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老人ホームの探し方|より良い施設を選んで豊かな老後を過ごそう

高齢化の進む日本では、数多くの老人ホームが運営されています。令和5年10月1日時点での有料老人ホームの数は、全国で17,833施設にものぼります。(文献1)

「『〇〇市 老人ホーム』といったキーワードで検索をしても、同じ施設ばかり出てくる」「もっと多くの施設のなかから、自分に合ったものだけを選びたい」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。

この記事では、ご自身やご家族に合った施設を探す方法と、施設探しをする際に整理しておきたいポイントを紹介しています。

老人ホームの探し方次第で、老後を有意義に過ごせるかどうかも変わってきます。ぜひ参考にしてください。

老人ホームの探し方は主に5つ

老人リハビリ

老人ホームの数は多く、その特徴もさまざまです。情報収集した上で、自分やご家族にあった施設を探し出すのは困難です。

ここでは、老人ホームを探すのに有効な方法を5つ紹介します。

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目次

地域包括支援センターに相談する

老人ホームを探すには、まず地域包括支援センターに相談すると良いでしょう。

地域支援包括センターは、人口1.5万人〜3万人圏内につき1カ所以上の設置が義務付けられている介護の相談窓口です。高齢者の介護や医療・福祉に関する幅広い相談に乗ってもらえるため、気軽に相談できます。

地域包括支援センターは、地域の施設情報に強い特徴があります。近隣の介護施設の情報を持ち合わせており、とくに特別養護老人ホームなど、公的な介護施設への入居を希望する人におすすめです。

ただし、地域包括支援センターはあくまでも公的な機関です。「どの施設にすれば良いか」といった具体的な質問には答えられないため、相談や資料集めに利用するようにします。

ケアマネージャーに相談する

現在、介護認定を受けている人が、入居先の老人ホームを探す場合は、担当のケアマネージャーに相談するのもおすすめです。

ケアマネージャーは、自身の担当する人の健康状態や性格を把握しています。そのため、相性の良さそうな施設を紹介してもらえる可能性が高いのです。

介護の実態を知っている専門家の目で探してくれるため、過ごしやすい施設を提案してくれます。

また、ケアマネージャー独自のネットワークから情報を集めてくれるため、よりその人に合った施設の情報が見つけやすくなります。

老人ホーム紹介センターに相談する

地域外の施設からも幅広く情報を集めたい場合には、老人ホーム紹介センターを利用するのもおすすめです。

老人ホーム紹介センターとは、民間企業によって運営されている機関で、地域包括支援センターと似た役割を持っています。全国の情報を幅広く網羅した専門家が在籍しており、公的施設と民間施設両方の情報を集められます。

電話やオンラインでの相談も受け付けているセンターが多いため、忙しい人や直接話を聞きに行けない人でも利用しやすいのが特徴です。

老人ホーム紹介センターは多くの場合、無料で相談・利用できます。これは、入居契約が成立すると、老人ホームから紹介センターに紹介料が支払われる仕組みとなっているためです。

なかには特定の老人ホーム関連会社が運営しているセンターもあるため、複数のセンターを利用して、さまざまな視点から情報を得るのがおすすめです。

周囲の人に相談する

近所や友人に介護従事者がいる場合、おすすめの施設を聞いてみる方法もあります。

介護の現場を実態を知っているからこその視点で、施設の良し悪しが聞けます。仲介者が入らない生の声は、ほかでは手に入らない貴重な情報です。

実際に老人ホームに入居している人に感想を聞いてみるのもおすすめです。外から見た施設の印象が良くても、実際に入居してみるとイメージと違う部分も見えてきます。普段の施設の様子やスタッフの対応などを聞き、施設探しの参考にすると良いでしょう。

介護施設紹介サイトを利用する

いつでも数多くの施設情報に当たれる点では、介護施設紹介サイトの利用もおすすめです。

介護施設紹介サイトには、以下の特徴があります。

  • 掲載されている施設数が多い
  • 地域を問わず、施設の検索ができる
  • 条件を指定して施設を絞り込める
  • 施設の比較、検討がしやすい
  • 写真や動画など施設の情報が豊富
  • 施設探しの専門家が無料で相談に乗ってくれる

介護施設紹介サイトは、インターネットでいつでも自由に施設の検索ができます。

また、担当者が代わりに施設情報を調べたり、空き情報を確認したりできるため、利用者の負担が少ないのも特徴です。

当サイト「いいケアネット」でも、老人ホーム探しの専門家が、最適な施設探しをサポートしていますので、ぜひご活用ください。

大阪を中心に、多数の高齢者向けの介護施設の情報を掲載する「いいケアネット」では、老人ホームに関する疑問やまつわる情報を「いいケアジャーナル」で随時更新中です。

高齢者施設の種類

老人介護

老人ホームで快適な生活を送るためには、当人に合った施設選びが大切です。

老人ホームは大きく分けて、以下の7つに分けられます。

  • 介護付き有料老人ホーム
  • 住宅型有料老人ホーム
  • サービス付き高齢者向け住宅
  • グループホーム
  • 特別養護老人ホーム
  • 介護老人保健施設
  • ケアハウス

それぞれの特徴を、下表にまとめました。

運営 入居条件 費用 居室タイプ
介護付き有料老人ホーム 主に民間企業 要支援1~ 中~高 原則個室
住宅型有料老人ホーム 民間企業 自立~ 中~高 原則個室
サービス付き高齢者向け住宅 主に民間企業 自立~ 中~高 原則個室
グループホーム 民間企業

社会福祉法人

要支援2~ 中~高 原則個室
特別養護老人ホーム 地方公共団体

社会福祉法人

要介護3~ 比較的低い 個室

相部屋

介護老人保健施設 医療法人 要介護1~ 比較的低い 個室

相部屋

ケアハウス 社会福祉法人 自立~ 比較的低い 原則個室

費用や要介護度などから、入居に適した施設を探すと良いでしょう。

老人ホームの選び方について、詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

失敗しない!初めての老人ホーム選びの法則

老人ホームを探す際に明確にしておきたいポイント

デイサービス

評判の良い施設が全員に合っているとは限りません。数多くの施設のなかから、自分に合った老人ホームを探すには、自分が何を重視するのかを明確にしておくと良いでしょう。

ここからは老人ホームを探す際にとくに明確にしておくべきポイントを紹介します。

入居する人の心身の状態

老人ホームによっては認知症の有無や介護が必要か否かで入居できない施設があります心身の状態によって選べる施設が変わってくるため、現在どのような状態にあるかを把握しておくことが大切です。

また、現在は自立した生活を送れている人でも、要介護状態になった場合を念頭に置いた老人ホーム選びが大切です。要介護認定を受けても過ごせる施設を探すのか、別の施設へ住み替える前提なのかを決めておくと良いでしょう。

痰の吸引やインスリン注射といった医療的ケアが必要な人は、医療施設に隣接していたり、看護スタッフが多く常駐していたりする老人ホームを選ぶことも大切です。

老人ホームにかけられる予算

老人ホームにかけられる予算は必ず決めておきましょう。老人ホームによって入居費や利用費は異なる上、入居一時金(平均余命などから入居者の居住期間を想定し、賃料や介護費などを前払いする)が必要な施設も存在します。

現在の資産と年金などで見込まれる収入から、老人ホームにかけられる予算の上限を決めておくと安心です。老人ホームで生活していくなかでも、医療費や介護保険サービス費などは別途必要です。余裕を持ったプランを考えておくと良いでしょう。

希望する居住地域

人によって、理想の老後生活はさまざまです。住み慣れた地域を離れたくない人もいれば、まったく新しい環境で生活をしてみたい人もいるでしょう。

にぎやかな都会や静かな自然のなかなど、どのような地域でどう過ごしたいかを決めておくと、施設探しの方向性が決まります。

とくに山奥など交通の便が悪いところにある老人ホームは、賃料が控えめな場合も多いため、どこまで妥協できるかを考えておきます訪問する家族の意見を参考にするのもおすすめです。

入居希望時期

いつ入居したいのかを決めておくのも大切です。今すぐに入居したいのか、入居を待てるかで選べる老人ホームは変わってきます。

特別養護老人ホームはとくに人気が高いため、待機時間が長くかかりがちです。今すぐに入居したい場合には、有料老人ホームなどに入居しつつ、施設の空きを待つ方法もあります。

施設探しのプロにサポートを依頼する場合には、「〇月までに入居したい」と具体的な予定を伝えておくと効率良く探してもらえます

理想とする生活

老人ホームを選ぶ際にもっとも大切なのは、入居する本人がどのような生活を望んでいるかです。たとえば、以下のようなポイントを重視する人もいます。

  • おいしい食事
  • 手厚い介護
  • 豊富なレクリエーション
  • ほかの入居者との交流
  • 入浴の頻度

スタッフの態度や施設の設備など、老人ホームを選ぶ基準は人それぞれです。理想とする生活と譲れないポイントを決めておくと、老人ホーム探しの基準になります

最期まで老人ホームで過ごすつもりであれば、看取りの方針についても尋ねてみると良いでしょう。

まとめ|多くの施設のなかから自分に合った老人ホームを探そう

デイサービス

豊かな老後を送るためには、理想の生活がおくれそうな老人ホームを選ぶことが重要です。周囲の人や施設探しの専門家に意見をもらいながら、自分に合った施設を探します。

老人ホームを探している人のなかには、施設を見つけることが目的になってしまっている人もいます。施設探しはあくまでも楽しい老後を送るための手段です。どのような環境であれば、穏やかに生活できるかを考えるようにしましょう。

大阪を中心に、多数の高齢者向けの介護施設の情報を掲載する「いいケアネット」では、老人ホームに関する疑問やまつわる情報を「いいケアジャーナル」で随時更新中です。

老人ホームの探し方についてよくある質問

老人ホームは一カ月にいくらくらい必要ですか?

施設や要介護度によって必要となる金額はさまざまです。さらに民間施設か公的施設かによっても費用は異なります。

生命保険文化センターによる2021年度の調査では、老人ホームに入居している人にかかった1カ月あたりの介護費用の平均は12.2万円です。

15万円以上支払っている人も16.3%いるため、費用は余裕を持って考えておくと良いでしょう。(文献2)

老人ホームはいつから探し始めれば良いですか?

老人ホームの検討は、対象者が心身ともに元気なうちに始めるのがおすすめです。理想の暮らし方や希望する介護の方法などを聞いておきましょう。

いざ老人ホームへの入居が必要となったときに、焦って施設を探しても、施設の見学など満足にできない可能性があります。健康だからこそ、妥協せず探せる時間が持てるのです。

老人ホーム探しのタイミングについては、以下の記事で詳しく解説しています。

老人ホームや施設はいつ探しはじめればいい?家族に切り出すきっかけと選び方のポイント

この記事の監修者

いいケアネット事務局

突然倒れた、転んで頭を打ったなど、ご自身やご家族の介護を身近に感じるきっかけはそれぞれです。 いいケアネットでは、いざという時のために役立つ介護の知識や介護施設についてご紹介します。

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