今後、介護の現場で外国人が働く機会が増えていく可能性があります。
政府は、介護現場で働く外国人技能実習生が国家資格の介護福祉士に合格すれば、一旦帰国した後に日本で介護職として働き続けられるような制度見直しをする方針を固めました。
この政策は日本の介護現場の慢性的な人材不足を少しでも和らげることが狙いですが、本来外国人への技能移転が目的であった技能実習制度の意義が失われてしまうのではないかという声もあるようです。
外国人技能実習制度の介護職は、11月に初めての対人サービスとして制度の対象に加わったばかりですが、12月1日午後の経済財政諮問会議で民間議員が介護食の在留資格の見直しを提案し、これを政府が受け入れる意向を表明しました。
11月から始まった技能実習制度では、最長で5年間、日本で働くことができます。そして今回の表明が現実化すれば、その5年間の間に「3年以上の勤務経験」「介護福祉士の資格取得」を達成した外国人は、一度母国へ戻り、在留資格を「実習生」から「介護」に変更すれば、再入国でき、無期限で日本で働き続けられるようになります。
現在、介護職として、日本で働き続けられる外国人は、経済連携協定(EPA)の仕組みによって、フィリピンなどから来日したり、留学生として日本の養成校で2年以上学んだりして介護福祉士の試験に合格した人などに限られています。
今後、フィリピンなどから日本に介護職として働く人が増える可能性は十分に考えられ、介護業界の深刻な人材不足を和らげるきっかけになるかもしれませんが、コミュニケーションの問題や入居者様への対応など、現場の対応にも工夫していく必要性も出てくるでしょう。
この記事の監修者
いいケアネット事務局
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