「訪問看護」という言葉を聞いたことがある方は多いかと思いますが、実際どんなサービスなのかご存じでしょうか?今回は訪問看護の基礎的な知識についてお伝えします。
訪問看護とは?
訪問看護とは、主治医の指示に基づき看護師・准看護師・保健師・助産師などの看護職、また理学療法士・作業療法士・言語聴覚士などリハビリの専門職などが、このサービスを必要とする方の生活の場である自宅や老人ホームなどを訪問し、専門的なケアを提供するサービスです。
サービスを提供している事業所は、病院・クリニック・訪問看護ステーションなどがあります。
訪問看護の対象者としては、高齢者・障がい者・子供など病気や障がいを抱えている方の中で、かかりつけ医が訪問看護が必要であると判断した方になります。
訪問看護のサービス内容とは?
訪問看護は主治医が作成する「訪問看護指示書」に基づき、看護師などが自宅や老人ホームなどを訪問しサービスを提供します。
24時間365日対応している事業所もあり、その分料金は割増しになりますが、夜間や深夜、早朝や緊急時の対応も可能になります。
具体的には以下の様なサービスが受けられます。
- 病状の観察、血圧、体温などのチェック 医療機器や点滴などの管理
- 食事や排泄の援助
- 褥瘡(じょくそう)の処置やその予防
- カテーテル(体に挿入されている管)の管理
- 看取り(ターミナルケア)
- 痛みの軽減や服薬管理
- リハビリテーション
- 療養生活の介護指導や相談
- 緊急時の対応
- 主治医・歯科医師・薬剤師・ケアマネージャーなど関連機関との連携など
訪問看護はどのくらいの頻度や時間でサービスを提供してくれるの?
そのサービスが介護保険か医療保険かによっても変わりますが、介護保険の場合は、ケアマネージャーが作成するケアプランの内容に従い、1回の訪問時間は1時間半、1時間、30分、20分の4つに分かれます。
医療保険の場合は、1回の訪問時間は30分~1時間半程度で、通常週に3回までとなっています。
ご本人やご家族の意向をもとに訪問時間や頻度を決めますが、病気や状況によっては、毎日サービスを利用することも可能です。
訪問看護の費用はどのくらいかかるの?
利用する保険の種類、年齢・所得によっても変わりますが、原則1割から3割が自己負担となります。
自己負担が軽減される制度もありますので、詳しくは下記にあります、いずれかの相談窓口にお問い合わせ下さい。
訪問看護で利用する保険は?
訪問看護は介護保険だけでなく医療保険も利用できる場合がありますが、高齢者の場合は通常介護保険を申請し、要介護認定を受けた場合は介護保険が優先されます。
しかし末期がんや厚生労働省が定めた疾病に該当する方、精神疾患、重度の褥瘡などでこまめな訪問が必要な方の場合は、医療保険を利用し訪問看護を受ける場合があります。
訪問看護を受けたい場合、どこに相談すれば良い?
かかりつけの医療機関、お近くの訪問看護ステーション、市区町村の介護保険や障がい福祉の窓口、高齢者の総合相談窓口である地域包括支援センターなどです。
また「日本訪問看護財団」という団体があり、ここでは訪問看護の利用を検討されている方への電話相談を行っています。
「訪問看護サービスはどんなサービスなの?」「訪問看護を頼みたいけれどどこに連絡をすれば良い?」など訪問看護の利用に関する相談の他、在宅サービスに関する様々な相談にも乗ってもらうことができます。
【日本訪問看護財団の相談窓口の専用ダイヤル】
TEL:03-5778-7007
※コロナウイルスの感染防止の観点から当面は毎週月曜日と金曜日の
9時~16時までが対応可能。ただし12時~13時までは休憩。
【FAXでの相談窓口】
FAX:03-5778-7009
まとめ
「住み慣れた環境で最期まで過ごしたい」という願いを叶える方法の一つに訪問看護というサービスがあります。ご自身やご家族などが自宅でのサービスを受けたいと思った時には、今回の内容を参考にしていただき、一人で悩まず関係機関に相談し、訪問看護の利用を検討してみてはいかがでしょうか。
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この記事の監修者
いいケアネット事務局
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