「障がい者グループホームを利用したいけど入居条件が知りたい」「働ける時間が少なくても支払えるか不安」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
障がい者グループホームの入居条件は、障がい福祉サービス受給者証を持っていることです。
障がい者手帳はなくても、グループホームに入居できます。毎月の利用料は、約5~10万円です。
この記事では、障がい者グループホームの入居条件や費用、利用までの流れを解説します。入居しようか悩んでいる方は、読んでみてください。
障がい者グループホームとは数人で共同生活する場所のこと
障がい者グループホームとは、身体・知的・精神障がいを抱える方が6~8人程度で共同生活する施設のことです。
グループホームに入居すると、スタッフのサポートを受けながら、自分らしい生活を続けられます。
障がい者グループホームに在籍するスタッフの役割は、下記のとおりです。(文献1)
スタッフの役職 | スタッフの役割 |
グループホーム管理者 | グループホームで働く従業員や入居する方の管理をおこなう |
サービス管理責任者 | 入居する方に合わせて、援助計画を立案したり、日中に働く作業所と連絡を取ったりする |
世話人 | 日常生活の援助や相談・円滑な人間関係を形成できるよう支援する |
生活支援員 | 入浴・排泄・食事の介護をおこなう |
一人で生活できる力を身につけられると、単身で入居できるサテライト型や一般住宅へ移行できるかもしれません。
障がい者グループホームの入居条件
障がい者グループホームの入居条件は、以下のとおりです。(文献2)
- 知的障がい・精神障がい者・身体障がい者・難病のうちいずれかに該当する
- 障がい福祉サービス受給者証を発行している
- 知的障がい・精神障がい・難病の方は年齢が18歳以上である
- 身体障がい者の方は、65歳未満もしくは65歳以上で障がい福祉サービスの利用歴がある
- グループホームのスタッフから入浴や食事、排泄などの援助を受けて、一人で生活できる
障がい者手帳は必須ではありませんが、グループホームによっては提示を求められるため、取得しておいたほうがよいでしょう。
障がい者グループホームを利用したい場合は、まずは市区町村に相談しましょう。
障がい者グループホームに入居するために必要な物
障がい者グループホームに入居するために必要な物は、下記のとおりです。
- 障がい福祉サービス受給者証
- 身体障がい者手帳(身体障がい)
- 療育手帳(知的障がい)
- 精神障がい者保健福祉手帳(精神障がい)
先ほども解説したように、障がい者手帳は必須ではありません。
しかし、グループホームでの援助を受ける際に、障がい者手帳や認定区分を確認されるケースがあるため準備しておきましょう。
難病の方は、疾患に応じた障がい者手帳を取得可能です。
難病の方が障がい者手帳を取得したい場合は、お住まいの市区町村にある障がい福祉窓口で相談してみましょう。
障がいのある方が利用できるグループホームは4種類
障がいのある方が利用できるグループホームは、4種類です。(文献3)
- 介護サービス包括型
- 日中活動サービス支援型
- 外部サービス利用型
- サテライト型
それぞれ特徴を解説するので、グループホームを選ぶ際の参考にしてください。
介護サービス包括型
日中は働いたり、何らかの活動をしたりしている障がいのある方が、夜間に食事や入浴・排泄などの援助を受けるグループホームです。
2021年時点で全国に約8,000事業所あり、約12万人が入居しています。(文献3)
日中活動サービス支援型
日中・夜間問わず援助を食事や排泄、入浴などの援助を必要とする方が対象です。夜間も職員を配置する基準があるため、障がいが重度な方も入居できます。(文献4)
2018年より新設されたグループホームであり、2021年時点で事業所数は約300ヵ所、入居者数は約4,000人です。(文献3)
障がいにより、日常的に援助が必要な方に向いているグループホームです。
外部サービス利用型
外部サービス利用型のグループホームは、在籍している世話人から家事や相談などのサポートを受けられます。
食事・排泄、入浴などの援助は、外部の介護サービスを利用します。
2021年時点で、約1,300ヵ所の事業所があり、約1万5,000人が利用しているグループホームです。(文献3)
サテライト型
サテライト型は、共同生活よりも単身で生活したいと考える障がい者の方に向けたグループホームです。
サテライト型は、上記3種類のグループホームから20分以内にあるアパートなどの1室に入居します。
基本的には一人での生活ですが、食事や入居者との交流する際には、本体となるグループホームへ行く機会があります。
サテライト型に入居する方は、一般住宅への移行を目標にしており、入居期間は3年程度です。
他の3種類と比べて、入居期間に制限がある点に気をつけましょう。
障がい者グループホームにかかる費用
障がい者グループホームの利用にかかる費用は、主に家賃・食費・水道光熱費、障がい福祉サービス利用料・日常生活費です。
それぞれの目安料金は、以下のとおりです。
家賃 | 1万~4万円 |
食費 | 約2~3万円 |
水道光熱費 | 約1~2万円 |
障がい福祉サービス利用料 | 0円~37,200円 |
日常生活費 | 約5,000円~1万円 |
障がい者グループホームに入居する際は、家賃補助を最大1万円受けられ、地域によってはさらに補助を受けられるのです。
障がい福祉サービス利用料は、収入に応じて上限額があります。(文献2)
上限額は、生活保護もしくは低所得者世帯であれば0円、一般的な収入がある場合は37,200円です。
グループホームによって、家賃や食費、水道光熱費が異なるため、利用料を比較して金銭的に負担のない施設を選びましょう。
障がい者グループホームに入居までの流れ
障がい者グループホームに入居する際は、お住まいの市区町村にある福祉相談窓口へ、障がいサービス受給者証の発行、障がい者支援区分認定、施設の利用について相談しましょう。
障がい者サービス受給者証の発行には、約1ヵ月かかります。
障がいサービス受給者証の発行を申請したら、障がい者グループホームを市区町村から紹介してもらったり、ネットで検索したりします。
気になる施設が見つかったら、体験で入居してみましょう。体験したグループホームの雰囲気に問題がなければ、入居申し込みをおこないます。
障がい者グループホームに入居するメリット
障がい者グループホームに入居するメリットは、以下のとおりです。
- 少ない費用で入居できる
- 社会的な関わりの機会が増える
- 必要な支援を受けながら自分らしく生活できる
一つずつメリットを解説するので、入居した後の生活をイメージする際の参考にしてください。
少ない費用で入居できる
障がい者グループホームは、国からのサポートを受けられるため安く入居できるメリットがあります。(文献2)
収入に応じて障がい福祉サービス利用料が0円になったり、家賃補助を受けられたりするため、収入の少ない方も安心して過ごせるでしょう。
2022年の調査によると、障がい者グループホームに入居している方の約5割は、自己負担額は6万円未満と報告されています。(文献6)
援助を受けながら少ない費用で生活したいと考えている方に、障がい者グループホームはおすすめできます。
社会的な関わりの機会が増える
障がい者グループホームに入居している方は、共同生活で社会的な関わりの機会が増加します。
厚生労働省が実施した調査によると、障がい者グループホームに入居する方は、仲間がいるのでさみしくない、地域の人と会ったり話したりしやすいなどのメリットがあると回答しています。(文献3)
障がいを抱える方は家族と同居しているケースが多く、自宅で過ごす機会が増えて、社会的な関わりが少なくなってしまいます。(文献7)
障がい者グループホームに入居すると、共同生活であり、社会的な関わりの増加に期待できるでしょう。
必要な支援を受けながら自分らしく生活できる
障がい者グループホームでは、世話人や生活支援員から、サポートを受けながら自分らしく生活できます。
障がいを抱えると、できること・できないことがあります。
グループホームに入居すると、できることは自身でおこないながら、できないことのサポートを受けることで、自分らしい生活が可能となるでしょう。
また、世話人や生活支援員からの援助を受けて、できなかったことが徐々にできるようになるかもしれません。
障がい者グループホームに入居するデメリット
障がい者グループホームに入居するデメリットには、下記があります。
- 共同生活である
- 入居を断られるケースもある
- 空きがない施設ではすぐに入居できない
障がい者グループホームを検討する場合は、デメリットも事前に把握しておきましょう。
共同生活である
障がい者グループホームは、基本的に共同生活です。
共同生活では、周囲がうるさいと感じたり、自分のペースで生活できなかったりするため、デメリットに感じるかもしれません。(文献3)
しかし、グループホームで過ごし、一人で生活できると判断されると、単身で入居できるサテライト型への入居が可能です。
入居を断られるケースもある
障がい者グループホームは、障がい認定区分がなくても入居できます。
しかし、認定区分が重く、対応できるスタッフがいない場合には、入居を断られるケースがある点に注意してください。
空きがない施設ではすぐに入居できない
障がい者グループホームの定員は、2~10名と決められています。
定員が少ないため施設によっては空きがなく、すぐに入居できないケースがあるのです。
千葉県によると、障がい者グループホームや施設の待機者は令和2年時点で県内に約700人と報告されています。(文献8)
障がい者グループホームを探すときは、すぐに入居できない可能性があるため、できるだけ早期から相談しましょう。
障がい者グループホームと高齢者向けグループホームの違い
障がい者グループホームと高齢者向けグループホームの違いは、以下のとおりです。
障がい者グループホーム | 高齢者向けグループホーム | |
対象者 | 身体障がい・知的障がい・精神障がいを抱える方 | 認知症と診断された要支援2、要介護1以上の方
グループホームのある市区町村に住民票がある方 |
サービス内容 | 食事・排泄・入浴などの援助、相談や家事のサポートを受けられる
就労支援や金銭管理 |
食事・排泄・入浴など日常生活における介護 |
主な違いは、対象者です。障がい者グループホームは、何らかの障がいを抱える方、高齢者向けグループホームは認知症の診断が必須です。
入居できる方が異なるため、施設を探す際は、混同しないように注意しましょう。
まとめ|障がい者グループホームの入居条件を知って自分に合う施設を見つけよう
障がい者グループホームの入居条件は、身体障がい・知的障がい・精神障がいのいずれかがあり、障がいサービス受給者証を発行されていることです。
障がい者手帳は必須ではありませんが、施設によっては提示を求められるかもしれません。
障がいサービス受給者証の発行と合わせて、障がい者手帳の取得も進めましょう。
いいケアネットでは、高齢者の方が入居できる施設を紹介しています。
障がいのある方が入居できる施設も紹介可能なため、老人ホームを検討している方はお気軽にご相談ください。
障がい者グループホームの入居条件が気になる方からよくある質問
障がい者グループホームは何年間入居できますか?
障がい者グループホームは、サテライト型のみ原則3年間と決まっています。他の3種類は、入居期間は決まっていません。
障がい者グループホームは手帳なしで利用できますか?
障がい者グループホームは手帳なしで利用可能です。しかし、グループホームによっては、障がい者手帳の提示を求められるため、問い合わせの際に確認しましょう。