自身が安心して生活を続けるためにも、介護サービスの利用や費用、施設の選択肢について知識を深め、将来に向けた備えを進めていきましょう。
また、最適な介護施設を見つけるためには、施設の特徴や提供するサービス内容をしっかり把握することが大切です。「いいケアネット」を活用して、施設の詳細情報や利用者の評判をチェックしましょう。
要介護(要支援)認定の割合についてよくあるQ&A
要介護認定を受けている人の割合はどれくらい?
令和6年7月時点で第1号被保険者(65歳以上の人)3,590万人のうち、要介護(要支援)認定者が717.7万人です。よって65歳以上の高齢者の約5人に1人(19.6%)です。要介護(要支援)認定を受けています。
高齢になるほど認定を受ける割合は高くなり、85歳以上では約60%が要介護認定を受けています。
75歳以上の要介護認定率はどのくらい?
75歳以上の要介護(要支援)認定率は約35.2%です。令和6年7月時点のデータによると、75歳以上の人口は約1,890万人で、そのうち約665万人が要介護(要支援)認定を受けています。
75歳を超えると、加齢による身体機能の低下や認知症の発症率が高まり、介護が必要になる割合も増加します。
特に80歳以上になると認定率がさらに上昇し、85歳以上では約60%に達しています。今後高齢化が進むことで、要介護認定を受ける人の割合は増えていくと考えられるでしょう。
要介護認定者の男女比は?
要介護(要支援)認定者の男女比は、女性の方が多い傾向があります
令和6年7月時点のデータによると、要介護認定を受けている人の総数は約717.7万人で、そのうち男性は約229.8万人、女性は約487.8万です。
要因としては、女性の平均寿命が男性よりも長いことが挙げられます。
高齢になるほど要介護のリスクが高まるため、長生きする女性の方が認定を受ける割合が高いです。
また、一人暮らしの高齢女性が増えていることも、介護の必要性に影響を与えていると考えられます。
最新の要介護認定者数はどれくらい増えている?
最新の要介護(要支援)認定者数は、年々増加傾向にあります。
令和6年7月時点での要介護(要支援)認定者数は717.7万人で、前年と比較すると約10万人以上の増加が見られます。高齢化が進む中で、介護を必要とする人の割合は年々高まり、特に75歳以上の高齢者や認知症を伴う要介護者の増加が顕著です。
また、要支援1・2や要介護1の認定者数が増加しており、比較的軽度の介護が必要な人が増えていることも特徴的です。今後も高齢者人口の増加に伴い、要介護認定者数はさらに増えていくと予測できます。

この記事の監修者
いいケアネット事務局
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