ある日A様より連絡があり、知人で身寄りのない90歳の女性H様が現状のマンションでの独居が厳しくなったので、老人ホームを探して欲しいとのことでした。
聞くところによりますと、H様はご自宅での転倒により股関節を痛めたようで、そのまま2カ月程入院されており、リハビリは日々続けていらっしゃるようですが、ご高齢であることもあり歩きづらい状況はなかなか改善されないままでした。
そしてご入院中に介護度の区分変更が必要になり認定調査に来てもらった結果、要支援2⇒要介護3になられたのです。
知人のA様曰くH様は近年まで会社の取締役をされており、現在も収入があるうえ資産もお持ちの方で、日々の暮らしもご自身のこだわりを強くお持ちの生活をされているとの事です。
もちろん老人ホーム探しにおいてもこだわりを強く持たれていらっしゃいました。
例えば、部屋の日当たり具合やリハビリの充実度はもちろん、食事についても鶏肉、豚肉、魚介類、ピーマン、人参、胡瓜などはすべて食べられないので除去して配膳するということが絶対条件でした。
ところがそれ以上に一番のこだわりがありました。
実は昔からH様に付き添っておられる占いの先生がいらっしゃり現在お住まいのマンションの場所から老人ホームに向かっての方角や建物の図面をみて中心部分から各主要設備位置の方角がどうなのか、その方角と位置で今後の人生が大きく変わると非常に気にされていました。
当初、答えが分かる部分(リハビリ対応や除去食の可)をクリアさせながら施設のご紹介をしておりましたが、やはり微妙な方角と設備の配置で引っかかり、ご案内させて頂いた老人ホームは6件となり、細かいチェックの為に行った再見学を含めると延べ10回に及ぶご見学となりました。
結果、ようやくすべてのこだわりポイントをクリアすることが出来る、老人ホームが見つかりました。
H様にも大変喜んでいただくことが出来まして、A様と私どもも非常に充実した気持ちでいっぱいになりました。
今回のお話をいただき、強いこだわりを持って実直に生きてこられたH様の人生の集大成となる終の棲家を探しだすという使命は非常に責任感を感じるものでした。
それは私どもとしましても絶対に妥協した選択をしていただくわけにはいかなかったのです。
今回のようにご入居様が納得のいく老人ホームを探し出すという強い思いをいつも持って挑ませていただき、ご入居様に必ず納得していただけることを目標に日々努めております。
この記事の監修者
いいケアネット事務局
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